カテゴリー: テレビドラマ
Law & Order テロリストに対する拷問は適法か
鬼平犯科帳 昔の人は記憶力がよかった?
鬼平犯科帳 長谷川平蔵の油断
長谷川平蔵は、何度か危機的状況に陥ったことがあるが、その最大の危機は、京都に父の遺骨処理のために、休暇を利用して訪れていたときだった。休暇中であったにもかかわらず、虫栗一味をほとんど一網打尽にするという、実に水際立った働きを示した直後のことだ。にもかかわらず、この後で起きた事態は、まるで長谷川平蔵らしからぬ、間抜けな行動の連続によって起きたのだった。小説だから、どうということもないが、どこがどう問題だったのか、やはり、考察したくなるのである。
この逮捕劇で一躍有名人になってしまった平蔵は、江戸に帰ろうとするが、奈良見物を京都西町奉行の三浦伊勢守に勧められて、断りきれず承知する。しかし、虫栗一味の吟味の間暇なので、同行の木村忠吾と一緒に、愛宕山参詣にいく。しこたま飲んだあとの帰途、突然女に助けを求められ、脇差しを抜いて追いかけてきた30男が、女を差し出すように頼むが、それを追い払う。このとき、平蔵は、この30男が「只者ではない」と直感している。その後女を連れて、宿に帰る途中、この男があとをつけてくるのだが、平蔵は、それをうまく撒いてしまう。つまり、この日既に、只者でない男が、一端引き下がったのに、あとをつけてくる、という事態を、後々気にしていない。これが第一の油断。 “鬼平犯科帳 長谷川平蔵の油断” の続きを読む
鬼平犯科帳 鬼平の危急
Law & Order 自殺幇助問題
Law & Order 安楽死とキリスト教原理主義 シリーズ16第4話
Law & Order リアルタイム番組のでのトラブル 誰の責任か
テラスハウスの番組の内容で誹謗中傷を受けた出演者の中村花さんが自殺した事件は、記憶に新しい。私自身は、この手の番組を見ないので、番組にかかわることはわからないが、その後のSNS上の誹謗中傷については、関心があり、ブログに既に書いた。ただ、この事件の問題には、番組そのものの「やらせ」要素もずいぶんと議論になっているようだ。台本はなく、ごく自然に起きていることをカメラが追う、というふれこみだが、台本があるのではないか、台本ではなくとも、何らかの指示があるのではないか、しかも、対立を煽るような指示があるのではないか、というようなことが、多くの人に疑念として抱かれているのだろう。もし、これが、アメリカで起きた事件ならば、何らかの裁判になった可能性がある。もちろん、日本でも今後、何らかの提訴もありうるのだが。
Law & Order をずっと見ているのだが、そのなかに、まさしくリアルタイム番組を扱ったテーマがあった。2000年に放映されたシリーズ11の15回目「特別エピソード」である。当時、アメリカでもリアルタイム番組が、いろいろと議論になっていたのだろう。内容は以下の通りだ。 “Law & Order リアルタイム番組のでのトラブル 誰の責任か” の続きを読む
law & order 飲酒運転と植物人間へのレイプ
Law & Orderをみていると、日本とまったく法意識が逆ではないかと思うことがある。シリーズ8には、そう感じる例がふたつ続いた。
3人がひき逃げ事故にあって死亡した。犯人が捕まるのだが、犯人とその弁護士は、飲酒運転をしていたので、意識がなく、無実であると主張する。そして、飲酒の事実を認められれば、無罪が確定するかのようにドラマは進行する。たまたま担当した判事が、飲酒運転撲滅を強く意識しており、この裁判をそれに活用しようとする。しかし、検察としては、ここで法の矛盾に突き当たる。犯人は、飛行機で飲酒をして、そのまま運転し、ひき逃げをするのだが、検察は、飛行機内で世話をしたCAに聴取する。15杯くらい飲み、ぐでんぐでんに酔っていたことがわかる。検察は、それでは無罪になるというので、それを隠そうとする。判事とも険悪になったりするわけだ。最終的には、3人も轢いて殺してしまったことへの反省の気持ちを引き出し、取引をするのだが、このドラマをみて、日本人ならそもそも納得できないものを感じるだろう。
日本なら、飲酒運転で事故を起こせば、それだけで有罪だし、まして意識がないほど泥酔して、3人もひき逃げしたら、かなりの重罪になるはずである。酔っていたので意識がなく、故意ではないから無罪だ、などと思う人間はまずいないといえる。しかし、アメリカでは、無罪なのだろうか。まさか、法の規定を無視したドラマを作るはずもないのだから、なんとも不可思議だ。 “law & order 飲酒運転と植物人間へのレイプ” の続きを読む
Law & Order どちらが殺したのか
第8シリーズ第4回は、非常に難しい、しかし興味深いテーマだった。
誕生日のプレゼントを贈るために、友人に安く売ってくれるように頼み、ニューヨークの夜の暗い場所で待ち合わせる。妻は夫と一緒にそこにいくのだが、嫌がり早く帰ろうというが、夫は、約束なので車から出ると、待ち伏せていたのは、「殺人をしてみたい」という若者で、いきなり車内にいた妻を撃って逃走する。夫は急いで病院に運ぶが、頭部を撃たれていて重体だ。車内には小さい女の子が乗っていて、帰宅したあと、両親が喧嘩していたと警察に告げる。誤解した警察は夫を逮捕するが、直ぐに誤認だったことがわかり、捜査の結果、若者3人の仕業だったことがわかる。最終的に、そのなかの一人が、殺人そのものに興味があって、撃ったことを突き止める。
助かることを期待していた夫に、脳死状態になったので、臓器提供をしてほしいという要請があり、夫はそれに応じる。
裁判が進行するなか、検察が、妻のカルテをみて奇妙なことに気づく。死亡時刻、死亡診断書を書いた医師、そして、臓器摘出の時間があいまいだった。そして、臓器摘出した時点では、まだ妻は生きていたのではないかと判断する。そして、それがやがて被告側にわかってしまうと、殺人罪を問えなくなるので、漏れる前に、司法取引に持ち込もうとするのだが、何かおかしいと感じた弁護士が、取引を拒否する。そして、証拠提出をせまり、検察が隠していたことを突き止め、殺人罪が成立しないことを主張する。 “Law & Order どちらが殺したのか” の続きを読む