ある寺のトイレが廃止

 兵庫県のハイキングコースの途中にある寺が、これまで一般に開放していたトイレを廃止することになり、かなりの話題になっている。
「汚され、壊され、暴言も…マナーが悪すぎてトイレ撤去 お寺の住職が苦渋の決断「数十年悩まされました」」(金井かおる 2021.11.23)
 この寺は、檀家の一人が、寺に参拝するひとのためにと寄付をしたものだそうだが、ハイカーが使用することも認めていただけではなく、ハイキングの解説本に、コース最後のトイレと紹介されていたこともあり、利用者のほとんどはハイカーで、中には使い方の酷い者がいて、清掃などにかなり苦労して、とうとう廃止することになったという記事だ。興味深いのは、この記事に対して、1日たった24日現在で、800ものコメントがついていることだ。そして、少数ながら、寺を批判するコメントもあり、沸騰状態とえいえる。

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帝京大学でのゼミ選抜で性差別? 呆れた教授の行為

 帝京大学で呆れた事件が起きた。
 帝京大学のある教授がゼミ生を募集し、ある男子学生がメールで応募したところ、名前が女性を思わせるものだったので、「女子は採用」という返事をだし、それに対して、学生が男性であることを知らせ、話し合いがもたれたが、学生が録音し、ネットで公表したということで、明るみに出たものである。実に憂鬱な事件だ。
 
「「あんたが女だと思ったから…」帝京大教授、男子学生に性差別的発言か 大学側「ゼミ募集を中止して調査」」
 大学としては直ちに、当該ゼミの募集を停止したという。既に受け入れが決まっている学生はどうなるのだろう。ゼミそのものが中止されるのか。講義はどうなるのか。まだこれから動きがあるのだろう。

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97歳ドライバーの事故を考える

 97歳の高齢者が車を運転中、歩道を走り、一人の死亡を含む数名のひとに怪我を負わせる事故が発生した。また、テレビや新聞で高齢者の運転事故というテーマで、さかんに報道されている。私はまだ後期高齢者ではないが、次回の免許更新では、そうなっているので、こうした高齢者事故は、深刻に考えざるをえない。あまり便利とはいえないが、公共交通機関で、なんとかなる地域なので、80歳を超えてまで運転するつもりはないが、97歳というのは、やはり驚きだ。よほど公共交通機関が不便なところなのだろうか。周囲のひとたちは、車庫入れなどをみていて、不安に思っていたというし、また、家族はタクシー会社と交渉をしていたとも報道されている。いずれにせよ、まわりのひとたちが不安に思っていたなかでの事故であるようだ。独居老人だったというから、いつも一人で運転していたのだろう。

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再論 学校教育から何を削るか5 授業をしない管理職

 学校のなかでは、教師の最も重要な授業以外の、実に様々な業務が行われており、そのための人員が配置されている。教師の過重労働を解決するためには、教育活動に役に立つ仕事以外は、削っていくことが必要である。そして、仕事を削れば、人員も不要である。ただし、ここでいう人員の削減は、文字通りの教員数を減らすことではない。教員のなかには、授業を行っていない人が多数存在している。そうした教員は、皆管理職の位置づけをされている。私のいう削減とは、管理職ではなく、通常の教員に戻し、授業を行う教員にするということである。
 文部省の統計をみておこう。授業をしているかどうかき統計を探したのだが、見つけることができなかったので、小学校で担任をもっているかどうかの統計を参考にする。小学校には、授業をしているが担任をもっていない教師は存在するが、わずかであるので、だいたいの傾向はわかる。公立小学校の数値でみてみる。

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東京交響楽団のサロメ

 東京交響楽団によるリヒャルト・シュトラウス「サロメ」を聴いてきた。オペラなので、視聴してきたというべきかも知れないが、演奏会形式なので、聴いた要素が強い。とにかく、よかった。これほどすばらしいサロメを生で聴くことができるとは、思ってもみなかった。facebookをみていたら、この宣伝があったので、直ちに申し込んだ。幸い、比較的よい席がとれた。キャストは
サロメ アスミク・グリゴリアン
ヘロディアス ターニヤ・バウムガルトナー
へろで ミカエル・ヴェイニウス
ヨカナーン トマス・トマソン
 他は日本人歌手たちだったが、4人の外国人歌手たちは、すべてが声量と表現力は、文句ない感じだった。しかし、上演自体がかなり困難な「サロメ」で、日本人歌手たちが多数参加していたことは、心強いと率直に思った。ただ、コロナの影響で、急遽配役の交代があり、ナラボートとナザレ人2が同一歌手が担当し、自殺してしまうナラボート役の歌手が、あとでナザレ人2で出てくるのは、ご愛嬌というところか。

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再論 学校教育から何を削るか4 通知表1

 教育と評価はコインの表裏の関係である。教育のプロセスには、必ず評価が背後にある。従って、教師は高い評価能力をもっていなければならない。そうした日常的な評価を集約するための評価が、制度的には指導要録であり、保護者に集約された評価(=成績)を伝達するのが通知表である。
 通知表は、保護者に対する連絡簿で、作成は法的には義務ではない。ここが誤解されていることが多い。実際に通知表をださない学校も、稀だがある。義務ではないのだから、様式も回数も学校で決めることができる。
 私自身も、成績などださなくてよいなら、本当に授業がやりやすいのだがと思っていた。小中学校の教師にとって、通知表の記入は本当に負担の大きい作業だろう。文部科学省は、特に負担の多い「文章」で書く部分を、単純な書き方にするなどという「軽減策」を打ち出しているが、それこそ「焼け石に水」だろう。
 何故、学校教育から削る対象にあげるかといえば、教育的評価のためには、通知表は不可欠のものではないこと、通知表があることによって、かえって教育実践を歪めてしまう恐れがあること、そして、通知表記入が、教師にとって大きな負担であること等による。

