高齢者への詐欺メールが増えているそうだ

 「NEWSポストセブン」というサイトに「シニアのネットトラブル増 コロナ禍で悪質通販の被害拡大も」という記事が出ている。高齢者である私にも、詐欺メールは頻繁に来る。正確にいうと、来ていると思われる。というのは、私は、メールを直接パソコンに読み込んでから読む、というスタイルをとっておらず、メールサーバーで題名と送信者だけをみて、明らかに必要なメール以外はすべてその場で削除していまう。だから、別に詐欺メールでない宣伝メールなども、ほとんど受信しないまま捨ててしまう。そして、そのなかには、あきらかにスパムメールや詐欺メールだと思われるものも少なくない。特に最近増えている気がする。
 この記事に紹介されている事例は、
1 コロナ禍で外出が少なくなったので、ネット通販を利用することが多くなり、かなりの量を買い込んでしまう。
2 アダルト系・出会い系で騙されて、お金を払ってしまうが、恥ずかしいので相談できない。
3 健康食品などで、一回きりのつもりが、定期購入になっていて、どうキャンセルしたらいいのかわからずに買い続けてしまう。
 このような事例で、シニア層は、パソコンの使い方は慣れている人が多いが、スマホはあまり慣れておらず、こうした間違いをすることが多いと書かれている。

“高齢者への詐欺メールが増えているそうだ” の続きを読む

巨人のあまりのふがいなさにびっくり

 ここ数年、ほんとど野球中継をみなくなったから、正確なところはわからないが、川上時代を知っている者とすれば、あまりに今回の日本シリーズの巨人のだらしなさには、驚きだ。かつて、人気のセ、実力のパと言われたが、私が熱心に野球をみていた大昔は、人気のセ、実力のセだった。それは、王・長島を擁する巨人のV9をみればわかる。しかし、その後、少しずつ人気のセ、実力のパと言われるようになった。それは、オールスター戦で、セリーグの選手はお祭気分でやっていたのに、パリーグの選手は、スポットライトがあたる稀な機会というので、懸命に頑張ったからという側面が強かった。日本シリーズなどでは、セパはそれほど実力の差が数字に現れてはいなかった。しかし、確かにパリーグのほうが実力があることが明瞭になっていくのは、交流戦によってだった。以前は、巨人戦がテレビの最大人気番組だったが、次第に、野球中継が地上波から消えていき、CS中心になると、ほぼ全球団の全試合が放映されるようになるから、メディア面での差がなくなってくる。そして、明らかに、パリーグのほうが、プロスポーツとしての野球の向上のために、努力しているように思われてきた。大分前から、私には、人気のパ、実力のパとしか思えなくなっていた。一応東京育ちで、野球少年だった私としては、巨人ファンということにしていたが、第二次長島監督の時代から、巨人ファンであることを止めた。第一次長島監督のほうが、成績は悪かったのかも知れないが、若返ったチームを強くするために、チームが全力でトレーニングしている雰囲気があって、今後強くなることが予想されていた。その途中で解任され、長島としては非常に落ち込んだのだろう。そのせいか、第二次監督になってからは、練習によってチームを作り上げるより、金任せのチーム作りをするようになり、4番バッターをずらりと並べるという、あまりにも不可解なチーム作りに走った。それを背後から支持したのが、ナベツネであることも周知のことだ。ナベツネというひとは、ホームランがことのほか好きだったようで、4番を揃えるのも、ナベツネの趣味に合わせたところがあるのだろう。この時期あたりから、巨人は、屋台骨が崩れ始めた感じがする。

“巨人のあまりのふがいなさにびっくり” の続きを読む

国が信頼されるということ コロナ克服に必要なこと

 
 
 フィンランドでは、強力な自粛政策が取られていない。そして、経済活動や学校なども平常通りに行われているというニュースが流れていた。マスクなどもあまりしていない。何故か。
 その最大の秘訣は、ソーシャル・ディスタンスをとっていることと、アプリをほとんどの人がいれていて、距離をとっている。アプリとは、日本でいう「接触確認アプリ」だ。接触確認アプリにもいろいろあるので、機能の詳細はわからないが、国民のほとんどの人がこのアプリをいれていて、感染者が近くにいると、それが感知され、距離をとることで、感染を防いでいると、そのニュースでは言っていた。
 では、日本ではどうなっているのか。日本では、厚労省が開発したアプリ(COCOA)があり、厚労省のホームページによると、11月20日現在で、2024万人が登録しているそうだ。公表当初の登録数は、極めて少なかったので、ほとんど有効性がないと言われていたが、数の上では、多少は延びていたというところだろう。しかし、20日現在、登録されている陽性者は2777人というから、陽性者のごく一部しか登録されていないことになる。これでは、実際に登録されていない陽性者が、近くにいても、まったく警告がならないことになる。

