祝日と有給休暇

 今日の羽鳥モーニングショーで、日光の渋滞に関して話題にしていた。紅葉が見頃になり、例年いろは坂が大渋滞するというので、今年は、ロープウェイ乗り場の駐車場を片方閉じることによる、渋滞解消実験をしたところ、その駐車場に入る側の道路の渋滞は解消されたとしていた。ただ、閉鎖していない駐車場に入る側の道路は例年とおりの大渋滞で、駐車場に入れた人が、5時間かかったなどと話していた。
 ただ、この混雑が報じられていたのは、いずれも連休のときのことであり、平日はどうなのだろうと思った。そして、こうした混雑を解消するには、休日のあり方を変えないと難しいのではないかと思う。
 日本の祝日は多すぎるのではないかと、いつも思うのだが、調べてみると、世界の祝日数で、日本は20番目に多いことになるようだ。
https://www.docusign.com/ja-jp/blog/how-many-holidays-does-Japan-have
 ただ興味深いのは、日本より上位にある国は、宗教色が強い国か、独裁的な国家だということだ。欧米のいわゆる先進国は、日本の上位にはない。これは、祝日の多い国家は、国民が休む日を、国家や宗教によって規定されているということだ。先進国になり、宗教的な拘束から自由になり、多様性が尊重され、好きなときに休めることが重要になってくる。そうした場合は、自由にとれる有給休暇が多く、国家の定める祝日は少ないほうが、こうした観光地への集中は防げるわけだ。
 私は、勤務先は大学だったし、現在は定年なので、旅行は必ず祝日による連休をさけて平日にしていた。だから、幸いにもこうした祝日による集中をさけることができているのだが、これは観光するにしても、ゆっくり見ることができる。だれでも望んでいることではなかろうか。
 だから、国は、祝日を増やすのではなく、有給休暇を取りやすくするための工夫をして、有給休暇の実施状況を監督する方法をとるべきなのである。もっともどうやっても、有給休暇をとる側と、その労働が提供する労働との間に衝突が起きることも忘れるべきではない。
 このような権利が非常につよく守られているオランダで生活した経験では、なれない間は、やはり不便を感じたことがいくつかあった。たとえば、銀行にいくと、「その担当者は今日休みなので、別の日にきてください」などといわれることがあった。日本なら、従業員が平日に休むことはあまりないだろうし、また病欠などした場合には、その仕事を他の人が代替するだろう。しかし、オランダでは、個々人の業務がきちんと割り振られているので、その人が休むとその業務はなされないことになり、客もそれを甘受しなければならない。
 逆に教育現場では、まったく違う方法がとられている。教師も有給休暇を通常の勤務日に取得できるし、また病欠もあるだろう。私の子どもが経験したことでは、教師がストライキに参加するために、授業を休むということがあった。しかし、こうしたいずれの場合にも、子どもの授業が「自習」になることはなく、ちゃんと代替の教師が派遣されて、予定通りの授業が行われていた。オランダの小学校はほとんどが単級学校で、担任教師は、8人しかいない。日本のように、他のクラスの担任が、病欠の教師の授業を臨時にみるなどということはできない。そのかわり、代替授業を専門にする教師が何人か雇用されていて、随時必要な学校に派遣されて臨時に授業を行うのである。これは、子どもの教育を、教師の都合で休みにすることは許されないという社会的通念が実施されていることだろう。
 有給休暇をとりやすい体制を築くことは、国民(利用者)がある程度その不便を受け入れる、あるいは受け入れることが許されない場合には、代替を確保する、そして、休暇をとりやすくしているかどうかのチェックを公的機関が実施する等々のことが機能しなければならない。それより、国家が祝日を決めて、ここで自由時間を楽しめ、というほうが、安易で簡単なのかも知れない。しかし、そのことによる弊害はとても大きいように思う。

投稿者: wakei

2020年3月まで文教大学人間科学部の教授でした。 以降は自由な教育研究者です。専門は教育学、とくにヨーロッパの学校制度の研究を行っています。

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