腰痛克服記1

 ここ3週間ほど、腰痛が起こって、その対策に掛かりきりになっていた。もっとも、いわゆるぎっくり腰というような、歩けないほどの痛みにはならずに済んでいたのだが、かなりの腰痛になった。腰痛といっても、いろいろな種類があるようで、最も多いのは、屈むと痛いのと、座っていると痛くなるものだ。私の場合は、完全に後者で、屈んでもなんともない。しかし、座っていると、ほぼ確実に痛くなって、そのままでは立てない感じだった。あくまで「感じ」であって、立てなかったかどうかは不明。というのは、無理して立つと、とんでもなく痛くなる、つまり、ぎっくり腰になってしまうとこまるので、まずは、痛みをとる動作をしてから立つようにしていた。
 腰痛というのは、高齢者の多くにおきるわけだし、現代人にとっては、生活スタイルに関わることだ。起きているときには、ほとんど座っている。私の場合には、パソコンに向かっているか、チェロを弾いているか、食事をしている。全部座って行なうので、とにかく座っている時間帯が長い。そして、10月に所属している市民オーケストラの演奏会がある。当日は、前後5時間くらいは、演奏のために座っていなければならない。それに耐えられるだろうかというのが、まず頭をよぎった。

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いまの女性宮家構想は、百害あって一利なし

 小室-真子結婚問題に区切りがつくと、いよいよ継承問題が焦点となり、現在の有識者会議では、女性宮家と旧皇族の復帰が最大テーマとなっているという。実に、ナンセンスで、小泉内閣からの後退が著しいが、ふたつとも、ほとんど意味のない対応だろう。
 旧皇族の復帰といっても、実際に復帰したいと考えている人は、ほとんどいないと、かつて報道されていた。盛んにこの復帰案を支持している竹田恒泰氏は、この復帰対象にはなっていないはずである。まさか、自分が皇族復帰したいから主張しているわけでもあるまいし、事実、そうではないと思う。この案は、小泉内閣のときに検討されて、現在の天皇家との共通の祖先は、ずっと遠く遡る必要があるということで、否定されたということだ。系統的にも意味がなく、また、当人がそうした意識をもっていないわけだから、決めても実効性があるとは思えない。旧皇族の男子と愛子内親王、あるいは佳子内親王と結婚させて、男系男子の子を生ませ、天皇継承権のある人を増やそうという考えをもっている人がいるらしいが、時代錯誤も甚だしいというべきだろう。

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野田聖子氏の夫の問題

 自民党の総裁選がヒートアップしているが、そのなかで、再度野田聖子氏の夫の問題がクローズアップされている。最初に問題になったのは、夫が、GACKTコインの企画会社と同席して、金融庁に圧力をかける感じで説明を求めたことを、朝日新聞が調査を始め、そのことを野田聖子総務相が、記者に漏らしたことだった。そして、週刊誌の文春と新潮が、野田氏の夫が、元暴力団員であったことを報じて、夫が提訴。文春に対しては勝訴したが、新潮に対しては敗訴した。そして、週刊新潮に関する判決のなかで、夫が元暴力団員であった事実を認定したわけである。
 さて、総裁選の活動のなかで、当然だが、この問題に対して、見解を求められた野田聖子氏は、自分は夫を信じている、裁判で、夫が暴力団員であったと証言した元組長を、偽証罪で告訴しており、捜査が始まっていると弁明した。野田氏が立候補すれば、必ず蒸し返される問題といわれていたが、事実そのようになっている。
 もちろん、裏の事情はわからないが、報道されている限りでの事実をもとに考えてみたい。

