本シリーズ(学校教育から何を削るか)の最後にする予定で、以後、これまで書いたものを整理する予定。
最後に最も大きく、かつ困難な課題を提起することにした。
最初に確認しておきたいことは、日本の入学試験は、日本の学校教育に甚大な影響を及ぼしているし、進学ということがある以上、上級に進学するために「入学試験」があることは、当たり前のことであり、それは万国共通だと、多くの人が思っているが、それは間違いだという点である。上級学校に進学するために、何らかのハードルがあることは、ほとんどの場合当てはまるが、日本のような入学試験は、教育制度が発達した先進国では、実は少数派である。だから、入学試験システムは、廃止することができると考えている。
私が学生時代、教育法の第一人者であった兼子仁先生の授業で、兼子教授は、「日本の入学試験というのは、なんとしても廃止したいですね。」と主張したことがある。学生たちは、意外な主張に驚き、ほとんど茫然自失の体だったと記憶している。私もそうだった。「そんなことできるはずがない。」そのときだけではなく、ずっとそう思っていた。 “学校教育から何を削るか13 入学試験制度” の続きを読む