北海道旅行4 道路

 
 事前にいわれていたことは、北海道の道は走りやすいが、ついついスピードをだし過ぎて、警察に捕まることが多いので要注意ということだった。ただ、走りやすいことは事実だったが、大都会はまったく避けていたためか、警察に出あうことはほとんどなかったし、捕まっている車を見たのも一度だけだった。捕まった原因がスピード違犯だったかどうかはわからない。
 ただ、走っていていくつか気がついたことがあったのでそれを書くことにする。
 この旅行で始めてみたと思ったのは、信号の名称のつけかただ。通常は地名にちなんだ名前が信号名になっているが、帯広では、東西南北にわけた位置を示す名称になっていたのだ。写真では「西2南10」となっているが、これがそのまま西に移動すると次の信号は「西3南10」となる。他の地域でもみたが、帯広は宿泊した市街地としては大きいほうだったので、この信号名称が広範囲につかわれていて、便利に感じた。北海道は人工的に建設された市街地が多いせいか、こうした碁盤の目上のつけかたが可能になるのだろう。

 

 全体として、北海道の道路は、直線が多いと感じる。高速道路も一般道もかわりない。とにかくずっと向こうまで見通せるところが多い。古い集落から発展して人口が増え、集落を結ぶ道路が時代を経て建設されてきたというのではなく、明治政府が開拓のために、とにかく道路をつくる計画をたて、ほとんど土地収用の面倒もなく、もっとも便利な形で道路建設をしたのだろう。網走刑務所の囚人たちがつくった道路も、このようだったに違いない。さすがに山間部の道路は曲がっているが、平野部分の道路は、多くがまっすぐだった。これは意識しないとどんどんスピードがあがると思った。かりにこういう道路が、50キロ制限の道路で、頻繁に鼠取りが実施されたら、多くの車が捕まってしまうに違いない。まず絶対といっていいほど人が通らない、こうした道路の制限速度はどうなっているのだろう。私の感覚では80キロ程度に設定すべきだろうと思う。そして、それ以上だしたら、取り締まることも必要だろうが。実際にほとんどの車が70キロ代、80キロ程度で走っていた。そして、事故で停まっている車もまったくみかけなかったと思う。
 

 次は高速道路の料金だ。旅行に際して、安心して高速道路を走れるように、定額のサービスにはいっていたので、高速はいくらのっても大丈夫ということだったのだが、実は、今回乗った高速道路の半分程度は無料区間だった。東北の三陸道もそうだったが、まだ工事が途中なのでとりあえず無料にしておく、という感じではなく、ここは無料区間だという設定のような気がした。正確にはわからないが、このように、無料の高速道路が多いと、定額サービスのメリットがさほどではないような気がする。
 今回の旅行では、高速道路で、直接接したわけではないが、事故が一件あり、事故現場の前のインターで通行止めで一般道路に降りることになった。そこが夕張だったのが印象的だった。次のインターまで一般道路でいかざるをえなくなったのだが、途中に道の駅があったので、そこで軽食をとった。最近の都市としては、極めてめずらしい「財政破綻」した市ということで、市内の一般道路を通らざるをえなくなったわけだが、道の駅をみる限りは、市民たちも頑張っていると感じた。特産品である夕張メロンがたくさん売られていたのだが、ただ、街全体としてはやはり暗い感じを否めなかった。
 
 北海道運転中一番気になったのは、やはり熊がでないかということだったが、さすがに、車がかなりのスピードをだして走っている道路では、一度も遭遇することはなかったが、その代わり、鹿とはかなりの回数と頭数であった。しかも、道路上にゆうゆうとたむろしているのだ。だから、2、3回はけっこう轢きそうになって、急ブレーキをかけるはめになった。幸い轢くことはなかったが、おそらく10回ほど鹿にであった。奈良公園でも鹿が多数いて、鹿はまるで自分たちこそが主人公であるかのように振舞い、退いてくれるまで時間がかかったりしたが、北海道の鹿はそこまで我が物顔で道路占拠することはなく、車が近づくと逃げていた。そして、鹿の多くは肉付きがよく、おいしそうに感じたのは、私だけではなく、妻もそう感じたという。観光客からエサをひんぱんにもらっている奈良の鹿より、北海道の鹿のほうが健康的にみえたのは、自然の餌を食べ、運動しているからだろうか。
 

 
 

投稿者: wakei

2020年3月まで文教大学人間科学部の教授でした。 以降は自由な教育研究者です。専門は教育学、とくにヨーロッパの学校制度の研究を行っています。

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