今回は指揮者のギド・カンテルリである。指揮者は、他の楽器のように、10代でデビューし、20代ではほとんどトップグループにいる、などということは、けっしてない音楽家たちである。30代で本格的な指揮活動を始められる人が極めて少なく、それにはかなり優秀でなければならない。だいたい、50歳くらいまでは若手とみられ、60代が中堅、70を超えると大家と受け取られる。なんといっても、100人の、しかも多様な楽器群の演奏家たちを指揮するのだから、音楽的に優れていないと問題にならないだけではなく、楽団員に尊重される人間的雰囲気がなければならない。50代くらいまでは、年上の団員がたくさんいるし、なかには音楽学校で指導をうけた先生がいたりするわけだ。ところが、70代になると、そういう団員は定年でいなくなるし、音楽学校の教授たちも引退している。そして、だれよりも長い経験をしているので、おのずと指導・指揮に従う雰囲気がでてくるものなのだ。
奇怪な事件が次々 札幌首なし殺人解決?
私は、推理小説や刑事ドラマが好きだが、実際の事件は好きではない。当然のことだが。いやな事件がおきるたびに、憂鬱になる。それにしても、札幌のホテルでおきた首なし殺人事件には驚いた。この事件には、あまりにも通常の生活とは異なる要素が多くて、私などには、リアルに想像することができないほどだ。まだ、今でもあるのかというディスコのパーティが、最初の舞台だった。被害者がディスコパーティで目立つような感じで踊っていたという。そして、加害者とみられる人物とホテルにいき、つれは早めに退出し、もう一人、つまり被害者がチェックアウト時間になってもあらわれないので、見に行ったところ、死んでいたというのである。そして、どうやら犯人は女らしいということになった。いくら60代とはいえ男性を、女性が殺害して、首を切断することなど可能なのだろうかと思ったが、今日、容疑者が逮捕されて、さらに驚いたのが、共犯として父親が一緒に逮捕され、しかも、その父親は医師だという。その医師は、ホテルにはいったわけではなく、車で送迎したのだということだ。
プーチンは認知症?
プーチンはこれまで、いろいろな疾患を罹っているとされてきた。パーキンソン病、がんなどである。そして、今度新たに認知症ではないかという記事がでた。「相手の発言中に上の空、話し方も…プーチン大統領、「会談中の異変」を受けて「認知症」説が再燃」
だいたい政治家の健康状態は、トップシークレットといわれていて、通常発表されない。持病が悪化して、検査にいってきた、などとわさわざ撮影させたりしていた安倍元首相は、だから逆に仮病を疑われるわけだ。私も、安倍氏の、少なくとも2度目の退陣は仮病だと確信している。
今回の記事には、別のニュース(ロシア語)がリンクされていて、そこには、この記事で紹介されている「映像」がみられるようになっている。ロシア語なので内容はさっぱりわからないが、たしかに、記事のように、普段の早口の自身たっぷりのプーチンではない。ゆっくりと話しているし、内容的に勘違いがあるらしい。話し相手の人が子どもが23歳であるといったのに、3歳と繰り返したとか。ただ、そんなことは、いくらでもあることで、20を聞き漏らしただけのことかも知れない。
大谷をトレードで獲得するとは考えにくい ドラフト・トレードを考える
スポーツ関係のニュースでは、大谷のトレードが毎日話題になっている。大谷をトレードにださないのは、罪だ、というような論調の記事すらある。しかし、常識的に考えて、現時点で大谷をトレードで、ほんとうに獲得しようとする球団などあるのだろうか。藤浪のトレードはわかる。もともと、給料のやすいチームだから、トレードでも見返りがそれほど高い人材を求められるわけではない。そして、当初は、最悪の投手とまでいわれたのに、以外と実力がありそうだ、というような選手だから。もっとも、まだまだ不安な投手だと思うのだが。
しかし、大谷の場合には、獲得するといっても、かなりの見返りが必要だが、今年のシーズンが終わったら、FAになるわけだ。そこで、他のチームを選ばれてしまったら、大量の見返りを放出してやっとトレードで獲得した大谷がいなくなってしまうわけだ。トレードは本人の意思とは無関係だから、生きたいチームにいくわけではない。しかし、FAは、自分が生きたいチームを選択することができる。つまり、トレードで獲得しようとしても、かなり大きな危険性をおかすことになる。少なくとも私がオーナーで、獲得するかどうかを決める権限をもっているとしたら、トレードは考えず、FAで獲得するために全力をつくすだろう。多くのチームの責任者は、同じように考えるのではないだろうか。騒いでいるひとたちは、多くがスポーツジャーナリストであって、経営者ではないだろう。
