著作集のために、入稿前のファイル作成、つまり、本として印刷されたものをOCRにかけて、テキスト化する作業をずっと続けているが、生前刊行された著作(すべて論文集)は終えた。死後刊行されたものは残っているが、少なくとも生前本の形でまとめられたなかに入っている論文は、すべて一文字一文字確認しながら読んだことになる。
その過程で、あることに気づいた。それは、教育財政学者としての五十嵐教授に、もっとも鋭い分析をしてほしいと、私は考えるテーマについての論文が存在しないことだった。それは教科書無償化に関するものである。現在義務教育学校で使われる教科書(検定教科書)は、すべて無償で配布されている。しかし、私が義務教育を受けていたときには、有料だった。無償になったのは、1962年と1963年に成立した法律によって、1963年に入学した小学校1年生から、順次1年ずつ上級学年に適用されていったものである。