Law & Order テロリストに対する拷問は適法か

 しばらく休んでいたが、アメリカのドラマ Law & Order 考察を復活させたい。Law & Order は本編だけでも20年続いたロングシリーズだが、多数のスピンオフがある。本編の第20シリーズは最終であることが決まっていたためか、相当意欲的に取り組んだようで、非常に傑作が多い。第一回は、いきなりイラク戦争における捕虜拷問がテーマになっている。
 導入は、ある女子大生が授業料を払えないから退学するといって、タクシーに乗るのを男性が追いかけて、自分が払うから辞めるな、もうすぐ大金が入ると告げるが、女性は去ってしまう。実は女性はその男性の妹で、兄のタナーは、イラク戦争に従軍していたが、拷問を行ったことで神経を病み、退役・帰国して、ドラッグの売人をしていたのだった。そして、そのタナーが大学の駐車場で死体となって発見される。警察が捜査に乗り出すと、タナーが退役軍人への手当てを支給するようにと、申請の援助を働きかけて、もめていた法学部の教授フランクリンの存在を突き止める。フランクリンの当初の言動が事実と合わないので、逮捕しようと方針をだしたところ、フランクリン自身が、正当防衛で殺害したことを認めて自首してくる。駐車場で付きまとわれて、危険を感じたので撃ったと主張する。起訴するかどうかを決める大陪審が開催されるが、不起訴が決定してしまう。

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Law & Order 自殺幇助問題

 日本でも、医師による嘱託殺人が起き、実行者は起訴されたが、丁度今、Law & Order で自殺幇助をテーマにしたドラマを見た。18シリーズ1回「残像」。妻と子どもが自宅に帰るのを見送ったトーマスが、そのあと塩化カリウムを自ら注射して、自殺する。しかし、他殺の可能性もあるので、とりあえずグリーン(殺人課の刑事)が呼ばれる。そのとき、トーマスの弟のルーポ(刑事)が、帰国し、自分も捜査に加わりたいというが、身内だから難しいという話をしているところに、もう一人の同じような自殺事例が発生する。そこでルーポも加わる。(その後相棒となる)
 仮釈放になっているリンガード(以前自殺幇助で実刑判決を受け収監されていた)に会いに行くが、自分は関係ないと言い張る。
 トーマスは、末期癌でかなり苦しんでいることで、覚悟の自殺だったが、もう一人のドリスコルは、ジャーナリストのノーランが、自殺をする現場におり、映像にとって、放映することになっていることを知る。しかも、ノーランは、10年前、リンガードが疑われた自殺幇助事件で、リンガードに実行したことを白状させた人物だった。

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Law & Order 安楽死とキリスト教原理主義 シリーズ16第4話

正確には、ドラマで実行されようとしたのは、安楽死ではなく、尊厳死だ。身体につないでいる管を全部抜く手術をするという確認から始まる。夫ロバートは、妻カレンに、約束した通りにする、と呼びかけるが、カレンは答えない。かといって、植物状態ではなく、ロバートを見つめている。従って、彼女の意志の本当のところは、ドラマは明らかにしない。これが最後の場面につながっている。
 医師との確認をしたロバートは、車に乗って出ようとする。外には12団体の尊厳死反対の団体がデモと集会をして、激しくロバートを罵る。日本だったら、こんなに正々堂々と正面から出ないと思うし、アメリカでも多少の配慮をするのではないかと思うが、ここはドラマなので、乗車して少し走り出した途端に爆発して、当然ロバートは即死、まわりにいた人も4人が怪我をする。

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Law & Order リアルタイム番組のでのトラブル 誰の責任か

