岩田氏は、日本を能力主義社会と規定しているわけではない。学歴主義という規定での能力の問題を扱っている。そして、そこには、大いに参考にすべき、そして検討すべき論点があるので、2回に渡って考察したい。
岩田氏は、「実力」と「能力」を区分する。それは一般的な区分法とはいえないが、とりあえず岩田氏の意味で理解しておこう。「実力」とは、特定の分野のことを遂行できることで、分野が特定されていることが特質である。それに対して「能力」とは、潜在的な可能性をもっていることで、更に、特定の領域における可能性と、領域にとらわれない一般的な潜在的能力とにわかれる。 “日本は本当に能力主義社会か10 岩田龍子の議論から1” の続きを読む