私の住んでいる地域では、あちこちで道路工事をしている。しかも、ひとつの区域の工事期間がすごく長いのだ。橋の周囲の道路が混むのはどこでも同じだと思うが、その解決策のひとつが、新しく橋をつくることである。大きな川があるのだが、例によって、橋は少ないので、どこもひどく渋滞になる。それで、二つの橋の間に新しい橋をつくることになったが、橋に続く道路をつくる必要があり、そこで住民の反対運動が起きた。かなり長く反対運動が続いたので、その解決にずいぶん時間があったのだが、その道路の先の道路も新しくする必要があり、橋はできないのに、その道路工事は比較的早く始まった。それが完成すると、となりの県から、スムーズにきて、となりの市まで続く道路が開通することになる。そういう意味で、完成がまたれるのだが、とくに私の住んでいる近くの部分の工事がやたらと長いのである。橋は既にできているのだが、その工事が継続しているから、たいして便利になった感じもしない。
さて、その長くかかっている工事は、作業そのものは、ずっと続いているのである。最初は片側一車線の道路があったが、それを片側二車線にするという計画らしい。そうであれば、片側の増加分一車線の工事を片方ずつ、あるいは両方同時にすれば、三百メートルくらいの距離なのだから、短期間に終わりそうなものである。たしかに、坂になっているので、工事がやりにくいことはわかるが、実際にどのように進行したかというと、既存の道路と少し離れたところに新しい一車線分新しくつくる。そして、その分の既成の一車線を閉じる。そして、次の新しい斜線をつくって、また既存のものを閉じる。通常なら、それで四車線ができたと思うだろうが、それぞれの車線は離れているので、閉じるだけではなく、閉じた道路を壊すのだ。壊したら、また、違う車線をつくって、・・・と道路を壊したり、つくったりして、いまだに片側一車線の道路が、曲がりくねった状態に設置され、ずっと工事中なのである。このけっこう短い距離の道路建設が、正確には思い出せないが、おそらく十年以上続いている。
また、別の区間では、新しい道路建設に反対して、立ち退かない人がいて、長い間工事が滞っていたのだが、そこはやっと解決して道路がとりあえずつくられたが、これもまた、現在は片側一車線の状態で、やがては片側二車線になるのだろう、ずっと工事が続いている。これもまたさらに何年もかかるのだろうか。
素人目ではあるが、もっと合理的に建設計画をたてれば、もっとずっと速く工事が進むと思うのである。資金がないとか、人がいないという問題のようには思えない。とにかく、ある部分をやって、つぎにそこをこわし、別のところを通れるようにして、というようなことが、そこでも続いているのである。
道路関係の税は、目的税で、道路建設に使うことが決まっている税があるそうだ。だから、その税金は、かならず道路建設に使われる必要がある。逆にいえば、その税を消費するためには、道路建設が必要らしい。そんなばかなことがあるだろうか。本末転倒そのものである。
この工事をみていると、公共事業として、穴を掘り、その穴を埋めて、また掘り、また埋めて、というようなことを繰りかえすとしても、失業対策として行うならば、意味がある、というような理論かあると、昔習った記憶があるが、それを実践しているのではないかと思えてくるような、だらだらした工事なのである。
地下に埋め込むインフラの問題があるとしても、これほどの長い工事が必要とはどうしても思えない。なんとかならないものだろうか。みなさんの近所で、そうしただらだらとした道路工事が行われていないだろうか。