映画東京オリンピックsideB Aより大分落ちる

 河瀨直美監督の東京オリンピックsideBを見た。Aは比較的よかったと思い、ブログにも書いたが、Bは完全に失望という感じだった。事前に、映画コムでのレビューを見ていたから、期待はしていなかったが、ほとんどすべてが否定的だったレビュー通りだったといえる。
 上映期間も1週間だから、もともと客がはいることは期待していなかったのかも知れない。レビューには、オリンピック自体が無観客だったのだから、映画も無観客なのだろうという文もあったくらい、かなしいほどの客の入りだ。Aは5名で、今回は同じ映画館だったが12名だった。Aはけっこう評価が高かったので、Bも見てみようという人がいたのかも知れない。
 Aは、 それでも「発見」があった。そして、勝利者の激闘ではなく、出場そのものに困難があったアスリートたちの物語という「筋」があり、そういうひとたちはメダルをとっていないので、話題になっていない人がほとんどだから初めて知ったし、また、こういう努力もあるのかという驚きもあった。出産後間もないのに出場して、レース途中に棄権せざるをえなかった女性マラソンランナーなど、メディアは取り上げていたのだろうか。

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停電は回避したいものだ

 最近のニュースでは、電力需要が多くなって、許容量ぎりぎりになっていて、これ以上暑くなると、計画停電をせざるをえないということがしきりに、メディアで言われている。
 突然酷暑がやってきた感じで、身体がついていかないために、エアコンを急に使うようになり、一挙に電力使用量が上がっているのだろう。
 電力不足への対応策は、3通りしかない。
1 電力が不足している地域へ、足りている地域から融通して送電する。
2 発電量を増やす。
3 節電する。
 可能な限り、これらをすべて実行することが必要である。
 
1 東日本大震災後は、かなり計画停電があったが、当時は、電力会社間での電力の融通システムがなく、他の管内で余剰があっても、管内で不足すると停電せざるをえなかった。その後相互に融通するシステムができて、震災後よりは、供給が安定するようになったという。しかし、今日のテレビでは(羽鳥モーニングショー)、解説者が、そういうシステムが導入されるようになったが、まだまだ部分的であると言っていた。日本は、危機を脱すると、これでいいではないか、というように対策が緩んでしまう傾向があるが、電力会社としては、そういう雰囲気に妥協することは、怠慢と言わざるをえない。

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インターネットの匿名性は必要である

 ウォール・ストリート・ジャーナルに、「インターネット上の匿名性を擁護する」という記事が掲載された。筆者はマイケル・ルカである。
 アメリカでも、匿名性の是非についての議論がさかんなようで、ほぼ日本と同じような論調だろう。私は、1990年代のパソコン通信時代に、匿名性についての議論をかなりたくさんやった。そして、結論として、匿名性は大切であり、短所より長所のほうが大きいということだった。ただし、一定の条件が必要である。当時はパソコン通信で、完全に開放的なシステムではなかったが、インターネットになっても、基本は同じだと考えている。
 匿名性否定派の意見は、名誉毀損・誹謗中傷、詐欺等の犯罪的な発言や情報伝達が可能になる、匿名を禁止すれば、そうしたネガティブな書き込みができなくなる、というものだ。こうしたことが、多く見られることは事実であり、たとえ匿名肯定派であっても、こうした犯罪的書き込みに対する有効な対策をとる必要があると考えている。
 私は、匿名性肯定派なので、その立場からの見解として書く。
 検討すべきことは、ふたつある。
 第一に、実名制にすれば、名誉毀損・誹謗中傷や詐欺がなくなるかということ。
 第二に、匿名にしても、こうしたことを防ぐ有効な手段があるかということ。

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医療的ケア児の就学と支援の問題

 6月17日の47NEWSに「人工呼吸器を付けた「医療的ケア児」は地元の小学校に正式入学できるのか 「自主的集団登校」続ける相模原市の9歳男児」と題する記事が掲載された。
 9歳の医療ケア児が、入学を認められていない小学校に、毎日自主的に集団登校に加わって、学校の建物の前まで一緒にいくが、建物にはいることはできない。そして、在籍している特別支援学校には登校していないので、未就学になっているという。
 1年生の時は、市内の特別支援学校に就学しながら、週2日小学校に通う「居住地交流制度」が実施され、2年生になったら毎日通うえるようにするための試行だった。しかし、2年生になる前に、人員が補充できないという理由で受け入れが不可能になった。だが、自主的集団登校を続けている。
 
