いわゆる「新幹線殺人事件」に対する判決があった。無期懲役だった。殺人犯のあまりの身勝手さと、まったく罪のない無関係な人を、自分が「無期懲役刑」を受けるために殺害し、かつ、まったく反省もしておらず、むしろ、誇っているかのような発言を繰り返してきたことに対して、おそらく、多くの人は、死刑が求刑され、その通りになるだろうと考えていたのではないか。私自身は、その可能性はあまり高くないとは思っていたが、しかし、私が裁判員だったら、無期懲役には疑問を表明したと思う。求刑以上の刑罰というのは、ほとんどないわけだから、賛意はえられないとは思うが。
既に、判決への疑問は出されている。その思いは、「疑問」を感じる人には共通だろう。被告の言明や態度は、あまりに酷すぎる。そして、一生、刑務所で楽に生活していたい、ということを明言もしている。更に、有期刑で出所したら、再び殺人事件を起こすとまで公言しているのだ。殺害が一人で、初犯であれば、余程のことがない限り死刑判決はないということを、予め知った上での犯行でもある。
こういうことを、被告の思惑通りにしていいのだろうか、ということは、誰もが感じたことだろう。 “新幹線殺人事件無期判決について やはり納得できないものがある” の続きを読む
次々に出てくるセブン-イレブンの問題
セブン-イレブンの問題が今年はずいぶんと出てきた。他のコンビニも同様なのかはわからないが、セブンのやり方には、特に以前から疑問をもっていた。最初は、娘が大学に入ったときに、近くのセブンにバイトの申し込みに行ったときのことだ。もうずいぶん前のことだ。
面談から帰った娘は、セブンでのバイトはしないと即座に言った。それは、途中でやめた場合には、解約金を支払う義務があるということを聞いたからだ。期間と、その額は忘れてしまったが、たぶん、1年以内で2~3万くらいだったと思う。大学に入ったばかりで、バイト経験などはなかったのでびっくりしたろうし、私たち親も驚いた。期間と額については多いに疑問だが、直ぐにやめられては困るという事情はわかる。というのは、コンビニのレジは、かなり大変な作業で、レジ打ちも単に金額を打って、レジの計算にまかせているわけではなく、客層の判断などもあるし、また、配列されているさまざまな商品を、かなり正確に頭にいれておく必要がある。とくに大変なのが、煙草の銘柄を憶えることだそうだ。煙草を買いに来た客に、またせずにすばやく注文の煙草をとってくるというのだけでも、かなり大変のようだ。もたもたしていれば、怒鳴られるだすろう。そういう作業をしっかりと教える必要があり、憶えてもらうまでには、それなりの時間とコストがかかるのだろう。だから、そうそう簡単にやめられてはこまるのも確かだ。 “次々に出てくるセブン-イレブンの問題” の続きを読む
『教育』2020年1月号を読む インクルーシブと特別支援を深く知る
大分『教育』の読後感を休んでしまった。また、できるだけ頻繁に書くようにしたい。
さて、今回は、特集1が「インクルーシブと特別支援を深く知る」となっている。私は、特別支援教育の専門家ではないので、これまで、いろいろと勉強したり、また、特別支援学校の授業を見に行ったりしてきたが、依然として、よくわからないというのが正直なところだ。記述式問題を出すのはいいが、50万人もの答案をわずかな期間で採点できるのか、というようなことと、似た困難が、現場には無数にある。大学を卒業して教師になったとき、ほぼ全員が直面する事態が、教室のなかにいる障害をもった子どもを、どう教育したらよいのかわからず、暗中模索するという点である。ベテランになったから、充分にできるようになるというものでもない。多くの場合、介助や支援をしてくれる人がついているわけではないから、常識的にイメージされる「授業」は不可能になっているわけだ。「ともに学ぶ」という理念はいいことだろうが、それを保障する条件がないままに実行すれば、現場を預かっている人が、とにかく苦労する。そういう実状が、かなりあることは、誰も否定できないだろう。 “『教育』2020年1月号を読む インクルーシブと特別支援を深く知る” の続きを読む
松坂が今でもレッドソックスに嫌われているという記事
12月12日のJBpressに「西部復帰の松坂大輔が今もRソックスに嫌われる理由」という文章が載っている。ここに書かれている内容については、私は多くを知らなかったが、日本のメディアの松坂に対する甘い評価については、日頃から疑問に感じている。
まず記事の内容を紹介しよう。執筆は、臼北信行氏である。
古巣の西部に復帰して、松坂は覚悟を決めているのだろうと書いたあと、日本復帰後は一年を除き、散々の成績だったことを確認する。そして、大リーグでは活躍したと、多くの日本人が思っているが、実はレッドソックスでは、ヒンシュクをかっていたし、成績も期待されていたほどではなかったと書く。一見いい成績だったシーズンもあるが、統計的評価では、運と味方の援護に大きく助けられたとして、四球が多く、味方もいらいらしていた。2シーズンのあとは、けがや手術で10勝をあげられたシーズンがなく、松坂の獲得は失敗だったと評価されているのだそうだ。
そして、何よりも、評価を落としたのは、日本人スタッフが付きっ切りで、同僚たちとあまり交流もせず、同僚が近づくこともできなかったらしい。 “松坂が今でもレッドソックスに嫌われているという記事” の続きを読む
小中学校2学期制再ブレーク?