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オランダの水上オフィス

 オランダのロッテルダムに、水上オフィスが完成したというニュースを見た。FNNニュースが報じている。https://nordot.app/813256005040406528
 さっそくオランダのサイトをみてみたが、非常に興味深い。
 よく知られているように、オランダの国土の40%は干拓してできたもので、オランダ人の好きな言葉「地球をつくったのは神だが、オランダをつくったのはオランダ人だ」という言葉は、それを表している。人口の7割程度は、海面よりも低い土地に住んでいると言われている。オランダで、車に乗って海岸に近づいていくと、次第に坂を上っていくことになる。これは、まったく奇妙な経験だが、オランダという国の他にない特質だ。このことでわかるように、オランダ中にある運河(日本でオレンジラインがひかれた車道くらいの割合であると考えてよい。)は、海面よりも低いので、北海に向かって流れていくが、かつては風車で水をくみ上げて、少しずつ水面をあげて、北海までもっていく仕組みになっていた。今はモーターで調整しているが、こういう状況のために、オランダは、気候温暖化対策に最も熱心な国家である。温暖化で海面が上昇すれば、オランダの国土、特に人がたくさん住んでいる地域は、軒並み水没してしまうからだ。

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祝日が多すぎないか 自由に休めることが大切だ

 今週は、2日も祝日の休みがある。私は、かつての職場が大学で、退職前の数年間は、祝日でも授業をするようになっていたので、祝日がいつかという感覚が鈍っていたが、更に退職して、毎日が日曜日状態なので、その感覚は喪失したといってよい。しかし、さすがに、週に2日も祝日があると、異常だと感じてしまう。普段は、平日に行動することにしているのだが、それは、平日のほうが、あきらかに人出が少ないからだ。それで、昨日、ショッピングモルに用事ででかけたのだが、えらく人が多い。それで、ああ今日は祝日だったと思い出したわけだ。そして、そういえば、そろそろ秋分の日がくるはずだと思って、確認すると、木曜日が秋分の日で祝日だった。とにかく、21世紀に入ってからだろうか、あるいは、平成になってからか、やたらと祝日が増えた。そして、祝日が土日になると月曜日が休みになったり、あるいは祝日に挟まれる5月4日が休みになったり、とにかく、休日が増加した。大学は、曜日ごとに授業が決まっており、しかも、同じ科目は週1だから、月曜日が休みになることが多く、文科省の縛りがきつくなって、授業回数を確保しなければならないので、祝日授業が普通になったのだが、特に月曜日は、休日なのに授業ということが多くなっていた。

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大谷翔平の不調 死球と四球

 大谷が明らかに不調に陥っている。張本によると、ボールの待ち方、その際の足の使い方に問題があるそうだ。そういう専門的技術については、よくわからないが、大谷が不調になっている原因については、十分にわかるし、多くの人が感じているにちがいない。それは、四死球の多さである。申告敬遠の多さについては前にも書いたが、とにかく、大谷との勝負を避けている投手が非常に多くなっている。ストライクが来ないから、どうしても、打てそうなボール球に手を出してしまい、凡打になるパターンだ。まあ、ホームラン打者への四球の多さは、日米変わらないだろう。王貞治は、オームラン王だったが、同時に圧倒的に四球王でもあった。最近の外国人がホームランをたくさん打って、四球が多くなると、自分は外国人だからホームラン王にならせたくないのだ、王さんとはちゃんと勝負していたのに、というようなコメントをするが、それはまったくの間違いだ。王は日本人ではないし、また、王の四球の多さは、近年の外国人のホームランバッターの比ではなかった。

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皇室離脱の自由をもっと認めるべき

 真子内親王の結婚が間近に迫っていると報道されている。それにあわせて、小室圭氏が緊急帰国するとも。正式発表がないので、すべては憶測記事であるが、いくつもの疑問点がでている。
・小室圭氏がアメリカの大手法律事務所に就職が内定したとされるが、本当か。
・一時金を辞退しているというが、本当か。
・すべての皇族結婚に際して行なわれる皇室行事をしないで、結婚するというが本当か。
・婚姻手続き、パスポート、ビザ申請のために、一時マンションで生活するというが、本当か。その際の生活費用、警備費用は誰が出すのか。手続きは本人がやるのか。
・小室圭氏、真子内親王は記者会見をするのか。
 すべては、実際にどうなるのかわからないが、最近の報道で驚いたのは、アエラの記事だ。なぜ小室氏が帰国するのかは、国民への説明などではなく、真子内親王が強く希望したからで、その理由は、「新天地である米国へはおふたりそろって旅立ちたい、とお考えです」ということなのだそうだ。もっとも、匿名の人物の談話だから、真実はわからないが、本当だとすれば、どこまでわがままな苦労なしなんだろうと、感嘆してしまうほどだ。https://dot.asahi.com/dot/2021091700091.html?page=1

