皇室は令和で終わるのか

 小室圭・真子両氏の結婚は、二人の問題より、天皇制に与える影響が大きいと言われていたし、実際そう主張する人も多くなりつつある。テレビなどの大手メディアの「掌返し」には驚いたし、言論統制のような動きに警戒する必要があるが、皇室そのものの存在意義を疑う国民が増えた。そして、もともと無関心層も多い。皇室に無条件の敬愛の念をいだいている国民など、高齢者の一部といえるかも知れない。私のように、元々そんな感情のない人間も、高齢者でもいる。
 代替わりから、ふたりの結婚に至る流れのなかで、確実に国民に意識されたことがある。それは、皇室には、莫大な税金が投入されており、それが国民の福祉のためには、あまり役になっていないということだ。三組の家族の引っ越しで、どれだけ多額の税金が費やされただろうか。 “皇室は令和で終わるのか” の続きを読む

殺伐さを感じさせた小室夫妻の会見

小室夫妻会見 殺伐としたものを感じたひとは多いだろう

 歴史に残る記者会見となったといえる。皇族の結婚という、国民の祝福が極まるようなことであるのに、なんとまあ、殺伐とした空気が支配していたことだろう。こんな会見ならしないほうがよかったという見解が、多数だされているが、同感だ。個々の内容に詳しく触れる必要はないだろうが、今後の天皇制のあり方とも関連して、いくつか驚くことが語られたので、それについては、触れざるをえない。

 なんといっても、驚いたことは、小室圭氏の母親とその婚約者のあいだの金銭トラブルに関して、また圭氏の留学について、真子氏が主動し、真子氏の意図に反した対応をとったことはないこと、そして、先のこととして考えていた圭氏の留学を、あの時期に実行して、海外に拠点をつくってほしいと願ったのも真子氏であったということが、本人から語られたことだろう。 “殺伐さを感じさせた小室夫妻の会見” の続きを読む

小室氏結婚へのネット批判は「誹謗中傷」「一億総いじめっ子」か?

 別の原稿を書いていたのだが、急遽変更することにした。

 このところ、メディアの小室・真子結婚問題に関する論調が、まったく変わってしまった。毎日新聞を読んでいると、ネット上での誹謗中傷を非難する記事が目立つ。「一億総いじめっ子か 真子さま結婚へ中傷 スマイリーキクチさん」という記事は、誹謗中傷が絶えない、ただただ悲しいと語っている。

 しかし、どうもおかしくないか。

 私自身は、ここで何度も書いているが、二人の結婚は、早々としてニューヨークにいけばいいと思っているし、一時金を辞退しなくてもよいと考えている。しかし、祝福するかと問われれば、しないと回答するし、もし、娘や知人が小室氏と結婚したいといったら、全力をあげて阻止するだろうと書いた。 “小室氏結婚へのネット批判は「誹謗中傷」「一億総いじめっ子」か?” の続きを読む

イベルメクチンの議論について感じる疑問

 しばらく旅行に出ていたので、通常の話題について書けなかったが、昨日ネットをみていると、産経新聞が、「イベルメクチン個人輸入に警鐘「科学的根拠ない」
2021/10/17 と題する記事を掲載していた。イベルメクチンは、新型コロナ治療薬として、世界的な論争の対象になっている。私自身は、専門家ではないので、正確なところはわからない。しかし、この議論について考えるところは多々ある。
 専門家の間でも効果があるという人と、ないという人がいる。そして、議論は、「科学的」な検証を重視する者と、実際に使って効果があった、なかったという人がいる。立場も様々だ。 “イベルメクチンの議論について感じる疑問” の続きを読む

北朝鮮による拉致被害者に関する生方発言

  10月11日の産経新聞に、立憲民主党生方議員が、北朝鮮に拉致された人は、誰も生存していないという発言をして、拉致被害者家族会と支援組織が抗議をしたという記事がだされた。
 要点は以下の通り。
 
 生方議員が9月に千葉県松戸市で行なったかいごうで、「日本から連れ去られた被害者というのはもう生きている人はいない」と発言した。横田めぐみさんが生きているとは、自民党議員も含めて誰も思っていない。めぐみさんの遺骨とされたものを、日本政府はDNA鑑定で偽物としたが、当時はそういう技術力はなかった。
 死亡の根拠は、生きていたら当然帰す。生きていたら何かに使うはずだが、一度も使ったことがない。

“北朝鮮による拉致被害者に関する生方発言” の続きを読む

小室圭氏を支える黒幕?