 こういう趣旨の記事だ。そして、記事は、「医療的ケア児支援法」が昨年9月に施行されたこともあって、医療的ケア児や家族を社会全体で支え、その意思を最大限尊重する、という法の趣旨を紹介して、市としても、この子にベストな方法を考えたい、一人も取り残さない教育を考える、としていることを伝えて、「友達と同じ教室で勉強する環境を整えられるか。力量が今、問われている。」と結んでいる。

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ウクライナのみに停戦(つまり降伏)を求める鈴木宗男氏

 鈴木宗男氏は過去の人かと思っていたら、ウクライナ侵攻が起こってから、俄然注目度を増している。いい意味ではない。ロシアを批判することなく、ウクライナを責めるという、彼のスタンスは、一貫しており、その意味では分かりやすい。短いから、スポニチの記事を引用しておく。
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「鈴木宗男氏、ウクライナへの武器供与と資金援助「長引かせるだけで、犠牲者が増えるだけ」」
 ロシア通で知られる日本維新の会の鈴木宗男参院議員が23日、自身の公式ブログを更新した。
 この日、太平洋戦争末期の沖縄戦から77年となる「慰霊の日」を迎え、「先の大戦で20万人以上の尊い命が奪われた。77年前、日本が半年早く和平に応じていれば、沖縄戦はもちろんだが、東京大空襲も広島・長崎に核爆弾が落とされることもなかった」とした。
 その上で、ロシアによるウクライナ侵攻について「この事は、ウクライナ紛争でも言えることではないか。一日も早く停戦する事により、一人でも尊い命が守られるのである」とし、「26日から始まるG7(主要7カ国会議)で岸田総理は『1にも2にも停戦だ』というメッセージを発信すべきだ。武器供与、資金援助は、長引かせるだけで、犠牲者が増えるだけである。私は一貫して『停戦に向け、岸田総理はリーダーシップを発揮すべき』と国会でも訴えてきた。待ったなしの責任を果たして戴きたいものである」とつづった。(2022.6.23)
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 他にも似たような主張をしている人はたくさんいるが、氏の主張が最も簡潔明瞭で分かりやすい。逆にいえば、論理のおかしさが、明瞭に浮きでてもいる。
 先の大戦で多くの日本人の犠牲者が出たが、もっと早く和平に応じていれば、犠牲者は少なくて済んだ、という認識が全体にある。だから、ウクライナも同様だ、と。

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立教大学での教授と学生の怒鳴り合い

 6月24日のJcastニュースに、「「黙れ!」「お前が黙れ!」授業中に教員激怒、男性が罵声 動画拡散…立教大「適切に対処したい」」という、実に興味深い記事が掲載された。
 立教大学のある授業で、遅刻してきた上に態度が悪かった学生と、それに怒った教授が激しく罵り合ったという内容で、しかも、それを撮影した学生がいて、映像をツイッターにアップしたというのだ。ヤフコメでも、その映像をみたという人がたくさんいた。私は、この記事で知ったし、記事掲載時には、映像は削除されていたのでみることができなかったが、別に見たいとも思わなかった。
 記事からやりとりを拾うと
S「考えらんないよ。」
T「考えらんねえのは、お前の脳みそ」
T「黙れ、邪魔するんだったら出てけ!」
S「お前が黙れ!」
T「お前とかよく言うな。人のことハゲだなんだって」
S「こいつはハゲだ」
T「くだらないこと言ってんじゃねえよ、こら」
S「くだらなえこと言ってるのはお前だよ」
T「つまんなかったら、出て行けや」
S「おもろい授業してみろよ」
 まだまだ続いたらしいことと、映像については、大学当局も、立教大学の授業で起きたことだと認めたそうだ。

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原発再開の絶対条件

 エネルギー問題が深刻になって、ガソリンの高騰は耐えがたいほどになっている。そして、当然のごとく原発再稼働論が強くなっている。ウクライナ侵攻に対応する軍備強化論などと同一である。たしかに化石燃料を減らすことは、原油高だけの要請ではなく、環境問題からくる強い必要性がある。そして、原発については、私は多少、賛成派とも反対派とも異なる見解をもっている。それを書いておきたい。
 福島原発の爆発事故があったとき、私は丁度大学の春休みだったから、ほとんど一日中テレビをみて、特に原子力専門家の解説を聞いていた。そして、原子力専門家なるひとたちのいいかげんさについて、本当にびっくりした。あのとき、専門家は全員、メルトダウンなどは絶対に起こしていないし、起こさないような構造になっていると断言していたものだ。しかし、その高名な専門家の大学に、私の娘が院生として通っており、非常に興味深い話を聞いてきたのだ。その高名な専門家が、爆発を起こしても放射能などはたいして問題ではない、安全を脅かすようなものでは、全くないと、テレビで解説したあと、大学に戻ってみると、窓が開放されていたので、烈火のごとく怒って、これでは放射能が入ってくるじゃないか、早く閉めろ、と命じたそうだ。そこにいた研究室のひとたちは、びっくりしたそうだ。先生はテレビで放射能なんか、まったく心配ないと言っていたじゃないかというわけだ。そして、この話はすぐに学内で拡散したという。