12月14日毎日新聞に「小中学校・2学期制、再ブレーク? 「通知表3回もらえぬ」不人気一転… 年35時間増、授業確保に有効」という記事が載っている。働き方改革が進むなかで、新学習指導要領で増加した授業時間数をこなすには、2学期制のほうがよいということで、人気が復活しているという記事である。何故、授業時数を増やせるか、働き方改革になるかというと、始業式、終業式、通知表の回数を減らすことができるということのようだ。
これまで、通知表を夏休み前にほしいという保護者の要望があり、2学期制は不人気だったのだが、現場で望む声が多くなっているということだろうか。文科省によると、2018年度では、小学校19.4%、中学校018.6%が2学期制だが、記事によれば、来年度からはもっと増えるということだ。
しかし、働き方改革をしようという姿勢はわかるが、すっきりしないものを感じる。 “小中学校2学期制再ブレーク?” の続きを読む
福岡妻子殺人事件判決について
2019年12月13日に、2017年6月に福岡県小郡市で起きた母子3人が殺害され、夫(父)である中田充被告が犯人とされた事件に、死刑の判決がくだされた。被告は即日控訴したということだが、極めて難しい事件で、本当に死刑が妥当なのかという疑問もわく。私は犯罪の専門家ではないが、裁判員制度が導入されたということは、市民の感覚を重視するということだろうから、考えを述べることにした。
念のため、事件発生からの毎日新聞記事を検索してみた。判決全文がネットで読めるようになったら読んでみたいと思う。それぞれの論点に、双方がどのように詳細に言及しているか、新聞記事だけではわからないので、憶測部分が入るが、各論点について検討してみたい。
警察が公開している犯行は、「充被告が妻を絞殺し、自殺を偽装するために、ライターオイルで火をつけた。髪の毛の一部が燃えた。その後子ども二人を絞殺して、家を出た。犯行を隠すために、妻に電話を数回した。学校から子どもの不登校を知らされ、妻に電話したが出ないので、妻の姉に確認を依頼し、姉が死体を発見、被告に連絡。被告は、「自殺している」と110番があったと虚偽の報告を警察にした」というものである。 “福岡妻子殺人事件判決について” の続きを読む
日本もホームドクター制の導入を考えていいのではないか
『プレジデント』2020年1月号に、「病院消滅の夕張で、心疾患と肺炎の死亡率が低下した理由」という記事が載っている。元夕張市立診療所所長の森田洋之氏のインタビューに基づく記事である。周知のように、夕張市は、市として破産したわけだ。もちろん、市が破産しても、無くなるわけではないし、また、倒産するわけでもない。財政や行政が、国の管理下におかれ、財政支出の削減を強いられることになる。その一環として、総合病院が無くなり、いくつかの診療所があるのみとなった。171床が19床になってしまったそうだ。そして、多くの患者があぶれ、適切な医療を受けられないようになると危惧されたが、実際には、その逆だったというのである。森田医師の話によると、「日本人の主な死因であるガン、心疾患、肺炎の死亡率は、女性のガンを除きすべて破綻後のほうが低くなっている」という。その理由が、プライマリーケア中心の医療にシフトしたからだと、森田医師は分析している。
プライマリーケアとは、地域のかかりつけの医師が、予防から看取りまで行い、必要な場合のみ専門病院を紹介するというシステムである。夕張市では、綜合病院が消滅してしまったので、そうせざるをえなくなったわけだ。入院や手術が必要な場合のみ、札幌の病院にまかせるようにしたのだそうだ。
その結果、無理な治療が減り、死因も老衰が多くなった。 “日本もホームドクター制の導入を考えていいのではないか” の続きを読む
中村哲さんの死を考える
中村哲さんは、真に日本としての誇りであり、また、世界の平和活動としても優れた典型を示していると思う。しかし、原因はいまだにわからないようで、新聞報道では、原因に切り込むような記事があまり見当たらない。そういうなかで、ふたつの文章が掲載された。
