今回は最後の検討だが、対象は小泉内閣のときにだされた「皇室典範に関する有識者会議」の報告である。周知のように、これは、長子継承の提案を行い、小泉内閣のときに法案まで準備されたものだが、議論が始まる前に、悠仁親王の妊娠が発表され、安倍官房長官が、この親王の即位を妨害するのか、と小泉首相に迫って、改革を見送らせたというものだった。しかし、答申としては残っており、当然今回の有識者会議においても、最も重要な文書として検討の対象とすべきものだったはずだが、まったく無視されたようだ。
この文書をじっくり読んでみたが、自民党政府の審議会報告として、これほど、明快な論理と結論を示した文書を他に知らないくらいである。
さて、内容を紹介しつつ、検討してみよう。