突然、もう葬り去られたとみられていた「桜を見る会」の問題がクローズアップされてきた。安倍前首相の政治の私物化の典型的な事例として、昨年来大きな問題となっていたが、コロナ禍がずいぶんと安倍氏には助け船となっていたし、首相を辞任したことによって、ついに逃げきったという雰囲気になっていた。市民の目から見ると、突然検察が頑張りだし、安倍前首相の秘書が任意で取り調べを受けて、これまでの国会での説明が虚偽であったことを認めたという。
何故突然このような事態に急変したのか。なかなか素人である私には詳細がわからないが、権力の位置関係が変化していることは感じざるをえない。そして、大胆に安倍対菅の権力闘争が始まったのだと考えてみたい。
菅氏は安倍前首相から、権力を禅譲されたわけではない。安倍氏は長年言われてきたように、岸田前政調会長に禅譲したいと考えていたのに違いない。岸田氏のほうが、院政を敷きやすいという考えがあったのだろう。自らは、首相をめざすことはないと公言していた菅氏は、特に最後の一年間は、安倍前首相に排除されていたように見える場面がたびたびあった。ただ考えが合わないということではなく、菅氏の権力奪取の姿勢を感じ取ったからではないだろうか。そうして、菅氏は権力を奪取することに成功した。そのためには、かなりの手練手管をもちいたようだ。