カテゴリー: 時事問題
ヨーロッパの感染拡大から考える
ヨーロッパでは連日のように、過去最大の感染数が確認されている国がある。イギリス、フランス、スペインなどだ。過去最大に拘らなければ、とにかく、主要な国でどんどん感染拡大が起きている。何故か。それは、まだ検証はされていないが、容易に想像できる。外国人の観光客の受けいれを再開したからである。日本でも、3月に感染が拡大したのは、大学の卒業旅行で、欧米に出かけた人たちが、ウィルスを持ち帰ったことが、大きな要因であったと考えられている。欧米にしても、日本にしても、外国で発生したウィルスが入ってきて流行したのだから、外国人の受け入れを大量に再開すれば、感染が拡大するのは、当然だろう。英仏、スペインだって、そのことはわかっていて、背に腹は代えられないと考えたのだろう。だが、やはり、危惧していた通り、感染は再度の爆発が起きてしまったわけである。ビジネスなどの往来はとめるわけにはいかないだろうが、観光の人々がどっと押し寄せることは、ヨーロッパの事例で、極めて危険であることが示された。 “ヨーロッパの感染拡大から考える” の続きを読む
学術会議会員任命問題(続き)
学術会議の任命拒否についての議論が盛んだ。菅首相がインタビューに応じているが、肝心の部分には答えていない。いくら形式的に、任命権が首相にあるとか、法律に基づいてやったといっても、何故、この6人が拒否されたのかという理由は、全く別の問題であり、任命権が首相にあるならば、首相が説明しなければならないし、法律に基づいているというのならば、どのように法律的に処理されたのか、具体的に述べる必要があるはずである。今日の羽鳥モーニングショーでは、田崎史郎氏ですら、説明しなければいけないと主張していたくらいである。
前回は「学問の自由」という観点から、今回の事件を考えたが、今回は組織的な面から考えてみたい。 “学術会議会員任命問題(続き)” の続きを読む
同調圧力を再生させる仕組み2
何故学問の自由は重要なのか
日本学術会議の会員選考について、政府に批判的な学者を排除するという動きは、既に2018年にはあったと報道されている。だから、見解突発的に行ったものではなく、おそらく、菅政権が発足して、支持率が高いこともあって、思いきってやってしまおうと考えたのではないだろうか。
しかし、いかにも、そのやり方はお粗末で、安倍政権そして菅政権の水準の低さに呆れてしまう。法手続的にいえば、どう考えても筋が通らない。「推薦に基づいて任命する」というのは、推薦をそのまま認めることであるのは、内閣総理大臣を天皇が、国会の指名そのままに任命することと同じである。これを曲げて、首相に推薦の拒否権があるというならば、天皇が国会の指名を拒否できるという解釈も成立する。そんなことは、まさか認めないだろう。学術会議の会員も同様ではないか。 “何故学問の自由は重要なのか” の続きを読む