人的能力の開発政策は、教育面においては、ハイタレント要請と中等教育の完成がふたつの柱になっている。今回は、中等教育の完成について、検討する。
教育訓練の側における能力主義の徹底といっても、それぞれ多様な個性・資質・能力があるから、それに応じた教育は、画一的なものではなく、コースの多様化、進級・進学の弾力化、ガイダンスの強化、試験制度の改善等が必要であるとする。そして、これに、中学で学校教育を終える者のために、その後も何らかの制度的な教育を与えることが、中等教育の完成ということである。ヨーロッパでは、義務教育を終えて、次の全日制の学校に進学しない者は、成人に達するまで、週2回程度学校に通う義務就学の規定があり、企業もそれに協力する必要がある、という体制をとっている国が少なくない。答申の提言は、成人に達するまでではなく、高校教育の終了程度までを想定している。(もっとも、今後日本でも成人年齢が18歳になるから、この制度を実現すれば、成人に達するまでは、すべての者が教育をうける義務をもつことになるのだが、現時点では、そうした政策案は提示されていない。)