カテゴリー: 音楽
バーンスタインのベートーヴェン交響曲全集の映像
メロディーを考える
フルトヴェングラーのバイロイト第九再論
ウィーン国立歌劇場150周年ボックス
ウィーン国立歌劇場150周年記念CDボックス(22枚組)を、やっと全部聴き終わった。CDやDVDのボックスは多数もっているが、全部聴いたのはあまりない。それだけ魅力的なボックスだ。
ウィーン国立歌劇場は、第二次大戦時の爆撃でほぼ消失してしまったので、再建に10年かかるという、かなり難事業で再開された。その戦後の主なオペラの全曲と、抜粋によって構成されている。 “ウィーン国立歌劇場150周年ボックス” の続きを読む
カラヤンのドキュメント「第二の人生」
レコーディングでの不思議な例
ベームの「コシ・ファン・トゥッテ」を聴いて
2番の名曲はあるか
ワルターのワルキューレ
本当に久しぶりに、ワルターの『ワルキューレ』を聴いてみた。このレコードは、(聴いているのはCDだが)いろいろな意味で、特別なものだ。1935年の録音だから、まだSPの時代で、片面5分のレコードに、ワーグナーの全曲など録音できるとは、とうても思えなかった時代に、EMIが指輪全曲に挑戦する企画として、録音が始まったと言われている。つまり、世界最初の「ニーベルンクの指輪」の全曲録音の試みだったという点。しかし、残念ながら、当時の情勢、おそらく、ワルターがユダヤ人であることの、様々な制約があったのだろう、ワルキューレ2幕の途中で中断した。そして、この不吉な徴候は、その後も続いたことでも有名だ。戦後、改めてフルトヴェングラーで指輪全曲を録音しようと、EMIは意欲的なプロジェクトを組んだわけだが、これも、フルトヴェングラーの死によって、やはりワルキューレだけで頓挫してしまう。そして、クレンペラー。これも基本的には、1幕だけが完成で、指輪全曲の予定だったのかはわからないが、とにかく、ワルキューレで1幕で頓挫。EMIが指輪全曲録音を完成するのは、80年代も末のハイティンク盤だった。EMIにとって、ワルキューレは呪われた音楽という風に言われたこともあった。巡り合わせとは、本当に不思議なものだ。しかし、これらはいずれも、非常な名盤と評価されている。ハイティンクは、例によって強烈な個性を発揮しているわけではないが、じっくりと聴けるし、安心感を与える。指輪にとって、安心感はいいことか、という疑問もあるが。 “ワルターのワルキューレ” の続きを読む