統一教会のマインド・コントロールにかかるひとたちの不思議

 統一教会問題がクローズアップされて、本当に不思議だと思うのは、信者の意識だ。信仰が内面的な救いということではなく、先祖の悪行を払うために献金が必要だという論理に、自身の大金を投じるだけではなく、家族のお金にまで手をだし、また、他人に法外な値段で壺等を売りつける。そして、それが心底救われるために必要なのだと信じきっているという。
 合理的に考えれば、サタンとか神などは存在しないし、先祖が悪行をしたとしても、今生きる子孫たちに何ら影響を与えることなどない。そして、そうしないと地獄にいくと脅されて、地獄にいかないために、そうした自分、自分の家族、そして友人を破滅させるような行動に駆り立てられる。そして、そういうひとたちは、とてもまじめなおとなしい人なのだという。確かに私の知る限り、統一教会の信者は、おとなしくまじめな人である。人を不幸にするために、献金したり、お金をむしりとったりするような人ではないと思われるひとたちだ。

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教科書選定不正から考える3 社会科教科書

 今回は社会科の教科書について考えてみよう。
 以前にも、社会科だけではないが、新しい形の教科書について考えたことがある。「デジタル教科書に必要なこと」
 
 定型的な教科書が、社会科にとってはむしろマイナスになっている理由は、いくつかある。
 社会科の教科書は、常に政治的な争いの対象となってきた。そして、教科書訴訟という裁判ざたまで起き、しかもかなり長期に渡った。社会に様々な対立がある以上、社会を学ぶ教科においては、その対立が持ち込まれることは避けられない。どのようにそうした対立を、教育のなかで扱うのが適切なのか、その点についても、また対立があるのが実情である。

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エンジンブレーキ(オートマ)の使い方は同じではない

 昨日2週間弱の旅行から、無事帰宅した。四国を経て九州をまわり、北陸経由の自動車の旅だったので、無事帰ることができてほっとしている。実は、出かける前に不安なことがあった。それは、先日起きたバスの横転事故である。まだ真相はわからないようだが、坂道を長くおりる道路だったので、ブレーキの踏みすぎで、フェード現象が起きたのではないかとされている。私の住んでいる付近は、めだった長坂などはないので、普段気にすることはないが、さすがに九州までの旅では、途中坂が多いので、事前に車を点検にだし、その際エンジンブレーキに関してのチェックをしてもらい、また正確なかけ方を教えてもらった。というのは、何度かエンジンブレーキをかけたつもりなのだが、あまり効かないように感じていたからだ。妻の車は、ハイブリッドなので、エンジンブレーキをかけると、確実かつ強力にかかる。ところがガソリン車である私のは、どうもかかりかたが弱いのだ。車を購入したときに、教えてもらった方法のはずなのだが、あまり効かない。

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教科書選択の不正から考える2 国語教科書は不要

 具体的な教科について考えてみよう。
 極端にいえば、算数(数学)と理科以外の教科書は、原則不要だと考える。特に、国語と社会は、教科書なる印刷物はないほうがよい。国語を例にとって、現在の教科書制度が、いかに学びを歪めているかをあげてみる。
 国語の教科書には、有名な文豪の文学作品や、優れた論文や説明文が掲載されていると、一般には思われている。それは間違いないが、実は、少なからぬ書き換えが行われているのである。どうして、そんなことが許されるのか。

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教科書選択の不正から考える1

毎日新聞が、精力的に、教科書選定に関する不正行為について報道している。
 要するに、4年に1度の教科書選定の際に、賄賂を贈ったり、接待する不正行為があったということだ。教科書を選定する委員を聞き出す、委員に働きかけるという選定そのものにかかわる点と、教科書作成過程に、現場の教師たちに意見を聴取するかたちで謝礼をするなど、いろいろな手口がある。
 しかし、現場の教師に意見を聞いて、その謝礼をするなどということは、別におかしなことでもないし、禁止するようなことなのかという考えのひともいるだろう。そして、教科書選定にかかわる不正行為は、今に始まったことではなく、現在の教科書検定・制定制度ができて以来、ずっと起きていることである。また、検定制度のないアメリカなどでは、別の教科書をめぐるトラブルがある。国民教育制度のなかで、決められた教科書がある限り、なんらかの形で、世間から批判されるような事態が起きることは不可避なのかも知れない。しかし、だからといって、放置してよいことではない。

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ハロウィン事故に思う 誰に責任があるのか

 韓国ソウルの繁華街イテウォンで、群衆雪崩といわれる現象によって、150人以上が亡くなり、日本人女性2人も含まれている。ハロウィンで集まった人々が、狭い路地に双方から多数移動し、動きがとれなくなったひとが圧死したという。似たような事故は、2001年の兵庫県明石市での歩道橋でも起きている。こちらの死亡者は11人だった。
 いずれの事故でも、あとで警備体勢の不備が指摘された。確かに、こうした事故が起きる以上、警備が万全でなかったことは間違いないが、事前に、どの程度の人数が繰り出されるのか、どこにどういう形で集中して、危険な状態になるのか、もし、危険な状況になったときに、どのような対策がありうるのか、等々について考えてみると、万全な対策は、かなり難しいのではないかと思わざるをえない。そして、責任は、決して警備態勢、つまり主に警察だけではなく、他にも負うべきところがあるように思われるのだ。

