規制をどうするか。
私の専門の教育で考えてみる。教育の世界にも、規制はたくさんある。まず、私立学校を設立するためには、知事(高校まで)や文部科学大臣(大学)の認可を受けなければならない。高校までの一条校の教育には、学習指導要領という「規制」が存在する。
しかし、国の認可がなくても、学校を設立することができる国もある。アメリカが典型である。
学校設立に規準や認可が必要であることと、必要ないことと、どちらが教育的に望ましいのだろうか。単純化していえば、多様な教育を認め、信念に基づいて教育活動が行える、つまり規制がないほうが、全体としては、活発な教育活動が行われ、子どもたちは、自分の気にいった教育を受けることができるから、十分な発達を促すことにつながりやすいといえる。しかし、教育の実態は入ってみなければ、十分にはわからないものだから、いざ入学してみたら、酷い教育条件だったということがありうる。規制の緩い専門学校で、留学生への教育をきちんと行わないために、留学生たちがどんどん行方不明になってしまった事例があった。当然その専門学校に対しては、厳しい監督と規制が行われたことだろう。