鬼平犯科帳 がっかりする話3 瓶割り小僧

 鬼平犯科帳ネタで「がっかりする話」を2回、中途半端になっているので、もう少し続けてみたい。優に100を越える話があるのだからは、どれもが優れた出来ばえというわけにはいかない。何度か書いているように、ある回の話と別の回の話が、辻褄が合わないことも、けっこうある。しかし、それでも全体として、小説、ドラマを含めて、鬼平犯科帳の面白さはとびきりのものだと思う。
 そういうなかで、がっかりする話として、今回とりあげるのは、「瓶割り小僧」だが、これは、実は、作者の池波正太郎が、気に入った話の5つのなかにいれているものなのだ。だから、池波は、この話を非常によくできたものだと考えていたことは、間違いがない。しかし、私は何度読んでも、あまり感心しないのだ。

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途上国からの脱出4 悠仁親王の進学問題

 今日は終戦(敗戦)の日とされている。正式に戦争が終ったのは9月の降伏文書の調印であるが、一般的には8月15日に戦争が終了したとされている。これは、天皇がポツダム宣言の受諾をラジオ放送したことによって、戦争が終ったのだという、一種の天皇制の意味づけを行っていることだと解釈できる。だが、戦前は決して許容されなかった天皇への批判も、戦後は可能になった。現在でもタブー視されている面はあるが、戦前に比較すれば、健全な状態になっているといえるだろう。しかし、しばらくは国民にも支持されてきた天皇制度も、近年不祥事もあり、国民の信頼はかなり低下しているように思われる。そしてそれが加速するような事態が起きつつある。

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オリンピックのボクシングの性別問題を考える

 パリオリンピックが開催中であり、さまざまな議論がなされているが、大きなひとつが、女子ボクンシグにおけるふたりのトランス・ジェンダー選手の問題であろう。世界選手権では、男性だと判断されて出場を認められなかった二人の選手が、パリオリンピックでは、パスポートに記された男女別によって認めるという形で、出場が認められ、イタリア選手が、かつて経験したことのない強力なパンチを受けたとして、途中棄権する事態になった。

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