韓国のトップバレーボール選手が、若いころにいじめをしていたことを告発されて、選手生命をほぼ絶たれてしまった状態になった。そして、その後続々と、過去のいじめの告発が相次いだという。将来トップアスリートになるような人は、当然グループの中で力があり、中心的な位置を占めていたのだろうから、きついことも言うだろうし、言われた側が根に持つことは十分にありうる。もちろん、それは精神主義的な練習が幅をきかせている世界で起きがちなことであって、相互協力的で、かつ科学的トレーニングが実行されているようなチームでは、そうしたいじめやパワハラは起きにくいのだが、日本もそうだし、韓国でもまだ精神主義が支配的なのだろう。
しかし、過去のそうしたハラスメントが必ず後年になって、蒸し返されるわけではない。この姉妹のバレー選手の場合には、他のいじめに関連して、「そういうことはよくない」という趣旨の発言をしたことが、藪蛇になったということだ。だから、過去のいじめが必ず暴かれてしまうというわけではなく、過去の加害者のその後の姿勢によって影響されるのだと考えられる。
ところが、この事件はその後意外な展開を見せ始めているという。ナショナルチームの代表となるような選手生活は、永久に絶たれてしまったと言われている姉妹が、今度は逆に、自分たちを告発した人に対する提訴を検討しているという。最初の告発については、内容をほぼ認めていたにもかかわらず、そういうことがありなのか。かなり議論になっているという。