報告書は、皇族の数の確保策として、まずは、内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を有することになるという提案をしている。ここにも、いくつかのおかしな論理がある。
女性皇族が結婚後は皇族でなくなるというのは、男女平等に反するし、また、女性・女系天皇を容認する立場からは、結婚後も皇族であり続けるようにすることは当然であるとしても、そこに余計な考察が入ってくるのが、この報告書の特質である。
まず、結婚後も皇族として残ることを正当化するために、報告書は、明治時代に旧皇室典範が定められるまでは、女性も皇族のままであったという歴史をもちだし、和宮の例をだしている。それならば、旧皇室典範で導入された男系男子などという原則を、前提にするのは何故か。旧皇室典範が、男系男子に限定したことを、吟味する必要があるのではないだろうか。男系男子があたりまえのことのように主張する人たちがいるが、この原則は明治時代にはじめてできたものである。