市民コンサートでベルディ・レクイエムを演奏

 今日は所属する市民オーケストラ(松戸シティフィルハーモニー)と市民合唱団の市民コンサートだった。35回目ということで、長く続いている演奏会だ。年に一度、合唱をともなったオーケストラ作品、あるいはオーケストラ伴奏付きの合唱曲を演奏する。今回はメインがベルディのレクイエム、前プロとしてチャイコフスキーの「幻想序曲ロメオとジュリエット」だった。
 35回の市民コンサートのなかで、ベルディのレクイエムを演奏したのは、今回が3度目だ。そして、幸運なことに、私はすべて参加している。そして感じるのは、オーケストラの力量の向上だ。それは、前プロの選び方で感じる。
 最初は2003年で、前プロはベルディの「シチリア島の夕べの祈り」で、2回目は、ワーグナーの「パルジファル序曲」、そして、今回がチャイコフスキーのいわゆる「ロメジュリ」だが、確実に難しい曲になっているし、今回のはオーケストラにとっての負担が大きい難曲だ。演奏時間も格段に長い。もちろん、3大レクイエムといっても、ベルディがもっとも大規模で演奏も大変である。こういう選曲ができるようになったと、すっかり古株的になってしまったが、感慨ひとしおというところだった。
 秋の定期演奏会ではマーラーの5番の交響曲をやったのだが、そのときにも同じことを感じていた。2回目だったのだが、前回の前プロはモーツァルトの「フィガロの結婚」序曲で、今回はワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」序曲だった。難しさは格段に違う。ワーグナーは、演奏していて、かなり没入し、味をだせたと思ったものだ。

 この市民コンサートは、合唱曲といっても当然ソロが加わるのだが、毎年若手だが実力のある歌手たちが参加してくれている。今回はソプラノ内田智子、アルト石田滉、テノール安保克則、バス金沢平というソリストたちだった。みな本当にすばらしいひとたちで、経歴をみると、オペラの主役をたくさん歌っているようだ。あわせの練習は前日と当日のみで、当日は部分的にさらっただけなのだから、それでもこれだけの大曲を感動的に歌いこなすのだから、思わず演奏しながら聴きほれてしまうほどだった。逆にいえば、それだけのあわせ練習で、きちんとあわせられるわれわれの力量も高まったということか。
 ただ、正直に書くと、この一週間体調を崩していて、思うような練習ができなかったので、個人的にはミスも何度かしてしまった。弦楽器なので、まわりに影響しないのは幸いだが、それは残念だった。とくに高齢者になると、日々のトレーニングをしないと、すぐに筋肉がなまってしまうわけだが、チェロの速いパッセージは、筋肉労働そのもので、毎日やっていないと筋肉痛がおきてしまうものだ。そういう点で、今回は多少悔いが残るものだった部分もあった。体調管理はどんなときにも大事だ。

 報告のようなブログになった。

投稿者: wakei

2020年3月まで文教大学人間科学部の教授でした。 以降は自由な教育研究者です。専門は教育学、とくにヨーロッパの学校制度の研究を行っています。

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