(昨日の続きで、今回は残った課題を個別に考察する)
(7)現在の大学で、単位制限の問題が、かなり学生たちを苦しめている。文科省の指導などで、学部として、学期ごとの最大単位申請数の制限を設けるようになっているのだ。文科省が、こんなことを指導するのは、おかしなことだと思うが、最近の文科省は、大学の自治を無視するようなことを平気でやっている。
特に最近の学生は資格を多くとりたがる。社会全体が資格社会になっているのに対応しているのだ。ところが、多くの資格は、正規の学部や学科の科目とは別の科目が要求されることが多い。もちろん、資格取得が認められるには、土台となる分野があるから、学科の科目と共通する部分もあるが、それだけでは足りないのが普通だ。従って、資格をとろうとすると、余分の授業をとらなければならない。それで、履修数が多くなる。資格のための特別費用を徴収する場合もあるが、それは事務的な経費にかかるもので、余分な授業などは含まない。従って、資格用に、授業を設定すれば、それは大学にとっての負担になる。大学にとっての負担というのは、その資格をとる学生にとっては利点だが、とらない学生にとっては、自分に関係ない余計な負担をすることになる。これはやはり不合理だ。
“コロナ後の大学の在り方を想像する3” の続きを読む