しかし、トレードというのは、不思議なシステムだ。ドラフト、トレード、FAという3種類の選手獲得・移動の手段があるが、選手本人の意思が主体となるのは、FAだけで、ドラフトとトレードは、選手本人の意思は考慮されない。
苦境のウクライナと卑怯なアメリカ
次第に、少しずつ成果をあげているとはいえ、ウクライナはやはりかなり苦しい展開だ。大攻勢をかければ、ロシアは大敗北をきっして、退却するなどと考えていた人がいるのかも知れないが、現状の形態では、そんなことはありえない。ロシアは勝てない、しかし、長期戦に持ち込めば、次第にロシアに有利になっていく。来年まで決着がつかなければ、バイデンが大統領選で勝利する可能性はかなり低くなるにちがいない。最悪トランプがでてきたら、ウクライナにとっては、完全に悲劇だ。もっとも、トランプ以外の共和党であれば、そうはならない可能性もあるが。
さんざん書いてきたことだが、ウクライナが比較的早期にロシア軍を追い出すことは、そのための兵器が準備されれば、可能なはずだ。それは、ロシア軍の兵站を、ウクライナ領内はもちろんのこと、ロシア国内の兵站基地、軍事基地まで含めて、数百キロ以内のものは、徹底的に攻撃破壊できる兵器を、ウクライナに供与すればよい。兵站を徹底的にたたき、補給ができなくすれば、侵略軍は撤退せざるをえない。そういうことは、古今東西を通じての軍事的初歩だ。だから、ウクライナは、そういう兵器を強く要求してきた。兵站をたたく作戦であれば、ウクライナ兵の死傷者はほとんどでないし、また、ロシア兵にしても同じだ。ウクライナとしては、侵略軍を追い出せばいいのだから、派手な戦闘をして勝利する必要はないのだ。長距離ミサイルと戦闘機。これにつきる。
高齢者優遇政策ってほんとうか?
私もとうとう後期高齢者になってしまった。そして、一月後、市から封書がとどいた。市からの封書などは、まあろくなものはない。だいたい税金関係だ。そして、案の定、税金関係の書類だった。後期高齢者保険証というのがあるのだが、私はまったく知らなかったのだが、実はこれに、特別の保険料がかかるというのだ。もちろん、定年退職しているので、国民健康保険になっており、先日保険料を納めたばかりだ。さらに、後期高齢者健康保険の保険料が必要だというのである。しかも、通常の保険料より高額なのだ。びっくりした。たしかに、後期高齢者になれば、医療機関を利用することも多くなるだろう。しかし、それは通常の国民健康保険で充分だ。なにか特別に後期高齢者健康保険でなければ対象とならない疾患でもあるのだろうか。そもそも私は、ほとんど医療機関を利用しない。昨年は一度も病院にいかなかった。今年になって、目がかなり充血したし、目を酷使しているので、眼科にいったが、ごく簡単な治療で、目薬をもらって終わりだ。
「鬼平犯科帳」のベストは4
前回までで4つのベストをあげたので、今回は最後の5つめだ。かなり迷ったのだが、「おかね新五郎」という作品を選ぶことにした。これは、盗賊団を相手にした物語ではなく、また、平蔵のあまり好ましからぬ過去が関係しているもので、なかなか考えさせるものがある。
おかねは、昔ながしの売春をしていた女だが、平蔵と同じ高杉道場に通っていた原口新五郎と互いに愛しあっており、子どもができたが、おかねのほうが、新五郎の迷惑になると思って身をひいてしまい、子どもができたことを新五郎が知らぬままだった。
あのとき、平蔵がおかねが行くのをみかけ、あとをつけていくと、おかねは弥助という人物をおいかけており、包丁で切りつける。とっさに平蔵も飛び出そうと思うが、実は平蔵をおってきた武士が切りつけたので、それで手間取ってしまい、浪人をきって、さすがのおかねも弥助に逆襲されかかっていたところを、平蔵が間一髪助ける。
ここで、ふたつの過去の話が語られる。
木原妻事件の不可解な面
ネット上、とくにyoutubeなどでは、木原事件がさまざまなyoutuberがとりあげている。いずれも、妻の関与を疑うもので、今後岸田政権は、このことでも追い詰められるだろう。
