ウクライナ侵略の大きな目的

 プーチンは、ウクライナがNATOに加盟するのは、ロシアにとっての安全上の脅威であるために阻止しなければならないとか、ウクライナはナチスによって支配され、住民が抑圧されているので解放する必要があるなどという理由をつけて、ウクライナに侵攻したということになっている。しかし、最近の動きを見ていると、それはあくまでも表向きの理由で、別の理由があるのではないかと思わざるをえなくなってきた。それは端的に、「領土拡張」ではないかということだ。
 ロシアは、大国のなかでも、領土拡張政策が歴史的にも極めて強い国家だ。世界一の領土をもっているのに、これ以上ほしいのかと疑問も出てくるが、ロシアの領土のかなりの部分は開発されないままの土地だ。開発することも難しいのだろう。そして、よくいわれるのが、不凍港を必要とするということだった。それは確かにそうだろうし、現在でもその野望はもっている。ただし、それだけではなく、そもそも領土を拡大したいという国家的要請は、主に農業生産物を求めているからだ。第二次産業や第三次産業、まして、現在の最先端技術のためには、別に大きな領土は必要ない。

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阿武町の誤送金問題 単なるミスなのか

 不思議な事件がおきるものだ。ウクライナ情勢ばかり見ているので、この事件についてはほとんどフォローしていなかったが、さすがに、気になって検索してみたけれども、おかしな点が多すぎる。大手メディアでは扱えないのかも知れないが、裏を考えてもいいのではないだろうか。
 とにかく、どう考えてもおかしな点が直ぐに思いつく。
1 個人宛てに、数千万円のお金を、間違って送金するということがありうるだろうか。送金するときには、何度も宛て先や金額を確認するものだ。この間違いについて、私が検索した限りでは、あまり疑われていないようだが、私はまずこの点を疑ってしまった。もちろん、単なる推測であるが、あまりに過ちの度合いが大きいから、そのように思われても仕方ないだろう。
2 突然誤って送金された数千万のお金をわずかな間に使い切れるものだろうか。当初からたくさんのお金を消費している人間ならいざ知らず、普通の人間がそんな大金を短期間に使えるものではないように思うのだ。もちろん、家や高級外車を買ったというのなら使えるだろうが、それは、当然分かってしまう。しかも、家などは、これほどの短期間で購入することはできない。派手に使ったら、警察が調べれば直ぐにわかることだ。

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楽天モバイルの料金プラン変更問題

 昨年楽天モバイルは、通常では考えられないような料金プランを実施した。データが1Gまでは無料という内容だ。私は、楽天を使っておらず、他社であったし、またそれを変更する意思はなかったが、旅行に出かけるために、旅行中のネット利用のために、この楽天のプランを使ったwifiを申し込んだ。ところが、1年経過した今、楽天は無料部分をやめ、1G未満でも980円(税抜き)を徴収すると変更した。だまし討ちのようなものだ。普段は家庭内に光ファイバーによるwifiがあるので、外出のときだけ利用する。だから、やめてもたいしたことはないのだが、外出時にも自由に仕えるというのは、やはりほしいので、解約するかどうか迷っている。外で使えるwifiとしては、それでも他社より圧倒的に安いことは間違いないから。

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所属松戸シティフィルの演奏会

 今日は、題名のように、所属している市民オーケストラの演奏会だったので、ほぼ一日拘束された。したがって、通常とは違って、演奏会のことを話題にしたい。
 曲目は、前プロがショスタコーヴィッチの「祝典序曲」、中プロがストラヴィンステー「火の鳥」(1919年版)、そして、メインがベートーヴェン「田園」という構成だった。オーケストラのプログラムは、たいていメッセージ性があるものだが、この構成の意味は、私にはよくわからない。曲目は選曲委員が決めるので、事前にこうなりますとアナウンスされるだけだ。希望はあまりとらない。そして、これらは、2020年の同時期に予定されていた曲目そのもので、指揮者も同じ。そして、直前まで練習していたのに、コロナ禍によって、演奏会そのものが中止になったのだった。今回、そのままの曲目で、演奏したことになる。ただ、この曲目に不満があるわけではない。ただ、不思議な構成だなと思うだけ。

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フィンランドとスウェーデンはNATOに加盟できるのか

 ウクライナへのロシアの侵略のひとつの帰結ともいうべき事態が、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟への動きである。まさしく「藪蛇」という言葉が当てはまることだ。今年のヨーロッパの状況からみれば、ごく自然な流れだと思うが、しかし、日本のメディアがスムーズに進展するかのような報道をしているが、そうなのだろうか、と疑って見ることも必要だろう。既に、ふたつの障害が表れている。

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ウィンブルドン大会でのロシア・ベラルーシ選手の排除は

 ウィンブルドンが、今年の大会にロシアとベラルーシの選手が参加することを拒否する決定をした。これに対して、男女のプロテニス協会がそれぞれ批判をして、対抗措置を公表している。一般のひとたちも、またテニス選手の間でも、意見は大きく割れている。非常に難しい問題なので、考えがなかなかまとまらなかった。
 
