安倍元首相の国葬問題は、いまだに迷走を続けている。めずらしく岸田首相が、国会の閉会中審査で、自ら説明をしたが、それまで述べていたことを繰りかえしただけで、かえって不信感を強めたといえる。
しかし、どうも不思議なことがある。私は国葬反対だが、どうせやるなら、もっとうまく処理できないのかと。
政府の立場は、法律がなくても、閣議で決めれば実行可能であるというものだ。その根拠となっているのが、内閣府設置法の次の条文だ。
第四条
三十三 国の儀式並びに内閣の行う儀式及び行事に関する事務に関すること(他省の所掌に属するものを除く。)。
これまでは、国葬を実施するためには、三権の長の承認が必要であるというのが、内閣法制局の見解だった。しかし、安倍内閣の下で、内閣法制局人事によって、政府の意向をほぼ認めるようになってきたのが、内閣法制局の実態であるから、この岸田内閣のいうことを認めた形になっている。