丸山は、ヨーロッパの指揮者は、歌劇場のポストを歴任して、認められることでだんだん上級クラスの歌劇場に進み、一流の指揮者として認知されると指摘している。そして、その代表としてカラヤン、ベーム、フルトヴェングラーをあげているが、フルトヴェングラーはこうした経歴をたどった指揮者ではないし、また、オペラ指揮者とはいえない。ごく若い頃に歌劇場の指揮者であったが、30代にしてベルリンフィルの常任指揮者に選ばれたあとは、例外的な時期(つまりナチスとの関係でベルリンの歌劇場の指揮者を務めたことはあるが)を除いて、歌劇場の指揮者になることはなかった。フルトヴェングラーのオペラは、音楽祭やレコーディング、演奏会形式での上演にほぼ限られている。フルトヴェングラーは偉大な指揮者だから、オペラの録音も優れた演奏だということになっているが、私は、フルトヴェングラーのオペラ録音は、それほど優れたものではないと感じている。生粋のオペラ指揮者であったカラヤンと比べるとその差ははっきりしている。 “丸山真男のオペラ論2” の続きを読む
WS優勝のロバーツ監督への低い評価
MLBの優秀監督を担当記者たちが選ぶ賞で、今期ワールド・シリーズ優勝をなしとげたドジャースのロバーツ監督が選ばれなかったことが、話題となっている。しかも、単に選ばれなかっただけではなく、一票も入らなかったというのだ。記者はMLB担当記者30名が、1位、2位、3位の順をつけて投票するということだ。とすれば、全部で90票が投じられることになる。そのうち1票もロバーツの名前が書かれていなかったというのだから、かなり驚きだ。しかし、ある大リーグ・レジェンドで解説者(オルティーズ)が、この件について詳しく自分の受け取りを語っているyoutubeがあったが、全面的に賛成している。
ナ・リーグ(ドジャースが属するリーグ)では、ブルワーズのマーフィー監督が圧倒的な票獲得で選出されたという。しかも2年連続である。 “WS優勝のロバーツ監督への低い評価” の続きを読む
丸山真男のオペラ論1
丸山真男に「金龍館からバイロイトまでーーオペラとわたくし」という文章がある。もちろん、丸山のアカデミックな論文ではなく、丸山のオペラ歴を語ったエッセイである。これがとても面白いし、賛成できるところもあるし、また、違うなというところもあるが、丸山真男は有名なクラシック音楽、とくにドイツ音楽、そしてオペラ好きだったから、その類の文章はいろいろあるのだが、これがとくに私には興味深かった。
1985年の文章だが、まだまだこの時期は、日本のオペラ普及はそれほどではなかったのかも知れないが、それでも、次第にオペラ好きは増えていたと思うし、有力なオペラ公演は客もたくさん入っていたはずである。 “丸山真男のオペラ論1” の続きを読む
マタイ受難曲の古楽奏法と現代オケの演奏
東京交響楽団のマタイ受難曲を聴いて、このブログに感想を書いたのだが、その後いくつかのマタイのCDを聴いた。そして、磯山雅氏の厖大なマタイの分析書も読んでみた。マタイ受難曲が、まだ好きになったわけではないが、これまであまり気付かなかった魅力を感じるようにはなった。しかし、最近の主流ということになっている古楽奏法については、私はあまり好きになれない状態である。磯山氏の著書には、当時発売されていた(廃盤のものを含まれているが)マタイの全曲CDについて、率直な評価が書かれている。その評価に、私はあまり納得できないというか、やはり感覚が違うのだと思ってしまう。 “マタイ受難曲の古楽奏法と現代オケの演奏” の続きを読む
女子大の存続は
女子大の存続問題がいろいろと論議されているし、また、実際に女子大の教職員は真剣な検討をしているだろう。2025年から約5年間は、18歳人口が多少増えるのだそうだ。それは、団塊ジュニアの子どもたちが18歳を迎えるからだという。私は、団塊の世代そのものなので、こうした受験人口の変化による学校の淘汰を何度も経験してきた。 “女子大の存続は” の続きを読む
