鬼平犯科帳ネタで「がっかりする話」を2回、中途半端になっているので、もう少し続けてみたい。優に100を越える話があるのだからは、どれもが優れた出来ばえというわけにはいかない。何度か書いているように、ある回の話と別の回の話が、辻褄が合わないことも、けっこうある。しかし、それでも全体として、小説、ドラマを含めて、鬼平犯科帳の面白さはとびきりのものだと思う。
そういうなかで、がっかりする話として、今回とりあげるのは、「瓶割り小僧」だが、これは、実は、作者の池波正太郎が、気に入った話の5つのなかにいれているものなのだ。だから、池波は、この話を非常によくできたものだと考えていたことは、間違いがない。しかし、私は何度読んでも、あまり感心しないのだ。