日大アメフト部廃部について

. 日大アメフト部廃部問題について
 日大のアメフト部が再び大きな問題を起こしたのは、二度目だから、さすがに世間の見方は厳しい。廃部が競技スポーツ運営委員会で決定したとき、ヤフコメでは当然だろうという意見が多数だったという印象だった。日大アメフト部は、日大のなかでも、また全国のアメフト部のなかでも、際立って強い部だったそうだから、おそらく大学内での扱いもかなり特別なものがあったのだろう。 “日大アメフト部廃部について” の続きを読む

五十嵐顕考察34 教育財政論2

 前回は、戦後教育財政の研究を始めた時点での、五十嵐の立脚した観点について整理した。そして、勤評への批判が、政治的な観点からなされ、教育財政的な視点がなかったことを指摘した。それは、前に指摘した教科書無償化措置に、なんら批判をしなかったことと同じ問題があったことを簡単にのべておいた。教科書無償化については、以前に書いた通りである。

 さて、今回は、10年後、新たな地平を開こうとしたことについて考察する。勤評闘争は1950年代終りころから、そして、教科書無償化は1960年代の初頭から、小学校一年から順次実施されていった。9年かかって全学年の無償化が実現されたことになる。当然私自身は、無償化の時代ではなく、毎年学年はじめに、お金をもって学校の始業式のときに、教科書を購入した世代である。 “五十嵐顕考察34 教育財政論2” の続きを読む

五十嵐顕考察33 教育財政研究について1

 いままで何度か、五十嵐の財政論について書いてきたが、概略的にまとめる必要がでてきたので、これまで書いていない部分について主に書くことにする。
 五十嵐は、東大の教育財政学担当の教官として、26年間勤めたが、教育財政学の研究者になったのは、自分自身の意志ではなく、偶然の要請だった。1946年に戦地から帰って、就職先がなかったときに、国立教育研修所で助手を募集していることを知らされ、そこで宗像誠也に、アメリカの教育委員会制度を調査してほしいと依頼されたのがきっかけだった。依頼の対象は教育委員会制度だったが、アメリカの教育委員会は、自主財源をもっているところが多く、教育政策の決定と執行を行う組織だったが、それでも財政的には貧弱で、州や連邦政府の補助金が必要であるために、同時に教育財政の調査を行うことになった。そして、その調査が認められて東大に迎えら、教育財政学の担当者になった。したがって、それまで教育財政学の研究上のトレーニングはおろか、研究のトレーニングもうけたことがなかったのである。それもあってと思うが、五十嵐教育財政学は、通常の財政学とはかなり色合いの異なるものになった。

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ジャニーズは解体しかないのではないか

 別の文章を用意していたのだが、急遽この話題に切り換えることにした。これまで不安視されてきたジャニーズ関連のできごとが、ついに現実のものになってしまったからだある。それは、ジャニー氏及び事務所のあまりに冷酷な所業によって、生命が失われるのではないか、という不安であった。現時点では、ふたりの件が報道されている。

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ジャニーズと旧ソ連の人材育成システムの類似性を考える

 芸能界にはまったく興味のない私だが、ジャニーズ問題は、まったく別の観点で非常に興味がある。そのなかでも、ジャニーズでは、所属タレントが取り分が25%だということに驚いた人が多い。出演料として受けとった分の半分を、経費として事務所がとり、残りを折半するというのだから、驚いてしまう。もちろん、さまざまな支援があるとしても、実際に仕事をして報酬を得るのは、タレント自身であるし、また、タレントに価値を認めるから採用した企業は高いお金を払うのだろう。

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美しいメロディー10選

 
 普段車田和寿氏のyoutubeを愛聴している。そして、最近、「美しいメロディー5選」というテーマのものがあったのだが、それが私の思っている「美しいメロディー」とはほとんど違っていたので、自分なりの10選をしてみた。ちなみに、車田氏のものは
・バッハ カンタータ82番の3
・シューベルト 「美しき水車小屋の娘」から「小川の子守歌」
・ベルリーニ ノルマから「清らかな女神」
・グリーク 春
・ラフマニノフ ヴォカリーズ 
だった。このなかで、私も美しいメロディーの5本にあげたいと思うのは、「清らかな女神」だけだった。もちろん、美しい曲とはいえない、というつもりはないが、最初にあがってくるようなものかなあ、と思ったわけだ。もちろん、メロディーに対する好みは、人によって違うので、この選択を否定するつもりはない。そして、車田氏はバス歌手であるということで、男性用の歌を中心に考えているのかもしれない。(バッハ、シュウーベルト)

