ある意味非常に残酷な記事があった。
「「一緒にローテーションで投げるのは夢」グラスノーが絶賛 2年連続CY賞左腕スクーバルは「完璧にフィットする存在」」
https://thedigestweb.com/baseball/detail/id=106436#goog_rewarded
タイガースのエース、スクーバルがドジャースにくるかも知れないという情報があって、ドジャースのグラスノーがすばらしい、一緒にやれるのは夢だと語ったという記事である。元記事は12月16日付けの雑誌に掲載されたものだが、おそらくそのときには、スクーバルの移籍については、確定していなかったのだろう。
スクーバルは、来年にFAになるので、その前にタイガースとしてはトレードでだしたほうがよいという判断となり、トレードが噂されていたと同時に、ドジャースとしてはFAでとったほうがよいと、表向きは静観しているとされていた。なぜFAがよいかといえば、日本とアメリカ大リーグのシステムが異なり、FAは要するに選手個人が自由に球団と交渉する権利であり、FAとなった時点で、所属球団から除かれるのにたいして、日本のFAは交渉は、所属球団とほしい球団との交渉となり、新たに採用した球団は、見返りの選手をださなければならない。要するに、日本のFAシステムは、トレードと同じようなものなのだ。選手は自分がFAである球団に移ると、その球団から元球団にだれかが強制的に移らねばならないのだ。そこで、FAを行使しようという意欲が大分そがれる。まことに球団に都合のいいシステムなのだ。ところが、大リーグでは、トレードとFAはまったく違う。所属を変えたい選手は、抵抗なくFAを選択することができる。採用球団は見返りをだす必要がない。
そこで、ドジャースはスクーバルを来年FAで取りたかったというわけだ。
しかし、メッツが動いて、破格の条件でスクーバルを誘った。しかし、その破格の条件をスクーバルが断った。そのニュースが流れて、ドジャースが動き、メッツよりはるかに低い条件でスクーバルの同意をえた。しかし、それはトレードなので、見返りをださねばならない。当初予定した見返り選手をタイガース側が拒否したために、ドジャースは結局、グラスノーを見返り選手として、まとまった、というニュースが流れたわけである。まだ、真偽の確認はできないが、そのニュースが流れていることは間違いない。そして、それが本当だとすると、グラスノーにとっては、まことに残酷な話ではないかということだ。
私は大リーグの詳細は知らないが、ドジャースの有力な投手であるグラスノーだが、シーズンオフになると、たびたびトレード要員になるのではないかという噂が出ていた。その理由は、怪我が多いということらしい。ポストシーズンでは、ドジャースの先発4本柱がきちんと機能していて、グラスノーもその一人だったが、シーズン中は怪我でフルには働いていなかった。もっとも、フルにシーズン、ローテーションをまもったのは山本だけだから、とくに批判されることでもないし、また、やはりローテーションの柱の一人だと思われていたから、このように、トレードにだされてしまうというのは、アメリカはドライといっても、本人はショックだったのではないだろうかと思う。ドジャースにそのままいたいと思っていても、球団がトレードを決めてしまったら、契約上トレード拒否権がない限り、拒否はできないわけだ。一緒にやれればすばらしいと思っていたら、その人がくるのに自分は去らねばならない、やはり、残酷な話だ。救いは望まれているということだろうか。