“国が信頼されるということ コロナ克服に必要なこと” の続きを読む

温室効果ガス0にするというが

 菅首相は、2050年までに、日本の温室効果ガスの排出量を実質0にするという公約を掲げた。大変けっこうなことだ。しかし、それは本気なのだろうか。これまで日本は、京都議定書を決めたホスト国として、温室効果ガスの削減に努力してこなければならなかったが、実際には、ほとんど成果をあげてこなかったし、むしろ、東日本大震災もあって、火力発電が増大したことで、約束を下回っている。また、トランプ大統領の消極的な姿勢の影響もあって、安倍内閣は熱心に取り組んだとは言い難い。安倍内閣を支えてきた菅官房長官が、熱心に気候変動問題に取り組んだという印象はない。「日経エネルギーNext」によれば、公明党の強い要請で、政策に掲げたということのようだ。とするならば、それほど自身の政治生命をかけるような重大政策ではないに違いない。最大重要課題と掲げていたコロナ対策は、今のところ無策として思えないから、「大きな政策」の実行力にはかなり疑問符がつく。しかし、そういうことはさておき、公約の内容そのものはとても重要で、本気で実行してほしいことだ。

“温室効果ガス0にするというが” の続きを読む

東京・福岡でコロナ関連で罰則付き義務化?

 新型コロナウィルス対策として、都道府県単位で罰則付きの措置をとろうという動きがある。欧米などの罰則付き措置が、日本でとれないために、対策がとりにくいということは、従来から言われていたが、他方で、罰則なしでも、国民の自発的努力で欧米以上の効果をあげているから不要だという見解もある。菅内閣は、新型コロナウィルス対策が最大急務であるといいながら、経済活性化のための政策を重視して、コロナ対策は、ほとんどスルーしている感じだから、結局地方がやらねばならないという機運になっているのだろうか。
 最初の動きは、東京だった。
 まず10月段階では、陽性が判明したあとに外出して、他人に感染させた場合には、罰金を科すという案が検討されていた。現在は、陽性になっても強制的な入院などはなく、むしろ、家庭での待機が奨励されているから、行動の規制はほとんどできない。買い物にはいく必要があるだろうから、外出を全面的に禁止することもできない。それをするためには、ホテルや研修所などに収容するしかないだろう。春先に、陽性となった男性が、繁華街に出て、店に入り、「俺はコロナだ」と叫んで回ったという事件があった。ただし、この事例とは、異なる。以下記事を引用しよう。

“東京・福岡でコロナ関連で罰則付き義務化?” の続きを読む

バーンスタインのベートーヴェン交響曲全集の映像

 バーンスタインの演奏は普段あまり聴かないのだが、ベートーヴェンの交響曲を聴きなおしてみようと思って、数日かけて全部聴いた。ウィーンフィルとの映像バージョンだ。演奏については、今更言う必要がない、優れたものだ。ベートーヴェンの演奏は、特別なしかけをする必要はなく、楽譜の通りに演奏すれば、確実に効果があがるものなのだが、そういう安心できる演奏だ。演奏は1977年から79年の間に行われたもので、会場は、5番と9番がウィーン・コンツェルト・ハウスで、残りはムジーク・フェラインである。
 ベートーヴェンの交響曲は、すべて2管編成だが、映像でみると、オーケストラの編成が曲によって異なり、それだけでも指揮者の解釈が感じられる。通常、1番と2番はハイドンの影響が濃厚で、まだベートーヴェンらしさが確立されていおらず、3番の英雄に至って、ベートーヴェンとしての個性か確立すると言われている。しかし、バーンスタインは2番でベートーヴェンらしさは全開になると考えているように感じられた。というのは、1番は2管で演奏しているが、2番は完全な倍管になっていて、演奏もアタックの強いものになっている。編成で「おや?」と思ったのは、5番で、会場が広いコンツェルトハウスなのだが、とにかくたくさんの奏者が並んでいるのだ。5番はピッコロやコントラファゴットなどの、ベートーヴェンでは普段使われない楽器が加えられていることも影響しているのだろうが、弦楽器がやたらと多いのだ。カラヤンだって、これほど大きな編成で5番を演奏しただろうかと、思わせるほどだ。他の映像に比較して、そういうせいか音の凝集力がないように感じられた。録音のせいだと思うが。