ところで、この事件は、いくつもの不可解な面がある。そして、すべてのことがらが、妻の犯行を裏付けるものともいえない。たとえば、妻が全夫と結婚していたときに浮気相手だったとされる人物が、再捜査の過程で(当時覚醒剤使用の罪で服役していた)、妻が電話をかけてきて、やってしまった、といっていた。そして、家までいった、と証言しているのだが、10年以上経過していたことでもあり、また、何度も刑事がやってきて、尋問していたなかでの証言なので、かれが創作したということが、絶対ありえないともいえない。もっとも、実際に、家にでかけたということは、防犯カメラなどで跡づけられているようだから、信憑性は高いと思うのだが。
この事件の文春記事を読んで、最初に疑問に思ったのは、殺害された夫の父親が、自分の車、ハイエースを息子に貸していたのだが、返してくれないので、返してもらうために、夜息子の家に出向いたという点である。別に事実ではないといいたいのではないが、この時刻が午前の3時くらいだったという点だ。いくら大事な車とはいえ、返してもらうために、夜中の3時に出向くものだろうか。いきなり行くとも思えないから、電話をしたはずであり、その際の内容などは、私が知るかぎりは、でていない。息子(夫)に覚醒剤反応がでたというのだから、電話のときに既になにか異常を感じて、あわてて夜中にもかかわらず、かけつけたのではないだろうか。そういう疑問がどうしてもでてくる。
『レコード芸術』の廃刊
(昨日書いてアップを忘れていたものです。)0
実はうかつにも、『レコード芸術』のことを今日まで知らなかった。それだけ、『レコード芸術』には関心がなくなっていたということだ。しかし、院生時代から結婚初期くらいまでは、ひんぱんに買っていたし、それ以後図書館で読むことは、たまにあった。しかし、最近は、『レコード芸術』を手にすることはほとんどなくなり、興味もなくなっていた。クラシック音楽関係の雑誌で廃刊になったものは、すでに複数あるから、『レコード芸術』もそのうち廃刊になるだろうとは思っていた。そもそも、レコードというものは、通常、SPやLPなど、回転させて溝にきざんだ波を針で拾って、音にするという器具のことだとすれば、CDはレコードではない。最近でも、LPレコードは発売されているが、私の知るかぎり、すべて過去の名盤の復刻であって、新録音はまず見当たらない。そういう意味で、レコードそのものが歴史的存在になっているのだから、『レコード芸術』という雑誌が生き残る余地はあまりなかったといえる。もちろん、レコードは現在ではCD、DVD、BDなどに発展してきているのだから、それをレコードと考えて、『レコード芸術』がこれまで生き残ってきたのだろう。しかし、やはり、決定的なのは、CDすらもたない、聴かないひとたちが、若い世代のほとんどになってきたことが、『レコード芸術』の販売量を決定的に減少させたのだろう。
夭折した演奏家 3 ディヌ・リパッティ
楽器別に選んでいるわけではないが、チェロのデュ・プレ、バイオリンのヌヴーだったので、ピアノはやはりディヌ・リパッティということになるだろう。前の二人と同様に、今でもその早い死を惜しむだけではなく、CDを愛聴しているひとたちが少なくない。なにしろ亡くなったのが1950年だから、70年も前になるのに、新たな人気を獲得しているようにも思われる。しかし、現在現役で活躍している音楽家のほとんどは生まれていないわけで、実際にリパッティを実演で聴いた人は、ほとんどいないだろう。1917年に生まれ、50年に亡くなったルーマニア人である。しかし、後年はルーマニアには帰らず、母親も病気見舞いとして、ディヌが住むスイスにやってきた母親もスイスに亡命したという。共産化しか体制を嫌ったということだろうか。ルーマニアの演奏家は他にクララ・ハスキルやチェリビダッケがいるが、品格のある演奏をする人が多いようにおもわれる。正直なところ、私個人は、ハスキルのほうをよく聴いたし、ハスキルは好きなピアニストだ。ボックスももっている。
リパッティは、白血病といわれていたが、実際には、ホジキンリンパ腫という病気でなくなったのだそうだ。広義の癌の一種なのだろうが、現在ではかなり治療法が進んでいて、生存率も高くなっている。だから、現在に近い世代であれば、33歳という若さでなくなることもなかったかも知れない。