 小室圭氏と真子内親王の結婚が本決まりになり、圭氏の母親が詐欺の疑いで刑事告発されるなど、まだまだ騒がしい状況が続いている。そのなかで、にわかに議論になっているのが、小室圭氏を支える黒幕の存在である。
 もちろん、小室氏がニューヨークにいって、フォーダム大学の大学院に入学して、3年間を過ごしたことをみれば、財政的な援助をしている人がいることは間違いない。それが誰かは明らかではないのだから、黒幕というのもあながち不適切とは言えない。留学前に勤めていた法律事務所が生活費を支給しているという話もあるが、これは、ほとんど信じるに足りない。留学に際して、弁護士資格を取得後は、アメリカで生活することは、ほぼ確実なこととして公言してきたのだから、日本の法律事務所が生活費まで面倒みるはずがない。もし、みるとしたら、法律事務所が正規の留学生として送った場合だろうが、小室氏の場合は、事務員だったわけだから、そんなエリート扱いするはずがないのだ。

“小室圭氏を支える黒幕?” の続きを読む

親ガチャ問題を考える2

 では、親ガチャ問題はどうしたらいいのだろうか。結論的には、個々の状況によって、異なるのだから、一般的な解決法があるとは思えないが、個人的には、やはり、気持ちを変えること、そして、社会的な制度としては、個人の多様性を許容するシステムにしていくことだろう。
 私自身は、親から「ああせい、こうせい」などということは、全く言われず、また自分自身として、親の意向に添う生き方をしようなどとは、微塵も考えずに成長した。つまり、やりたいようにやってきたということだ。しかし、私の親、特に父親は、まさしく親ガチャ的苦しみのなかで、苦闘してきたといえる。戦前の話だが、けっこう優秀だったので、担任の教師がわざわざ家まできて、中学に進ませてやりなさいと、親を説得したが、極貧だったために、親が頑として聞かず、結局、義務教育だけで終了、家をでて、働きにでたが、幸いにも、前回書いた官庁設立の学校を受験して合格、中間管理職になる道筋を、自分で立てることができた。しかし、親への共感度はまったくなく、戦後結婚してから、里帰りは親が無くなった葬式のときだけだった。だから、今生きていれば、親ガチャ論議には、ずいぶん関心をもったに違いない。ただし、そういう父も、結局は、自分なりの人生を掴んだといえる。それは、おそらく、家を飛び出したからこそ、可能性が開けたといえる。

“親ガチャ問題を考える2” の続きを読む

親ガチャ問題を考える1

 今日(10月6日)の羽鳥モーニングショーで、親ガチャ問題を扱っていた。最近よく聞く言葉だ。子どもの人生が、親によって左右され、個人の努力によって変えられないという意味らしい。その程度が強まっていて、それが格差社会を助長しているというわけだ。モーニングショーでは、その典型的な表れとして、東大生の家庭の知的、経済的優越性を例としていた。結局、勉強好きにするような家庭の雰囲気、そして、小学生の中学年から始まる塾での競争を可能にする経済力、そうした要素がないと、子どもが東大に合格しにくくなっている。だから、そういう要素を欠いた家庭に生まれた子どもは、どうしようもないのだ、という番組の主張だった。
 しかし、こうした見方には注意しなければならない。社会の変化をどの程度のスパンで見るかに、大きく影響されるからだ。
 第一に、時代的な流れを見る必要がある。
 ほんの150余年前までは、日本は封建身分社会であり、武士とその他の身分では、生まれによって、大きな違いがあった。武士のなかでも、大名に生まれるのと、幕府の御家人に生まれるのとでも、相当な影響の差が出ただろう。もちろん、そういうなかでも、個人の努力の余地がなかったわけではない。福沢諭吉のように、貧しい下級武士に生まれても、世の中の激動を生き抜いて、歴史に名を残す偉業をなし遂げた人物もいる。

“親ガチャ問題を考える1” の続きを読む

戸籍上の性別変更について考える

 多少古い記事だが、偶然MSNのポータルサイトに出てきたので、注目して読んだ。トランスジェンダーとして生きている「男性(元女性)」が、生殖除去手術をしなくても、戸籍の性別を変更できることを求めて、提訴したという記事である。https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/930559.html
 現在は、同性婚が正式に認められていないので、戸籍の性別を変更することによって、結婚したいということのようだ。
 今年は、LGBT法案が与野党の合意に一端至ったが、結局、自民党保守派の反対で流れたということがあった。また、その前の3月には、札幌地裁で、同性婚を否定する民法は、違憲であるという判断もでている。https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6051715cc5b6f2f91a2d567e
 この問題は複合的な要因が絡んでいる。

“戸籍上の性別変更について考える” の続きを読む

教師への超過勤務手当て不支給を違法ではないが、実情にあわないとした判決

 埼玉県の教師が、教師の超過勤務に残業手当を出さないのは違法であると訴えた訴訟に対する地裁の判決が出た。形式的には、原告の敗訴であるが、実質的にはかなり勝訴に近いといえる。
 現在、教師に対しては、勤務時間外に命じることができる勤務内容を限定している。そして、その時間外勤務に対しては、超過勤務手当てを支給しないかわりに、4%の特別手当てを支給する体制になっている。しかし、実態は、限定された内容以外に、非常に多くの時間外勤務が行なわれ、事実上強制されている。それは違法ではないか、というのが、提訴の理由である。多くの教職員から支持が寄せられ、私も確か応援メールをだした記憶がある。
 判決は、教職員給与特別措置法(教特法)によって決まっており、違法ではないと結論付けた。法解釈の大原則として、一般法に対する特別法の優位というのがあり、労働基準法よりは、教特法が特別法であるから、法解釈上は、教特法に従って判決をせざるをえない。だから違法ではないとしたのである。

“教師への超過勤務手当て不支給を違法ではないが、実情にあわないとした判決” の続きを読む