“バーンスタインのベートーヴェン交響曲全集の映像” の続きを読む

コロナワクチンへの疑問

 新型コロナウィルスに対するワクチンの開発が進み、効果が95%であることが確認された、などというニュースが注目されているが、通常のニュースやワイドショーなどをみている限りでは、どうもよく理解できない部分がある。つまり、有効率が95%というのは、どうやって確かめたのかということだ。そして、何故、日本の医師の多くが、ワクチン開発はかなりの年数がかかるのに、これらのワクチンはまだまだ本当に有効であるかはわからない、と解説するのか、そうしたことがよく理解できないのだ。ワクチンが有効だったということは、ワクチンを摂取した人が、新型コロナウィルスに感染したけれども、まったく発症しなかったという人の割合が95%で、発症した人が5%だったというように、常識的には受け取れる。

“コロナワクチンへの疑問” の続きを読む

Law & Order テロリストに対する拷問は適法か

 しばらく休んでいたが、アメリカのドラマ Law & Order 考察を復活させたい。Law & Order は本編だけでも20年続いたロングシリーズだが、多数のスピンオフがある。本編の第20シリーズは最終であることが決まっていたためか、相当意欲的に取り組んだようで、非常に傑作が多い。第一回は、いきなりイラク戦争における捕虜拷問がテーマになっている。
 導入は、ある女子大生が授業料を払えないから退学するといって、タクシーに乗るのを男性が追いかけて、自分が払うから辞めるな、もうすぐ大金が入ると告げるが、女性は去ってしまう。実は女性はその男性の妹で、兄のタナーは、イラク戦争に従軍していたが、拷問を行ったことで神経を病み、退役・帰国して、ドラッグの売人をしていたのだった。そして、そのタナーが大学の駐車場で死体となって発見される。警察が捜査に乗り出すと、タナーが退役軍人への手当てを支給するようにと、申請の援助を働きかけて、もめていた法学部の教授フランクリンの存在を突き止める。フランクリンの当初の言動が事実と合わないので、逮捕しようと方針をだしたところ、フランクリン自身が、正当防衛で殺害したことを認めて自首してくる。駐車場で付きまとわれて、危険を感じたので撃ったと主張する。起訴するかどうかを決める大陪審が開催されるが、不起訴が決定してしまう。

“Law & Order テロリストに対する拷問は適法か” の続きを読む

優生思想を考える

 
 『教育』が「優生思想をこえる」という特集を組んだために、優生思想について改めて考えることになった。各論文については、個別に考察するが、優生思想を基本的にどう考えるかということを整理してみたいと考えた。
 『教育』12月号(2020年)の5ページに優生思想の定義が書かれている。
 「人間の存在と人格の全体性に対して、役に立つ、生産性の有無というごく限られた部分のみをもって価値を計ろうとするものであり、歴史的に侵されてきた負の遺産を引きずり、かつ現代社会が再生産しつつある思想である」
となっている。
 ところで、「優生思想」という言葉は、国語辞典や百科事典にはほとんど見出しにない。あるのは「優生学」である。だから、優生思想とは、優生学の立場を正しいと認め、それを社会的政策として進めようとする思想ということになるだろうか。『教育』の定義とは、異なることになる。『教育』の定義は、近年の保守的政治家や、やまゆり園事件を起こした植松聖の表明した考えかたをまとめたものというほうが適切だろう。

“優生思想を考える” の続きを読む

ハーバード大学のアファマーティブ・アクションは合法とい判決

 アジア系の住民が起こしていたハーバード大学に対する、アファーマティブ・アクションをやめよという提訴に対して、連邦高裁が訴えを退け、ハーバード大学の措置は、公民権法等に違しないという判決を下した。これは、大分前から、アメリカ社会の大きな争点のひとつだったし、いまでも論争が続いている。アファーマティブ・アクションとは、公的機関が行う採用人事において、住民の民族構成の割合に沿うというものだ。私的企業などには義務付けられていないが、私立大学であるハーバード大学は、通常のアファーマティブ・アクションのように、割合を決めるというのではないが、民族構成を考慮する措置をとっているとされている。以前、NHKでハーバード大学の入試のやり方を、ドキュメントで放映していたが、日本の大学のように、点数順に並べて上から機械的に合格させるというのではなく、様々な要素を考慮して、個別に合格者を決めていくので、日本の採用試験でいえば、教員の「選考」に近いものだといえる。

“ハーバード大学のアファマーティブ・アクションは合法とい判決” の続きを読む