維新が自民党と連立する動きが出てきて、国民民主党の玉木氏が怒りを爆発させているようだ。せっかく、自分たちと協議しているのに、その最中に自民党と組むことを決めるとはなにごとだというわけだ。
しかし、ネットの反応をみても、玉木氏に同情する声は少ない。当然のことだと思う。この間、政党間の協議は多様に行われていて、野党同士の協議の合間に、単独野党と自民党の協議も行われていることは、別に隠密行動だったわけでもなく、公開されたいた。ようするに、互いの合意の早い者勝ちという状況だったわけである。 “玉木氏の維新への怒りは自業自得” の続きを読む
トルストイ「戦争と平和」の観点からウクライナ戦争を考えてみる
トルストイの名作「戦争と平和」は、単なる小説ではなく、随所にトルストイの戦争哲学が論じられている。しかも、かなり長い。そして、論じている内容はひとつ、1812年の戦争は誰が起こしたのか、という問題だ。歴史家の多くは、英雄たちの名前をあげる。典型的には、ナポレオンがロシア征服を決意したからだとか、アレクサンドル皇帝がナポレオンと妥協しなかったからだとか、個々の英雄の考えと行動、命令に要因を求めるが、それをトルストイは否定する。しかし、トルストイの結論自体もあいまいであって、よくわからない。戦争に参加する者、しない者、地位の高い人、低い人、そういう多くの人びとの相互作用のようなものが力学として働くのだ、というような結論にも読めるが、必ずしも断定しているわけではない。 “トルストイ「戦争と平和」の観点からウクライナ戦争を考えてみる” の続きを読む
ベラルーシはどうなっているのか
最近のyoutubeで、ベラルーシで市民の抵抗運動が活発に行われており、軍隊の一部が市民に同調していること、ロシアが介入し始めていることなど、状況が緊迫していることが報じられている。しかし、日本のニュースなどをみても、私はそのことを報じているのを見つけることができなかった。新聞社や通信社のニュースサイトで検索しても、スポーツ関係のニュースが主要になってい。探し方がまずいのかも知れない。
とすると、youtubeによくある虚偽情報なのだろうか。しかし、動画などは、いかにもリアルな感じなのである。
ただ、ベラルーシが、さすがに無理難題をいわれており、国民は決してロシア寄りでもなく、ルカシェンコ政権がプーチンに支えられているという面が強いわけだから、現在のようにロシアの軍事的弱体化が進んでいると、ベラルーシ国民がたちあがることは、可能性としては充分にある。
しばらく調べてみるつもりだ。まだわかっている点が圧倒的に少ない。
平蔵は、盗人になった元同門を許したか
久しぶりに「鬼平犯科帳」ネタだ。
前からずっと気になって書こうと思っていたことがある。それは、平蔵の友人である武士が、盗人や殺し屋になってしまい、ある程度後悔して立ち直ったとき、平蔵がどのように処遇しているかということだ。
町人や農民の出の盗人たちの場合、殺人などを犯しておらず、それなりに人間としてしっかりしている場合は、許して密偵として使っている。しかし武士の場合はそう単純ではない。こうした例はいくつかある。 “平蔵は、盗人になった元同門を許したか” の続きを読む
ロシア国民は今後も従順なのか
ウクライナ戦争では、相互にドローン攻撃で相手に損害を与えている。しかし、その傾向はまったく異なる。ロシアが、大量無差別攻撃を行うことで、民間に損害を与えているのに対して、ウクライナは、とりあえず民間を狙わず、軍需工場、石油精製・貯蔵施設、そしてエネルギーを運搬する鉄道などを標的にしている。
ウクライナは2022年いらいずっと爆撃の被害を受けているから、ある意味免疫が強くなっており、また、ロシアの意図通りになって、降伏すれば、より過酷な運命がまっているから、頑張らなければならないという精神が勝っていると思われる。 “ロシア国民は今後も従順なのか” の続きを読む
とにかく政権交代が政治の改善に必要
自民党と公明党の連立解消によって、総理が必ずしも高市総裁で決まりというわけではなくなってきたことは、各種メディアで報じられている。高市氏が、公明党をきりたかったのか、その場合、このように総理の椅子が多少遠のく可能性があることを自覚していたのか、結果がでてからでないとわからないが、とにかく、混沌としてきた。
