おそらく前代未聞の会見だったのではないだろうか。もしかしたら、大学紛争時代の「大衆団交」なるものには、こうしたもの、あるいはもっと怒号が飛んだ会見があったかもしれないが、公共放送で生中継され、それが10時間半も続いた会見などは、まずなかったに違いない。しかも、フジテレビは、それをまったくコマーシャル無しで、ノーカット放映した。フジテレビなど、ここ20年以上みたことがないが、フジテレビが潰れるかどうかを注視しているので、この会見は、すべて見た。16時にはじまり、終りは午前2時半だった。途中10数分の休憩があったが、会見中は壇上の人は、だれもトイレ退出することなく、ずっと座っていたから、終盤は半分頭が働かないような印象をあたえるほどだった。その頃は、半分以上の記者たちは帰っていたから、壇上の役員たちにとっては、かなりつらいものだったに違いない。自業自得といえば、それまでだが。
さて、具体的な場面の映像がyoutubeで多数流れるだろうから、詳細は省くが、全体として感じたことを書いておきたい。
まず感じたことは、壇上の経営陣たちが、とにかく我慢強く、決して声を荒らげることなく、内容はともかくとして、最後まで答えていたことについては、正直感心した。記者たちを挑発的に怒らせることを絶対にしないように、という事前の確認があったのだろうが、針の筵にいるような10時間を堪えたということについては、さすがに「高齢者」たちだと驚き、これを、最初の記者会見でやっていれば、その後のCM騒動もおきなかったのに、と彼らのためにも残念に感じた。