最近、「一月万冊」というyoutubeをよくみるようになったが、比較的新しく参加した佐藤章氏の著作である。「一月万冊」でも、佐藤氏出演の回は、アクセスが多いそうだが、硬派のジャーナリストである氏の発言は確かに重みがある。それで、遅ればせながら、氏の書いた『職業政治家 小沢一郎』という書物を読んでみた。小沢一郎という政治家の清廉潔白であること、きちんとした政治的信念をもっていること、その信念を実現するために、突き進むエネルギーをもっていること、等々は、小沢の優れた側面を認識することはできた。しかし、これまでもっていた小沢に対する疑問については、まったく解明されることなく、不満が残ったままの著作であった。
小沢は、初めて非自民党政権を打ち立て、その実質的中心メンバーとなった。そして、従来の念願であった政治改革の重要な政策を実現する。小選挙区制度と政党助成金である。
小沢によれば、民主主義を実現するためには、政権の交代が必要であり、そのためには、それまで実施されていた中選挙区制度では不可能であって、民主主義の代表的な国家であるイギリスの制度に習って、小選挙区制度を導入する必要がある。そういう理屈だ。しかし、私はそれに同意することはできない。