安倍元首相銃撃を題材にした足立正生監督の映画が、鹿児島で上映中止となったことで話題になっている。実際に、近くで上映もしていないので、私自身は見ていないし、内容に関しては書けないが、いろいろと思うところはある。
こうした映画で思い出すのは、新藤兼人監督の『裸の十九歳』だ。1969年の暮れに4件の連続殺人事件を起こした永山則夫を扱った映画だ。上映が1970年だから、これも事件から間もなくの撮影だった。永山は私より一歳年下で、この時私は大学一年生だった。事件の経過や捕まったときのことは、よく覚えているし、たしかこの映画を見にいったと思う。そして、かなり年月がたったあとに、もう一度DVDをレンタルで見た。準備期間が短かったわりには、よく調べられて、きちんとつくられた映画だと思う。ただ、主人公の原田大二郎と永山は、あまりに容貌の差があり、映画だから仕方ないかと思ったものだ。