音声入力ソフト進化したのだが

 パソコンの音声入力が大分進歩して、ほぼ使える水準になっている、これからはキーボード入力ではなく、音声入力が主流になるし、腕の腱鞘炎を防ぐ意味でも音声入力が適している、という情報がyoutubeに大分流れていたので、使ってみた。
 使ってみたのは、マイクロソフトの音声入力で、エディターを立ち上げたあと、ウィンドーズマークとHを押すと、音声入力になる。それで思いつくままに、文章を入力し、ワードでだいたい一ページくらいの分量を入力した。
 その変換効率は驚くべきもので、間違いは一カ所もなかった。だから、通常ではりっぱに使えるレベルだと思った。
 しかし、それでは今後これでいこうと思ったかというと、私は、まだしばらくはキーボードを使うつもりだ。理由はふたつある。
 ひとつは、私は親指シフトのキーボードを長年使っているので、入力は極めて速い。だいたい頭に浮かんだ内容を、ほぼリアルタイムで入力できる。したがって、音声入力といっても、考え考え書く文章では、特別速くなるわけではないということ。
 もうひとつは、変換効率はたしかに素晴らしかったのであるが、では、このようなブログの記事を書いて、そのまま使えるかというと、やはり大分修正が必要なのである。それは、一定のスピードで、まったく淀みなく発声していれば違うかも知れないが、考えながら文章を入力していく場合には、どうしても、多少の間が入る。また、「。」(句点)「、」(読点)をいれる場合には、間をいれないといけない。この間によって、字と字の間に隙間が入るのだ。これは、かなりの場所で生じていた。したがって、ブログとして完成稿にするためには、この隙間を一つ一つ削除していかねばならないことがわかった。結局、最終的に仕あげることを考えると、現在の時点では、私にとってはキーボード入力のが速いという結論になった。ただ、親指シフトのキーボードが壊れて、再入荷できないということになったら、躊躇なく音声入力に頼るかも知れない。
 おそらく、空白をいれるのは、元々がアメリカ産のソフトなので、英語は、単語の間に空白がはいるから、少し音声に間があるとそこに空白をいれるようにつくってあるのではないかと思う。まだ、私は使っていないが一太郎の音声入力はどうなのか、使ってみたいと思っている。まだ購入していないが。

 蛇足になるが、私はずいぶん前から音声入力のソフトにはだいぶ執着して、いろいろと使ってみた。というのは、大学の講義に、聴覚障害の学生がいたときには、自分の講義の録音をとって、それをテキストに変換して、授業用ホームページにアップしていたのである。これは、聴覚障害学生だけではなく、多くの学生にとってもかなりよい結果をもたらした。多くの学生は、講義内容を正確に理解しているわけではなく、聞き間違いがけっこうある。私は、まいかい講義に関わったテーマでのレポートを課していたので、それはよくわかっていた。ところが、講義録のテキストをアップしたときには、講義の誤解が非常に少なかったのである。もちろん、講義全体をテキスト化するのは、非常に手間がかかる。そこで音声入力ソフトをいろいろと試したわけだ。しかし、当時はまったく使いものにならないレベルで、正しい変換がほとんどないような状況だった。単文の変換はやさしいらしいが、長いものになると、とたんに誤変換になっていくのだ。
 現在やっと使えるレベルになった。だから、大学の教師は、講義をリアルタイムでもいいと思うが、録音したものをテキスト化をどんどんして、学生の理解を正確にしていくことが必要なのではないかと思うのである。そういうものであれば、わずかな隙間な問題ではない。私が現在も現役であれば、間違いなく、すべての講義をテキスト化して、学生たちに提示するだろう。
 ちなみに、この文章はキーボード入力である。

投稿者: wakei

2020年3月まで文教大学人間科学部の教授でした。 以降は自由な教育研究者です。専門は教育学、とくにヨーロッパの学校制度の研究を行っています。

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