 他の大会では、これほど明確に排除をしていないから、「国籍による差別である」「スポーツを政治利用している」という批判が、とくにテニス選手から寄せられている。
 しかし、スポーツの政治利用という批判は、あまりあたらない。むしろロシアが、スポーツを政治利用していることの方が顕著であり、ロシアの国家的なスポーツの政治利用を防ぐという意味は、十分に認められると思う。「国籍による差別だ」というのは、確かにその通りだろう。おそらく、ウィンブルドン主催者としては、そうした非難は十分に考慮した上での結論だと思われる。

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私立高校で給料未払いで教職員のストライキ

 読売新聞(2022.5.12)によると、和歌山の私立の高校で校長を除く全教職員が授業を取りやめ、ストライキに入ったという。記事の一部を引用しておく。
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 学校法人南陵学園(静岡県)が運営する私立和歌山南陵高校(和歌山県日高川町)で、校長を除く全教職員23人が、4月分の給与が支払われていないことなどを理由に11日の授業を取りやめた。教職員によるストライキは異例。教職員側は法人側に説明会の開催を求めているが、時期は固まっておらず、対立解消の見通しは立っていない。
 関係者によると、学校法人は23人の4月分給与を所定の4月28日に支払わず、5月9日付で御坊労働基準監督署から20日までに支払うよう是正勧告を受けたという。

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プーチンの演説 戦争という選択しかなかったのか2

 前回の末尾に、ロシアの復興は可能なのかと書いたが、もちろん、いわゆる復興という点では、ウクライナのほうがずっと困難だ。地域が破壊されたのはウクライナであって、ロシアではない。少なくとも、いまの状況では、ウクライナはロシアに侵攻するする意図はもっていないようだ。ウクライナ前線への補給基地は破壊しようとするだろうが。ウクライナは、勝利のあとは、いかに困難でも、欧米からの支援をえて、長い時間がかかるとしても、復興していくだろう。そして、もはや親ロ派と親欧米との争いや政治腐敗なども、おきなくなっていくに違いない。破壊されたあらゆることの復興を考えれば、争っている余裕などないからだ。
 それに対して、ロシアの復興とは、政治的復興という意味になる。私は、プーチンが失脚するなり、殺害されることなしに、この戦争は終わらない可能性が高いと考える。プーチンがあるところで、矛を収めて敗北を認めることは考えにくいのである。けんかは絶対に負けてはならないというのは、プーチンの最も固い信念だからだ。アメリカは、ロシアは長期戦のための準備をしていると、見解を発表したが、ロシア軍がウクライナ領内から完全に追い出されたとしても、長期に戦争状態を続けることができるとも思えない。さすがに、政権内でのプーチン排除の動きがおきるのではないだろうか。 

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プーチンの演説 戦争という選択しかなかったのか1

 プーチンの注目された演説は、大きな失望を与えたようだ。少なくとも西側には。もともと、ロシア国内向けと考えれば、当然なのかも知れないが、西側の期待を裏切ったというのは、皮肉だが。
 プーチンの演説の要点は、アメリカとNATOが、ロシアの要求を受け入れず、安全を脅かしたので、先手を打たざるをえなかったのだ、ということにつきる。ロシアは悪くない、悪いのはアメリカとNATOだというわけだ。更に、軍事作戦の目的は、ロシアを脅かしているナチスから、同胞を解放することであるというのが、積極的な目的だそうだ。
 それは、日本が太平洋戦争に突入していった論理とまったく同じである。アメリカが、日本にハル・ノートを突きつけ、さらに石油の禁輸などの経済制裁を強化したので、日本は、アメリカに戦争せざるをえなかったのだ。そして、それに対して、ABCD包囲網などを敷いてきた。そういう論理がひとつと、日本の戦争目的は、アジアを帝国主義植民地支配から解放することだったという論理があった。これは、プーチンのいう、ナチスの支配から解放するというのと重なる。

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鬼平犯科帳 「盗賊婚礼」不思議な物語

 「鬼平犯科帳」クイズのための作業である。「盗賊婚礼」は、話としては面白いのだが、突つきだすといろいろと妙なところがある。それを考えてみたい。
 筋は以下のようなことだ。
 
・傘山の弥太郎は、山城屋文蔵方に押し入り、780両を盗み、「けむりのごとく」消え失せた8人の盗賊の頭である。亡父の時代は50人手下がいた。
・その盗みで、引き込みをしたお粂と父親ということになっている由松を,火付盗賊改は追っているが、行方をつかめない。
・手下の勘助と喜代次が、瓢簞屋という料理屋をやっているが、弥太郎は別のところに住んでいる。瓢簞屋は、平蔵が好んでいる店である。勘助とも親しく話もしている。
・先代が親しかった盗賊鳴海の繁蔵の娘を弥太郎と結婚させる約束があると、亡夫が、死に際に弥太郎にいって、弥太郎は承知していた。
・8年後二代目繁蔵から、妹のお糸を親同士の約束に従って女房にしてほしい、そして、これを縁に、親たちのように仕事の協力をしてほしいという申し入れがある。
・その使者は、繁蔵配下の長嶋の久五郎だった。

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