今日は気軽な話題で、鬼平犯科帳について、普段感じているが、どうでもいい点について書いてみる。
鬼平犯科帳に出てくる盗賊は、二種類に分類されている。もちろんそれは作者の創作であろう。第一は、本格の盗賊といわれるもので、3つの掟を厳格に守っている。「殺さない」「盗ったらこまるところからは盗らない」「女を犯さない」の3つである。これを犯すと、首が飛ぶとも書かれているが、実際に鬼平犯科帳には、そうした場面はなく、逆に、仁三郎のように、温情で助けられた話は、いくつか出てくる。
それに対して、盗みに入った先のひとたちを皆殺しにしてしまう「畜生働き」という盗賊たちがいる。彼らは、ことごとく長谷川平蔵に敵愾心をもち、ある盗賊たちは、平蔵を殺害しようとしたり、家族に危害を加えようとする。歴史書などを見ると、天明の大飢饉などのあとになると、凶悪な盗賊たちが多くなったと書かれているので、確かに、長谷川平蔵が活躍していたときには、畜生働きの盗賊たちが多数いたのかも知れない。