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ウクライナ ポーランドへのミサイル事件への疑問

 ポーランドに着弾したミサイル問題は、いまだにしこりを残している。未解決というべきだろう。というのは、ゼレンスキーがまだウクライナの誤射であることを認めていないからだ。ゼレンスキーとしては、なかなか認めがたいというのも理解である。
・現場の兵士たちが、自分たちの誤射ではないと主張しており、指揮官としては、証拠もなしに兵士たちを疑うわけにはいかない。
・NATOとしては調査しているが、ウクライナは調査に参加できず、納得できる情報が示されていない。
 以上のふたつの理由である。ゼレンスキーの立場にたてば、当然の対応といえる。最高指揮官が、命をかけて闘っている兵士たちの主張を、証拠もなしに否定できるわけがない。具体的な証拠なしに、兵士たちの主張を否定すれば、兵士たちの士気は低下してしまう。更に、NATO側は、ウクライナの誤射であると主張しているが、私がみている限り、衛星での追跡などの具体的な軌道を示すような証拠を、公開していない。おそらく、非公開でゼレンスキーに示すこともしていないのではないかと思われる。少なくとも、NATOは、ウクライナの軍指導者やゼレンスキーに証拠をみせ、兵士たちを説得させる、という手順は踏むべきであろう。

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再論 学校教育から何を削るか3 形式的な儀式とマナー

 今回扱うのは、形式的な儀式である。儀式というものは、すべて形式的ではあるが、教育的にあまり意味がなく、他の簡単な方法で代替できるという儀式は、不要で削る対象にするのがよいということだ。
 
(1)始業式・終業式
 日本の学校の新学期は、始業式から始まり、終業式で終わる。そして、始業式や終業式を行うことに疑問をもっている人たちは、ほとんどいないだろう。しかし、欧米の学校の実情を知っている人にとっては、当たり前のことではなくなる。私が知る限り、欧米の学校には、始業式や終業式はない。何故、始業式や終業式を学校全体の集会として行うのだろうか。入学式や卒業式は、その学年全体に関わることであり、また新しい生徒を迎え、次の段階に進む生徒を送り出すという意味がある。

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ポーランドにロシアがミサイル 補充と訂正

 当初ロシアのミサイルがポーランドに着弾したという報道に基づいて文章を書いたが、まだ確定ではないが、その後、ロシアのミサイルを迎撃しようとしたウクライナの発射した迎撃ミサイルのようだ、という報道に変化してきた。「ウクライナ迎撃ミサイルが着弾と米大統領、NATOは緊急会合開催」
 アメリカの分析による発表なので、かなり信憑性はあるが、しかし、いくつか疑問は残る。
 別の報道によると、使われたのがロシア製のS300という迎撃ミサイルであるというのだ。ウクライナはロシア製の兵器をたくさん使っているから、そのこと自体は不思議ではないが、もしそうだとしたら、ロシア製武器の精度が低いことが示されている。また、ロシアによるミサイル攻撃が激化しているので、迎撃システムを急遽ウクライナに支援したはずであるが、それが不十分だったということにもなる。欧米の優秀な迎撃システムなら、そのようなミスはなかったに違いない。
 また、もう一つの疑問として、ロシアから発射されたものではないというのだから、可能性としてはベラルーシということになる。すると、ベラルーシは既にロシアにかなり強力の度合いを高めていることになる。しかし、ベラルーシはロシア軍の駐留は認め、また、演習は一緒にやるとしても、直接的な攻撃援助をしていないとされていた。
 まだ確定ではないが、いずれにせよ、最も責められるべきは、誤射したウクライナではなく、不当なミサイル攻撃、それも民間施設への大規模な攻撃したロシアである。だが、もし、ウクライナによる迎撃失敗だったとしたら、ゼレンスキーはそれを素直に認めて、謝罪しなければ、今後の支援に悪影響を及ぼすだろう。

ポーランドにロシアのミサイル

 各紙にロシアのミサイルがポーランドに着弾し、二人が死亡したと報じられている。一番初めにみた記事が、ゼレンスキーの報告だったので、ゼレンスキーがNATOを引き込む発言かと思ったが、いろいろとみていると、たくさんの記事が出ているし、バイデンがポーランド支援を明言したというので、事実なのだろう。ロシアは例によってとぼけているが、状況からみれば、ロシア以外にミサイルをポーランドに打ち込む国はありえない。ウクライナ全土に100発のミサイルを打ち込んだというので、そのうちの一発が、誤ってポーランドに着弾したのだろう。ロシアがポーランドを攻撃することは、現時点では考えられないし、その危険性はわかっているはずだ。
 このことでわかるのは、ロシアは確かに精密誘導できるミサイルが枯渇しているらしいということだ。精密誘導可能なら、ウクライナの国境を超えて、隣国ポーランドに撃ち込むなどということは起きるはずがない。かなりロシアとしては、慌てているのではないだろうか。

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