 テラスハウスの番組の内容で誹謗中傷を受けた出演者の中村花さんが自殺した事件は、記憶に新しい。私自身は、この手の番組を見ないので、番組にかかわることはわからないが、その後のSNS上の誹謗中傷については、関心があり、ブログに既に書いた。ただ、この事件の問題には、番組そのものの「やらせ」要素もずいぶんと議論になっているようだ。台本はなく、ごく自然に起きていることをカメラが追う、というふれこみだが、台本があるのではないか、台本ではなくとも、何らかの指示があるのではないか、しかも、対立を煽るような指示があるのではないか、というようなことが、多くの人に疑念として抱かれているのだろう。もし、これが、アメリカで起きた事件ならば、何らかの裁判になった可能性がある。もちろん、日本でも今後、何らかの提訴もありうるのだが。
 Law & Order をずっと見ているのだが、そのなかに、まさしくリアルタイム番組を扱ったテーマがあった。2000年に放映されたシリーズ11の15回目「特別エピソード」である。当時、アメリカでもリアルタイム番組が、いろいろと議論になっていたのだろう。内容は以下の通りだ。 “Law & Order リアルタイム番組のでのトラブル 誰の責任か” の続きを読む

law & order 飲酒運転と植物人間へのレイプ

 Law & Orderをみていると、日本とまったく法意識が逆ではないかと思うことがある。シリーズ8には、そう感じる例がふたつ続いた。
 3人がひき逃げ事故にあって死亡した。犯人が捕まるのだが、犯人とその弁護士は、飲酒運転をしていたので、意識がなく、無実であると主張する。そして、飲酒の事実を認められれば、無罪が確定するかのようにドラマは進行する。たまたま担当した判事が、飲酒運転撲滅を強く意識しており、この裁判をそれに活用しようとする。しかし、検察としては、ここで法の矛盾に突き当たる。犯人は、飛行機で飲酒をして、そのまま運転し、ひき逃げをするのだが、検察は、飛行機内で世話をしたCAに聴取する。15杯くらい飲み、ぐでんぐでんに酔っていたことがわかる。検察は、それでは無罪になるというので、それを隠そうとする。判事とも険悪になったりするわけだ。最終的には、3人も轢いて殺してしまったことへの反省の気持ちを引き出し、取引をするのだが、このドラマをみて、日本人ならそもそも納得できないものを感じるだろう。
 日本なら、飲酒運転で事故を起こせば、それだけで有罪だし、まして意識がないほど泥酔して、3人もひき逃げしたら、かなりの重罪になるはずである。酔っていたので意識がなく、故意ではないから無罪だ、などと思う人間はまずいないといえる。しかし、アメリカでは、無罪なのだろうか。まさか、法の規定を無視したドラマを作るはずもないのだから、なんとも不可思議だ。 “law & order 飲酒運転と植物人間へのレイプ” の続きを読む

Law & Order どちらが殺したのか

 第8シリーズ第4回は、非常に難しい、しかし興味深いテーマだった。
 誕生日のプレゼントを贈るために、友人に安く売ってくれるように頼み、ニューヨークの夜の暗い場所で待ち合わせる。妻は夫と一緒にそこにいくのだが、嫌がり早く帰ろうというが、夫は、約束なので車から出ると、待ち伏せていたのは、「殺人をしてみたい」という若者で、いきなり車内にいた妻を撃って逃走する。夫は急いで病院に運ぶが、頭部を撃たれていて重体だ。車内には小さい女の子が乗っていて、帰宅したあと、両親が喧嘩していたと警察に告げる。誤解した警察は夫を逮捕するが、直ぐに誤認だったことがわかり、捜査の結果、若者3人の仕業だったことがわかる。最終的に、そのなかの一人が、殺人そのものに興味があって、撃ったことを突き止める。
 助かることを期待していた夫に、脳死状態になったので、臓器提供をしてほしいという要請があり、夫はそれに応じる。
 裁判が進行するなか、検察が、妻のカルテをみて奇妙なことに気づく。死亡時刻、死亡診断書を書いた医師、そして、臓器摘出の時間があいまいだった。そして、臓器摘出した時点では、まだ妻は生きていたのではないかと判断する。そして、それがやがて被告側にわかってしまうと、殺人罪を問えなくなるので、漏れる前に、司法取引に持ち込もうとするのだが、何かおかしいと感じた弁護士が、取引を拒否する。そして、証拠提出をせまり、検察が隠していたことを突き止め、殺人罪が成立しないことを主張する。 “Law & Order どちらが殺したのか” の続きを読む