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佐渡旅行

出発日
 一週間ほど佐渡旅行をしていた。佐渡には始めて行ったのだが、これまでの認識を改めることがいくつかあった。
 計画はすべて妻が行い、私はただついていくこと、運転すること、見物することに徹しているのは、いつもの通り。今回も、車での旅行。新幹線をつかって、現地でレンタカーすればいいではないかという「アドバイス」も、妻は聞かされたようだが、車のほうが安いし、自由に動ける。往きは、新潟市内に一泊し、帰りは、佐渡から一気に帰宅という日程にしておいたが、それでよかった。というのは、我が家ではよくあることだが、出発前にいろいろな珍事がおき、出発が13時過ぎになってしまった。これだと、直接佐渡までいくのは、少々難しい。ただ、新潟泊にしておいたので、それほどあせることもなく出発。妻は一般道を使いたかったようだが、時間の関係もあり、ひたすら関越道で新潟へ。途中遅い昼食を、高坂SAでとろうとはいったのだが、以前はいったときとは様相が異なって、うまく場所をとれずに高速にもどり、結局上里で昼食をとった。ホテルに到着したときには、さすがに暗くなっていた。

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フリースクールは国家の骨格を崩すか

 東近江市長が、不登校について、いろいろと発言して、大きな話題になっている。通常大騒ぎになると発言を撤回して、逃げ回るひとが多いが、この市長は記者会見にも応じて、自説を主張しているので、わかりやすい論点の対立が起きている。
 いろいろと記事を読んで、この市長の主張を整理すると以下のようになるようだ。
 
・大半の善良な市民は、本当に嫌がる子どもを無理して学校という枠組みの中に押し込んででも、学校教育に基づく、義務教育を受けさようとしている
・フリースクールって、よかれと思ってやることが、本当にこの国家の根幹を崩してしまうことになりかねないと私は危機感を持っている
・不登校になる大半の責任は親にある

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子どもの放置と虐待 埼玉の条令問題

 埼玉県が、9歳以下の子どもを「放置」すると虐待になるという条令を検討しているとされていたが、結局は自民党が提案を取り下げるということで、現在では決着がついている。しかし、この問題はやがて再び起ることは、当然予想されるから、この際、考えておくことにする。
 毎年のように、子どもを車のなかに残してパチンコに興じているうちに、子どもが亡くなってしまうような事故がある。これはあきらかに虐待だと思うが、議論が分れるのは一人で留守番させることだろう。ヨーロッパに始めていったときに、子どもだけを家において、夫婦ででかけたりしてはいけない、と注意された。だから、子どもに留守番をさせて買い物にもいけないわけだ。日本では、ごく普通に行われていることなので、そのつもりで生活していると、近所の人に通報されて逮捕されることもあるということだった。もちろん、子どもだけをおいて夫婦ででかけるということは、留学という特殊な一年間の生活だったので、なかったけれども、それでも、ベビーシッターを雇って、一年間さまざまなときに面倒をみてもらった。もっとも、ベビーシッターといっても、語学の上達のためということのほうが大きかったのだが。

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2日ジャニーズ事務所会見

 
 10月2日に、ジャニーズ事務所の記者会見が行われた。9月7日の、明らかに失敗だとされた会見の「挽回」をめざしたものだとされていたが、4日経過した現在、完全な失敗とみなされている。会見にたいする「統率」を行ってはいなかったと思われる7日で失敗したとされたので、2日の会見では、あきらかに最初から、事務所側が、あるいは運営をしきっている団体が、会見を統制しようという目論見が明確だった。都内でも第一級の豪華なホテルの会場を使ったこと、時間を明確に決めていたこと、そして、開始まえの段階で、記者の質問は「一社一問」という「ルール」を告示していたこと等である。そして、前回は明らかに会見進行という点では素人と思われる人が司会をしていたのに対して、今回は元NHKアナウンサーだった、「有名人」が会見の進行を受け持っていたことも付け加えておく必要がある。だから、会見が開始される前から、今回は「荒れる」ことが十分に予想されていた。

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