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浅野正氏有罪判決に思うこと

 2020年3月16日に、妻を殺害した罪で起訴された浅野正氏に、懲役7年の判決が出された。控訴するかどうかは不明だが、この話題について、これまでまったく書かなかったが、判決が出た以上、書かざるをえないと感じる。
 浅野氏は、大学の同僚で、研究室が私の隣だった。ただ、彼との交流は非常に薄かったといえる。臨床心理学科だったが、私の専門が教育学であり、他の人は全員心理系の人だから、あまり話が合わないということもあったためだ。大学の教員は、自分の用事がない限り、大学に行かない人が多いが、私もその典型だった。
 一度だけ、浅野氏と比較的交流をもったことがあった。それは、私が申請した学部内での、しかも3年間かけるという共同研究に参加してもらったことだった。私が申請したために、私が彼に依頼をして加入してもらった。テーマは「少年法廷の研究」だった。初犯で軽犯罪の場合、少年たちが、被疑者の少年を裁く裁判で、アメリカではダイバージョンプログラムのひとつとして、正規の司法プロセスとして認められている。通常の大人により司法の判決よりずっと重い判決がでるが、前科が残らないというために、少年法廷が存在している場合には、そちらで受ける人が多く、しかも、再犯率が格段に低いという結果がでている、ユニークなアメリカの試みである。研究成果は、学部紀要に、参加者全員が論文を発表するかたちで公表した。近年メディアでも大活躍している前嶋和弘氏は当時同じ学部にいて、テーマの対象がアメリカだから、前嶋氏にも参加してもらい、大変刺激的な研究を実現できた。

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福井大学での論文査読の不正

 
 学術雑誌の査読不正は、しばしば起きるが、福井大学の教授が、査読担当者であった千葉大学教授にコメントを求めたという不正が明らかになった。
 大学では、教員の業績を審査する上で、査読付き論文の数を、最も重視する。そして、その雑誌の権威が高いほど、業績が高く評価される。理系の研究者であれば、Natureなどに論文が掲載されると、就職に極めて有利になる。学術論文といっても、まったく査読がない、フリーパスの雑誌もある。ほとんどの大学の紀要はそうだ。しかし、紀要の論文だから、水準が低いとは限らない。私自身就職が決まってからは、研究論文は原則学部紀要に書いた。他に応募する必要もないし、特に、私自身が委員長になったとき、紀要の規定を変更して枚数制限をなくしたこと、マルチメディア機能を付加したことで、他の学術雑誌に執筆する意思はまったくなくなった。それから、日本だけでも、膨大な学会があり、それだけの学会誌があるから、査読といっても、厳密でない場合も少なくない。査読論文だから質が高いとは、必ずしもいえないのだ。
 
 査読不正だが、注意しなければならないことは、問題になるケースが多いのは、査読を受ける側の不正だが、査読をする側の不正も少なくないとされる。多くは闇のなかだから、表面化することは少ないと考えられるのだが。

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ウクライナ雑感 ウクライナ兵士の士気低下とヨーロッパの支援疲れ?

 昨日あたりから、youtubeやニュースで、ウクライナ軍兵士の士気低下が生じていると指摘されるようになっているが、欧米では、既にずいぶん前から指摘されている。私が読んだのは、Independent 誌だった。セベロドネツクの戦闘で、火力がロシア軍は10倍あり、ウクライナ兵はとうてい勝ち目がないと感じて、士気低下が著しいという指摘だった。そうしたことを日本のメディアは、ごく最近まで隠していたわけだ。
 これはゼレンスキーのミスのひとつだと思う。指摘はたくさんあったが、セベロドネツクは、一端戦略的に放棄して撤退し、欧米からの武器の到着をまって、反転攻勢にでるというのが、適切な判断だったと思う。そうしない理由として、セベロドネツクには1000名ほどの市民が残されているから、置き去りにするわけにはいかないというのが理由だった。しかし、その理由は、本当のものではないと思っている。いくらロシア兵であっても、市民を大虐殺することは、それほどないと考えてよい。キーウ撤退後の虐殺は、例外的な状況で起きたし、そのことが国際的な大批判に晒されたことで、ロシア側も修正するはずである。むしろ、兵力に圧倒的な差があるにもかかわらず、市街戦が行われていることこそ、市民にとっては危険な状況であろう。

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