「鬼平犯科帳」殺人者となった武士の処遇

 鬼平犯科帳の魅力のひとつは、人間を単純なパターンに押し込めない点である。人は悪いことをしつつ、善いことをする、善いことをしながら、悪いことをする、善人と悪人の差は紙一重だというのが、基本にある。だから、盗賊であっても、許して密偵にする場合もあるし、容赦なく磔の刑にしてしまう、あるいは切り捨てる場合もある。
 そして、自分の部下も悪事に染まってしまう例がけっこうある。その事後措置はけっして一様ではない。

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オペラの筋を転換させる重唱

 前に「美しいメロディー」をあげたが、その多くはオペラのアリアだった。西欧クラシック音楽の最も魅力的なメロディーはオペラにあるのは、オペラがしめている位置から当然のことなのだが、ただ、オペラの最大の魅力は、実はアリアではなく、重唱にある。名曲オペラの、音楽的に最も素晴らしい場面は、大抵アリアよりは、何人かがやりとりをする場面であることが多い。
 今回は、そうした音楽的な魅力にあふれた重唱の場面を選んでみた。その条件として、更に、その場面で大きく筋が転回すること、そして、それが主に歌の内容になって起きることという条件で考えてみた。

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北海道旅行4 道路

 
 事前にいわれていたことは、北海道の道は走りやすいが、ついついスピードをだし過ぎて、警察に捕まることが多いので要注意ということだった。ただ、走りやすいことは事実だったが、大都会はまったく避けていたためか、警察に出あうことはほとんどなかったし、捕まっている車を見たのも一度だけだった。捕まった原因がスピード違犯だったかどうかはわからない。
 ただ、走っていていくつか気がついたことがあったのでそれを書くことにする。
 この旅行で始めてみたと思ったのは、信号の名称のつけかただ。通常は地名にちなんだ名前が信号名になっているが、帯広では、東西南北にわけた位置を示す名称になっていたのだ。写真では「西2南10」となっているが、これがそのまま西に移動すると次の信号は「西3南10」となる。他の地域でもみたが、帯広は宿泊した市街地としては大きいほうだったので、この信号名称が広範囲につかわれていて、便利に感じた。北海道は人工的に建設された市街地が多いせいか、こうした碁盤の目上のつけかたが可能になるのだろう。

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