日本の政治状況は、おそらくどの他国とも異なっていると思われるが、私はヨーロッパ大陸型のあり方を参考にしてほしいと思っている。ヨーロッパ大陸の主要な国は、比例代表制をとっているので、決定的な多数党が存在せず、連立政権が政権を運営している場合が多い。そして、連立の組み合わせも少しずつ変化する。政策の違いをある程度押さえて、話し合うことで共通部分をひろげていくという形をとらざるをえないからである。 “とにかく政権交代が政治の改善に必要” の続きを読む
ブロムシュテット演奏のブログに感じた不満
現役最高齢のブロムシュテットが、実際に来日して演奏するのかということは、多くの人が気にしていたに違いない。だが98歳の指揮者が予定通り来日して、N響を指揮したようだ。その評が掲載されていたので、注目して読んだ。「10/9 ブロムシュテット指揮 NHK交響楽団 w ジャコー」https://ameblo.jp/classic-journey/entry-12937714867.htmlという記事だ。
ただ、演奏評ではなく、演奏会に関する内容に気になる点があった。 “ブロムシュテット演奏のブログに感じた不満” の続きを読む
公明党の連立離脱
公明党が、自民党との連立を離脱することが、とりあえず明確になったようだ。公明党斉藤代表からも、また、自民党の高市総裁からも同様の趣旨が述べられたから、事実なのだろう。私は自民党支持者でもないし、当然公明党支持者でもないので、両党が協力するかどうかは、別にどうでもいいのだが、ただ、公明党の立場というのは、あまり理解できないものと感じる。
公明党は、最初から高市総裁になったら、連立が困難であるという立場を表明していた。それにしたがっての今回の決定ということだろう。私の疑問は、高市総裁では連立できないというのならば、なぜ安部総裁とは連立できたのだろうかということだ。私の目からみれば、高市氏は安倍晋三氏とほとんど同質の政治家であり、それは自他ともに認められることだったのではないだろうか。高市氏が保守であるというのならば、安部氏も当然自民右党内保守であり、むしろ、統一協会との関連が極めて強いという意味では、公明党という政党にとっては、安部氏のほうが連立を組みにくい相手だったと、私には思われる。 “公明党の連立離脱” の続きを読む
「国宝」2度目見た
先日「国宝」の2度目を見てきた。8月の初め頃に一度見に行って、その後小説を読み、そして今回リピーターとして見てきたわけだ。
第一回目をみたときには、吉沢亮と横浜流星が、日本舞踊や歌舞伎のまったくの素人であるにもかかわらず、よくあそこまで訓練したなあということに感嘆したが、他方筋のつながりがよくわからないという感想だった。
血筋か能力かというのは、ある意味永遠のテーマかも知れないが、それを軸として二人の歌舞伎役者が切磋琢磨し、ある意味憎みながら、しかし互いに尊敬しあっている、そして、最後は能力(芸)が勝ったと解釈できるような終わり方をしている点は、教育学を専門とする私には、共感できるものだった。 “「国宝」2度目見た” の続きを読む
初心者向けのオペラ?
youtubeを見ていたら、たまたま「初心者のための5つのオペラ」という番組があったのでみてみた。早口の英語だったので、詳細は聞き取れなかったのだが、もちろん曲目とその主要な魅力の説明はわかった。その選択は、非常に納得がいくものだったが、「初心者」とは何かというのが気になったので、それを考えてみたいと思った。
まず紹介されていたオペラは、順に
1 ラ・ボエーム(プッチーニ)「私の名はミミ」の場面が流れた。
2 カルメン(ビゼー)「ハバネラ)
3 魔笛(モーツァルト)「夜の女王のアリア」
4 椿姫(ヴェルディ)「乾杯の歌」
5 セビリアの理髪師(ロッシーニ)「なんでも屋の歌」
というものだった。作曲家一人につき一曲という配慮かも知れないが、あえていえば、5番目にモーツァルトの「フィガロの結婚」をいれてもいいとは思うが、だいたい妥当な選曲だろう。 “初心者向けのオペラ?” の続きを読む