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何をしたいのかわからないのは、岸田首相だけか

 岸田首相に対する批判は、いろいろとあるが、「首相として何をやりたいのかわからない」というのがある。たとえば、白井聡氏による「背後に隠れているエースの専制、岸田政権を総括する」である。
 題名は「背後に隠れている」となっているが、本文を読むと、隠しもしないで「財務官僚」の専制になっているという趣旨だ。そして、そのなかで、「何をやりたいのか」わからないことが指摘されている。
 自民党の二世・三世議員が、首相をめざすのは、明快な理由がある。「首相でいること」自体が目標であり、その前は、「議員でいることが目的」であった。彼らは、父親の地盤を引き継ぐことが目的であり、そのことによって、何を実現したいかは、問われたことがないのではないだろうか。その典型が安倍元首相だった。安倍首相の「お友達優遇」政治は、お友達こそ、自身の政治的地位保全のために役立つ存在だから優遇する。逆に、自分に刃向かう者は、党内での実力ある政治家であっても、排除する。(現職議員であるが、安倍首相に辛辣の発言をしていた溝手顕正を落とすために、河合案里を立候補させ、更に巨額な資金を河合陣営に注入して、河合克之法務大臣を巻き込む汚職事件が典型)

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熊本城の復元

 旅行記録を休みにしていたが、四国から九州にやってきた。九州の旅が、今回の目的であった。妻が九州の出身で、しかも、義務教育の期間に、9回も転校したために、その足跡を確認しておこうということだった。しかし、そうした私的な部分は、より一般的な意味をもつ場合だけ書くことにする。
 九州にわたって3日目に、熊本城をみた。私は、高校生のときに修学旅行で熊本城を訪れ、天守閣を最上階まであがったことを、はっきりと記憶している。途中に甲冑などが展示されていた。また、天守閣は、意外と小さい建物だというのも、そのときの印象だ。今回、ぜひ熊本城を訪れたいと思ったのは、やはり、その修復の進み具合を見たかったからだ。
 
 日本の建築物は古いものが多く残っているが、それは極めて幸運に恵まれたからで、なんらかの理由で消滅してしまった建築物のほうが圧倒的に多い。藤原頼通の平等院は残っているが、父道長の法成寺は鎌倉時代に消失したとされる。近い時代では、江戸城は度々の火災にあい、天守閣は再建されずにきた。地震で倒れた建物も大いに違いない。

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死んだ安全保障理事会をどう再生させるのか プーチン退場後のロシア

 ウクライナ戦争の終了の形がどうなるかは、まだ未確定であるが、何を準備しなければならないかは、ある程度明確である。国際組織の創設には、長い準備期間が必要となる。国際連合は、1945年に発足したが、その準備は1941年の太西洋憲章にまで遡る。それは、国際連盟が第一次世界大戦後、特にナチス政権が登場してから、国際問題の処理がほとんどできなくなり、無力化した反省を踏まえて、長い準備過程を経て成立したものである。レーニンは、「第二インターは死んだ」として、コミンテルンを創設したように、実質的に死んだ国際連盟に変わって、連合国が国際連合を創設したのだが、現在でも、国際連合は実働しているとはいえ、中心的な安全保障理事会は死んだも同然であろう。
 常任理事国であるロシアが、国連憲章が禁ずる行為を公然として行い、国際連合加盟国の大多数の見解が非難をするような状況であるのに、ロシアが拒否権を行使するために、国連としての対応が不可能になっている現状は、「安全保障理事会は死んだ」というべきである。安全保障理事会そのものを撤廃する選択もあるが、ロシア一国が、傍若無人に振る舞っているのだから、ロシアを排除することによって、理事会の再生を図るのが、まずはベストの選択だろう。その件について考えてみるが、そのためには、ウクライナ戦争の終結の仕方を考えねばならない。

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小室圭氏が司法試験合格?

 小室圭氏がニューヨークの司法試験に合格したそうだ。とりあえず正式に通知されている。ただ、単純にめでたいことだとはいえないというのも、正直なところだ。本当に正規に合格したのか、あちこちで疑いももたれている。
 これまで多額な税金が、小室夫妻に投入されていることは、否定しようのない事実であるといえるが、この合格によって、本当に自立した生活をするようになれば、大いにけっこうだが、そうなるのかは、まだ未知だ。生活費などの援助はなくなるのだろうが、過剰な警備や、家事等を担当する職員の派遣などをやめるのかどうか。彼らや、彼らを取り巻く周囲のひとたちが、相互に利用しあう関係である以上、なんらかの利権が蠢くことになる。

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