ガソリンが爆上がりしている

 一昨日車に乗っていたら、いくつものガソリンスタンドを通ったが、驚くほど素早くガソリンが値上がりしていた。もっとも高かったのが、レギュラーが189円だった。今はもっと高くなっているかも知れない。実際に原油の輸入が減少しだしたので、それが反映されているのか、便乗値上げがさっそくあらわれたのか、私にはわからないが、東日本大震災のとき以上のガソリン入手難になることは間違いないだろう。あのときは、道路事情でガソリンスタンドに石油が運ばれなくなったための品不足だったが、今回は、原油そのものが入ってこなくなっているためだから、そう簡単に値下がりしそうにない。トランプは、アメリカは石油が豊富にあるから、値上がりはかえって都合がいい、とのたもうているらしいが、国際的なリーダーとしての矜持は完全に捨てている、というより、元々ないのだろう。
 ここ数年の世界の動向をみていると、権力をもった人、とくに独裁者の「能力低下」が著しく、それが明確に世界を混乱に貶めているということを強く感じる。歴史的に、狂った暴君は少なくないし、逆に、名君と言われた人もたくさんいる。名君を得ると、社会が安定するし、暴君だと混乱する。当たり前のことだが。現在、日本にとって近くに感じられる暴君、プーチン、トランプ、金正恩、習近平は、いずれも国際社会に間違いなく大きな損害を与えている。とくに、プーチンとトランプは、早く政治の舞台から消えてほしいと願っている人が多いはずである。暗愚の度合いが、この二人において、著しい。そして、この二人が「仲良し」であることが、ますます世界にとっての不幸を高めている。
 西太后が支配していたときの中国人たちは、今の我々のような感覚をもっていたのだろうか。東条が無謀な戦争を始めたときにはどうか。おそらく、多くの中のひとたちは、正確な情報を与えられず、時代に流されていたのだろう。ただ、日本では、反政府闘争は事前に押し込まれ、めだった勢力になれなかったが、当時の中国では、民衆の反乱は何度も起きている。
 押さえ込まれてしまったとはいえ、イランでは反政府運動がかなり勢いをもった。アメリカでも、反トランプの運動は絶え間なく起きている。
 しかし、現在のロシアでは、徹底的な弾圧の影響が強いのだろうが、めだった反プーチン暴動はほとんど起きていない。戦時下の日本と現在のロシアは、そういう点で似ているのである。何故なのだろうか。でもよく考えてみると、戦時下の日本の民衆のほうが、よほど権力に従順で疑問をもたないひとが圧倒的に多かったのではないだろうか。現在のロシアで、兵隊を集めるためには、ボーナスや高い給与を払わねばならない。そうしないと兵隊が集まらないのだ。実際に約束が果されない事例も多いようだが、とにかく、赤紙で召集というわけにはいかない。だが、日本では、赤紙一枚でどんどん兵を集めていた。給料など払っていなかったろう。それだけではない。弾丸が足りなくなったというので、家にある鉄機具や寺の半鐘などが軍部に提供されていた。そういうことへの抵抗などは、あまりなかったのではないだろうか。
 こうした日本人のためか、現在の日本の、独裁者でもない政治家たちの能力低下は、あまりにも酷すぎる。自民党の有力者たちは、ほとんどが世襲政治家であって、能力をためされてのし上がってきたひとたちではない。そういう意味では、高市首相は、いかなる能力であるかは検討される余地があるとしても、世襲政治家ではないことは評価できる。
 トップは神輿として機能し、実際の権力は下の実力者が振るうというような仕組みは、日本以外にもあるかどうかはわからないが、日本は伝統的なものになっている。戦国時代を制して天下をとった徳川幕府ですら、将軍自らリーダーシップを発揮して、政策的創造性を発揮した将軍は、家康の他には、吉宗しかいないとされているのである。その他の将軍たちは、(慶喜はそうではなかったろうが、あまりに任期が短すぎた)神輿として在位したのである。江戸時代のように平和な時代はそれでよいが、あちこちで戦争が起きている、厳しい現代社会では、実力のあるリーダー達がトップにいないと、国はあやうくなる。
 実力によって政治家が地位を獲得していくような社会にしていかねばならないのだが、どうすればそうなるのか。いつも考えているのだが。

投稿者: wakei

2020年3月まで文教大学人間科学部の教授でした。 以降は自由な教育研究者です。専門は教育学、とくにヨーロッパの学校制度の研究を行っています。

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