前回は、子どものための対策を考えたが、今回は、教師のための対策と制度的対策を考えることにする。
教師は指導死の加害者であり、「教師のための」というのはおかしいのではないか、という感情もあるだろうが、いじめ問題の解決のためには、加害者のケアも必要であるように、指導死における教師のケア、特に指導死に至るような指導をしないで済む対策が必要である。
指導死をもたらすような指導を教師がしている場合、それは大きくふたつの要因が考えられる。
第一は、そもそも間違った指導観、厳しくすることが効果をあげる、いっても聞かない生徒は、力をもってわからせる必要がある、ミスをしたら徹底的に反復練習をさせる、等々の感覚をもっていることである。
第二には、そうした間違った指導観をもっていなくても、疲労などでいらいらしてしまい、感情的な指導になってしまう場合である。