ひとつは、2019年12月6日付けの「人道支援の医師はなぜ狙撃されたのか」という伊東乾氏の文章(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58502?pd=all)と、12月11日付けの「アフガンの農業から考える中村医師殺害の本当の理由」という川島博之氏の文章である。(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58527?pd=all)
伊東氏は、何一つ悪いことをしていない中村医師が殺害されたのは、不可解であると書きながら、「同時に、そうでない現実もかいま見てしまった経験がある」から、どうしても書かねばならないということで、書いたとされる。そのかいま見た経験とは、2008年にルワンダ共和国の招きで参加した「ジェノサイド再発予防」のセミナーでの経験だそうだ。そこで、ルワンダの悲惨な経験を知ると同時に、ヨーロッパからの援助が、役に立っていない側面を見せつけられ、上からの援助という意識への疑問を感じたということのようだ。 “中村哲さんの死を考える” の続きを読む
通常のサービスがされなかったときの対応を考える
先日、昼食を食べにいったら、何度も食べたカレーライスが、通常はたくさんの野菜や肉の具が入っているのだが、ほとんど入っておらず、ルーだけのカレーだった。それは、そのときの鍋の最後の残りだったからで、おそらくその前に具をよそってしまっていたのだろう。直ぐに次の鍋がきたので、どうするか見ていたが、店員は知らんぷりしていた。クレームを付けようかとも思ったが、あまりクレーマーにはなりたくないので黙っていた。ちなみに、越谷市の「半田屋」という、自分ですでに並んでいる料理をとってきて、カレーなどはその場でよそってくれるという方式の店だ。
2,3年前のことだが、もう少々悪質なこともあった。柏の「フォルクス」というレストランだが、夫婦で入って、それぞれ注文したのだが、私の注文が早くきた。そして、食べたら、肉が固く冷たいのだ。食べてしまってからわかるわけだから、まあ、そのときも我慢して食べた。もともと味にはあまりうるさくないほうなので、別にまずくて食べられないということはない。しかし、明らかに、何らかの理由で、前に注文した同じ品物が、出されなくなって、置いてあったものを使ったとしか考えられない。さすがにこのときには、「使いおきの料理を出しましたね。」と支払いのときに言ってみたが、「そんなことはありません」との回答だった。とすると、フォルクスは、冷たく固くなった肉料理を出すレストランなのか。もちろん、他のときには、そんなことはない。
別に、ふたつの店のサービスの悪さをあげつらうために、書いているわけではない。実は、当初予定されているサービスが果たされないときに、どのように対応するのか、それが、けっこう多様なのだ。それを少し考えてみたいと思った。 “通常のサービスがされなかったときの対応を考える” の続きを読む
問題起こした人が「改善案」を作るのか? 「桜を見る会」
国会の延長を回避し、強引に閉会にした安心感があふれた安倍首相の記者会見だった。これで、逃げきれたと思っているのだろう。あきらかに「逃げ」だった。そして、批判があることは承知しているので、「私の責任で」改善案を作るのだそうだ。同様の趣旨のことを、管官房長官もいっていた。しかし、それはおかしくないだろうか。安倍首相や管官房長官は、伝統的に、おそらく「きちんと」行われてきた「桜を見る会」を、自分の利益のために私物化した張本人ではないか。悪用した人間が、悪用したシステムを、正しい方向に改善するなどということを、信じることができるだろうか。ありえないことだ。きちんと第三者委員会を作って検討してもらう、というのが筋だろう。
何故、そうしないのか。それは、第三者委員会を設置したら、当然資料等を提出しなければならない。そうしなければ、適切に検討することができない。しかし、資料を渡したら、私物化の実態、あるいはもっと酷い状況が、明るみに出てしまう。そんなことは絶対にさせないというので、「私の責任で」になるわけだ。そうして、廃棄などしているはずがないデータが出てくることを押さえ込もうとしているのだろう。 “問題起こした人が「改善案」を作るのか? 「桜を見る会」” の続きを読む