毎日新聞5月9日(ウェブ版)に「金正恩氏「重体説」騒動、北朝鮮情報は何を信じるべきか」(米村耕一執筆)という記事が出ている。一読して非常に驚いた。ちょっと長いが、最初の部分だけ引用しておこう。
「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の健康状態を巡る騒動は、4月20日に韓国の北朝鮮専門ネットメディアが「心血管手術をした」と報じ、さらに同じ日に米CNNテレビが米情報機関も注視する情報として「手術後に重体」と伝え、5月2日の北朝鮮公式報道が金委員長の動静を動画や写真と共に公開するまで続いた。
「重体説」や途中から出た「死亡説」は誤りだったわけだが、今回は韓国ネットメディアに加えてCNNが報じ、さらに韓国で著名な脱北者が重体説を補強する発言をしたことで「信ぴょう性がある」との印象が広がった。北朝鮮の最高指導者の生死に関わる情報が、一定の信頼のあるソースから相次いで出された場合、私たちはどう受け止め、何を信じるべきか。それらが試されたケースだったともいえる。」
つまり、4月以来金正恩の死亡説、重病説がでていて、情報が錯綜したが、5月2日の北朝鮮公式報道によって、それらの誤りが正された。なぜ、そうした誤りが生じたのか、情報の吟味が必要なのだとして、以下、今回重病説等を出していた人たちの情報の出所の吟味をして、最後に、以下のように結んでいる。
「強力な情報機関を持つ米韓などの政府や、北朝鮮ならではの思考方式を熟知し、中朝国境経由で内部情報へのアクセスもある脱北者が、北朝鮮についてわれわれよりも正確で豊富な情報を持っていることは疑う余地がない。ただ、それぞれに限界や特有のバイアスがある。それらを踏まえながら、北朝鮮に関する情報や報道に接していくほかないことを今回、改めて認識させられた。」
ところで、最初の部分から致命的な欠陥がある文章だ。 “大本営発表を鵜呑みにしていないか、毎日新聞” の続きを読む