ハイビームに関する疑問
運転をしているときの不安として、対向車のハイビームがある。非常に見にくくなり、カーブがある場合など、危険すら感じる。
私が免許をとったときには、ロービームが標準で、特別な場合、つまり暗くて見にくいときだけハイビームにするという指導だった。しかし、道路交通法が改正されて、夜は原則ハイビーム、先行車と対向車がある場合には、ロービームに切り換えなければならない。そして、市街地で明るい地域の場合には、ハイビームにする必要がないということのようだ。 “ハイビームに関する疑問” の続きを読む
熊をめぐる利害・価値観の対立
熊問題は、現在の日本の極めて大きなものになっているように思われる。生物学に疎い私には、原因や対策について、いろいろと情報を集めるのだが、何が原因で、どうすればいいのかは、とてもわかりずらい。
「なぜ猟友会の“クマ駆除拒否”が頻発するのか…『我々を都合よく利用するのだけはやめろ』現役ハンター指摘」という文章が掲載されている。
https://gendai.media/articles/-/159698?imp=0
趣旨は、熊駆除に利用される猟友会のひとたちの怒りが書かれているが、それだけではなく、山の森林が広葉樹林から針葉樹林に変って、熊の餌がなくなって山からおりてくるのだということで、針葉樹林を広葉樹林に変えていくことが提言されている。 “熊をめぐる利害・価値観の対立” の続きを読む
プーチンは勝利を信じているというが
ウクライナのロシアに対するエネルギー関連施設の空爆が続き、ロシア国民の生活に次第に大きな影響を与えつつあることが、youtubeで情報提供されているが、あわせて、ロシアによるウクライナに対する、主に民間施設への空爆も激しく行われている。軍事関連の施設に限定した空爆を行っているウクライナと、民間施設を標的にしているロシアとでは、いかに意識の違いがあるかを認識させられる。そして、ロシアのような国家があるということが、やはり、特別な研究の対象にならなければならないと思わされる。ロシア・プーチンの戦争犯罪を問えるような形での終戦でなければならない。 “プーチンは勝利を信じているというが” の続きを読む
矢内原忠雄・丸山真男・五十嵐顕2
過去に書いた矢内原忠雄・丸山真男論のテーマにそって、五十嵐顕について追記のような形で当面書いていくことにした。今回は、東大の教官になった事情である。
簡単に前述の二人をまとめておくと、矢内原は、民間企業に務め四国の事務所で働いていたときに、新渡戸稲造が国際連盟の事務局次長になって東大をやめたので、その後任として迎えられたが、民間企業勤めだったために業績はまったくなく、友人への手紙を唯一の「業績」として助教授に採用された。大学生時代の優秀さを友人や教授たちが認めていたための、特異な採用だった。丸山は、学生のときに助手に応募して採用され、南原繁の下で新設の日本政治思想史講座の担当者となった。丸山はオーソドックスな道を歩み、矢内原は極めて異例の採用だった。
五十嵐はどうだったろうか。 “矢内原忠雄・丸山真男・五十嵐顕2” の続きを読む
祝日と有給休暇
今日の羽鳥モーニングショーで、日光の渋滞に関して話題にしていた。紅葉が見頃になり、例年いろは坂が大渋滞するというので、今年は、ロープウェイ乗り場の駐車場を片方閉じることによる、渋滞解消実験をしたところ、その駐車場に入る側の道路の渋滞は解消されたとしていた。ただ、閉鎖していない駐車場に入る側の道路は例年とおりの大渋滞で、駐車場に入れた人が、5時間かかったなどと話していた。
ただ、この混雑が報じられていたのは、いずれも連休のときのことであり、平日はどうなのだろうと思った。そして、こうした混雑を解消するには、休日のあり方を変えないと難しいのではないかと思う。 “祝日と有給休暇” の続きを読む