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自民党総裁選の争点 脱原発こそ最重要な争点だ

 自民党総裁選の候補者が出揃い、いよいみこれから論戦が開始される。そして、次第に、それぞれの政策が明らかになりつつあるようだ。議論していくにつれて、支持母体との関連で修正がなされていくと思われるが、やはり、基本的な部分については、 ぶれないでもらいたいものだ。そして、自民党総裁は、ほぼ確実に総理大臣になるわけだから、国政の基本方針を闘わせる場でもある。そういう意味で、やはり重要な政策についての論点こそが、浮き彫りになる必要がある。
 もっとも中心的な政策は、経済とエネルギー政策だろう。

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日本は本当に能力主義社会か9 中教審46答申の検討2 高等教育

 かつて文部省は、高等教育の内容については、ほとんど口を挟まなかった。中心は初等教育と中等教育だったのである。その伝統は、この46答申でも、完全には払拭されていない。1960年代の末に、大学紛争が荒れ狂い、東大と東京教育大の入試が中止となる事態にまで発展していたために、大学管理に関する臨時措置法で、大学管理に強い介入を行なったことから、次第に大学への政策的関与を強めていく傾向は生じていた。この46答申でも、わずかに積極的な提言がみられ、実現されたものもあった。
 しかし、最初に提起される高等教育の多様化政策は、現存の高等教育の種類をそのまま追認したものに過ぎない。以下のように分類するというのだ。
 第1種の高等教育機関(大学) 3~4年程度  総合領域型・専門体系型・目的専修型
 第2種 (短期大学) 教養型・職業型
 第3種 (高等専門学校)゛ 
 第4種 (大学院)3年程度の高度の学術の教授と社会人への再教育
 第5種 (研究院) 博士の学位にふさわしい高度の学術研究
 それまでは、ほとんどの場合大学院修士課程のあとに博士課程が続く制度だったが、最初から修士(大学院)と博士(研究院)を分けた制度を構想した点が新しいが、しかし、実際にそのように改変した大学院は、少数だった。
 

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鬼平犯科帳 作者晩年の衰え? ふたりの五郎蔵

 最近、鬼平犯科帳について、あまり書かないが、自分としては毎日親しんでいる。毎日のジョギングのときに、だいたい一話ずつ、録音バージョンを聞きながら走る。毎日なので、当然、何度も繰りかえしており、録音のある話は、完全に頭に入っている。そうすると、やはり、多くは何度聞いても面白いのだが、なかには、聞けば聞くほど、話の展開に不自然さを感じるものもいくつかある。それは、晩年に書かれたものに多い。やはり、高齢になると、すく雑な筋の流れに、矛盾なく、しかも巧みな展開を持ち込むのは、難しいのかも知れない。文庫本の24巻目は、とりあえず長編の形で進むのだが、一話ずつの関連は弱く、その話のなかでの展開にも無理を感じるものが多い。そして、途中で作者が亡くなったために、ここが絶筆という断り書きがはいるのである。つまり、死亡する直前に書き進めていた物語ということになる。それはすごいことなのだが、どうしても気になるのは、「ふたりの五郎蔵」という話だ。前に少し書いたのだが、今回、すべて書き出してみようと思った。物語をずっと振り返りながら、どこに矛盾や不自然さがあるのか、池波正太郎氏が元気なら、どんな展開にしたかを考えてみた。

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