今日朝ごはんを食べながら、羽鳥モーニングショーを見ていたら、途中からマイナー保険証の話題にはいり、いろいろと議論していた。12月から原則マイナー保険証に統一され、既存の保険証は使えなくなる。しばらくは、代替の紙ベースの保険証が配布されるようだが、マイナー保険証に登録している人には、もちろんこない。私自身は、先日歯医者にいって、歯の治療をしてきた際に、通常の保険証からマイナー保険証に登録してきた。基本的に反対ではないが、これまでめったに医療機関に行かなかったので、その機会がなかったのである。
さて、私が理解している上での、紙ベースの現行保険証を、やめるべきであるという、あるいはやめなければならないという意味での理由は、「不正使用を防ぐため」である。現在、正規に身分証明証として機能しているのは、もっとも多くが運転免許証であるが、その他にパスポートと健康保険証がある。ただし、運転免許証とパスポートは国民全員がもっているわけではなく、国民全体がもっているはずの健康保険証も、身分証明のために認められている。つまり現行システムでは、健康保険証の身分証明能力をやめてしまうと、身分を証明する手段をもたない人がでてきてしまうという、絶対に避けなければならないことになってしまう。
ところが、健康保険証は、ほんとうの意味では、本人の証明能力はないのである。ここが問題である。そのために、不正利用がかなりなされているといわれている。実際にどの程度の被害があるかは、私にはわからないし、厳密には、政府もつかんでいないだろうが、しかし、不正利用できるようなものであることは事実だ。そして、健康保険が不正使用されるということは、国民が支払った保険料が、不正に、つかわれることになる。外国人でも、正規に入国滞在しているひとたちは、なんらかの保険措置をとっているだろうが、不法滞在しているひとたちは、当然保険証などはもっていない。しかし、かれらだって病気にはなるだろう。医療機関を利用しなければならないときには、知り合いから借りるとか、あるいは盗んだり、偽造して、医療機関にかかるひとがでてきても、まったくおかしくないのである。保険証には本人の写真がないから、それを出されれば、医療機関としては受け入れざるをえないだろう。
だから、その対策として、写真付きの保険証が必要となるわけである。保険証に、写真をつけることを義務つけることも方法としてはありだが、それこそ莫大な費用がかかるだろう。マイナンバーカードを活用するほうが、ずっと経済的であるし、他のコストもかからない。そういう意味では、マイナー保険証は、必要なものだともいえるのである。
しかし、羽鳥モーニングショーの議論では、この点がまったくふれられていないのである。玉川氏などは、運転免許証もマイナー免許証になるが、しかし、従来の免許証も残すことになっている例をもちだして、同じようにすればいいではないか、などと見当はずれのことを強調していたが、免許証には顔写真があるから、廃止する必要はないのである。番組全体として、このようなことをまったく問題にしていないし、誰もそういう点での発言をしないのが、ほんとうに不思議だった。玉川氏は、公的サービスをうけるのに、本人確認が必要でないと考えているのであろうか。なにか、組織にいって、サービスをうけるときには、(たとえば郵便局に不在郵便をとりにいくときでも)本人確認を求められる。多くは免許証を出すだろう。もっていない人は、健康保険証を出すわけだ。しかし、それがほんとうの意味で本人確認にならないことは、既に述べた。考えてみれば、医療機関で医療をうけるときには、正確な意味での本人確認をせずに、医療サービスを提供し、健康保険からの支出がなされるわけだが、システム的に不用心であり、早急の改善が必要なのではないだろうか。
テレ朝には、質問をしてみようと思う。次回の番組では、ぜひ、不正使用で莫大な保険料不正使用がなされていることを放置してもいいのか、きちんととりあげてほしいものだ。