朝鮮大学校学生への緊急給付金を支給すべきか

 新型コロナウィルスの影響で困窮する学生向けに政府が創設した「学生支援緊急給付金」の対象から、朝鮮大学校が外れていることに対して、大学教職員709名の署名を集めて、同志社大学の板垣竜太郎教授が、文科省担当者に要望書を手渡したという記事があった。給付は20万円だが、京都新聞によると、「国公私立大や短期大、専門学校のほか日本語教育機関や外国大学の日本校も対象としているが、各種学校の朝鮮大学校に関しては認められていない。」https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/429136
 朝鮮大学校の卒業生は、日本の多くの大学院への進学を認められており、高等教育機関として認知されている。なのに、除外するのは、差別であり、政治的理由だとするものだ。板垣教授は、治安管理的な思考や外交的思考で考えるのではなく、人道的な見地、歴史的な実態と実績に則した見地から対象に含めるべきだとする。
 
 非常に難しい問題だと思う。結論的には、私は給付金の除外は適切だと考えている。その理由を説明しよう。

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ブラック職場を教師が提訴

 公立小学校の教師が、教師に超過勤務手当てが支給されないのは、違法であるとして、県に残業代を払うことを求めた訴訟を起こしたと、読売新聞が報道している。記事を引用しておこう。
 
「教育現場は『ブラック職場』。このままだと、若い人たちが倒れてしまう」
 1981年に教員となり、昨年4月からは再任用で埼玉県内の公立小学校で働く男性(61)は、そう語った。
 若手教員の頃は、自身のペースで働くことができた。だが、子どもたちの安心・安全や健康について、学校への社会からの期待が高まるにつれて、勉強を教える以外の仕事が増えてきた。朝のあいさつ運動、歯磨き指導、下校指導――。全て、働き始めた頃にはなかった仕事だ。
 男性は「学校や教育委員会から指示や命令を受けた形ではないが、様々な業務は事実上、命じられている。やらなければならない仕事が多すぎる」と訴える。提訴前の2017年9月~18年7月の残業時間は、少ない時で月41時間5分、多い時で月78時間40分に上った。
 公立校の教員の給与について定める法律では、教員に支給されるのは基本給の4%の「教職調整額」で、民間企業のように残業時間に応じた残業代は支払われない。男性は18年、教員に残業代が支払われないのは違法として、県に残業代約242万円の支払いを求めて提訴した。
 提訴に踏み切るのは、大きな決断だったが「訴訟を通して、教員の働き方が変わるきっかけになれば」と願っている。
 
 実は、こうした訴訟はこれまでもいくつか起きている。埼玉の教師が起こした裁判は、現在でも進行中である。(2018.12.5の産経新聞が、埼玉の小学校男性教師が提訴したことを報じている。) 

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「皇女」? 奇妙な試み

 突然「皇女」なるポストが考案されているらしい。既にずいぶん話題になっているが、毎日新聞によると次のようなものらしい。
 
 「皇族減少に伴う公務の担い手不足の打開策として、女性皇族が結婚して皇籍を離脱した後も特別職の国家公務員と位置付け、皇室活動を続けてもらう制度の創設が政府内で検討されていることが分かった。「皇女」という新たな呼称を贈る案が有力。政府関係者が24日、明らかにした。」(2020.11.24)
 
 要するに、女性皇族は結婚すると民間人になり、皇族が減少していく。そのために、公務の担い手が少なくなるので、女性のみ「皇女」という特別職の国家公務員となって、公務に携わってもらうということらしい。女性皇族が結婚後も皇室に残る「女性宮家」創設案と一緒に明記されているということだ。
 早速ネット上で話題になったのは、「特別職の国家公務員」だと、総理大臣が、特定の皇族を任命拒否できるのかという「問い」が出回っている点だ。学術会議の会員の任命を、特別職の国家公務員については、総理大臣が任命を拒否できるという「解釈」をもって、拒否したばかりだから、当然、皇族が「皇女」になるに際して、総合的俯瞰的理由で拒否できることになる。もし、拒否できないという解釈を押し出すとすれば、学術会議会員の任命拒否は、違法行為となる。ごく自然な疑問として出てくるわけだ。まじめに提案するとなると、この点が当然追求されるので、興味深い展開になると予想される。

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高齢者隔離措置?

 ダイアモンド・オンライン2020.11.27に、上久保誠人氏の「コロナ第3波に無策の菅政権、今こそ実現すべき安倍前首相の『遺言』」と題する文章が掲載されている。まだこういうことが議論されなければならないという点で、なさけない状態だと思うが、重要な論点が提示されている。ただし、全面的な賛成はできない認識もある。
 安倍前首相の「遺言」というのは、大げさな表現だし、多くの人が主張していて、なんとなく安倍氏も受け入れそうな感じだっただけで、本当にそう思うならば、さっさと実行すればよかっただけの話ではなかっただろうか。ただ、重要な点ではあると、私も思う。それは、新型コロナウィルスを指定感染症の第二類以上という扱いをやめて、インフルエンザと同等の扱いにするという提案である。完全に同等というわけにはいかないと思うが、無症状の者まで入院するという措置は、現在ではあまりとられていないはずなので、実質的には、厳密に第二類以上として実行されているわけではない。あいまいなのだ。はっきりさせることは必要だが、どういう線引きをするかは、実情に合わせる必要がある。
 まずは、上久保氏の主張を簡単に整理しておこう。

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安倍対菅闘争の勃発か 桜を見る会の捜査

 突然、もう葬り去られたとみられていた「桜を見る会」の問題がクローズアップされてきた。安倍前首相の政治の私物化の典型的な事例として、昨年来大きな問題となっていたが、コロナ禍がずいぶんと安倍氏には助け船となっていたし、首相を辞任したことによって、ついに逃げきったという雰囲気になっていた。市民の目から見ると、突然検察が頑張りだし、安倍前首相の秘書が任意で取り調べを受けて、これまでの国会での説明が虚偽であったことを認めたという。
 何故突然このような事態に急変したのか。なかなか素人である私には詳細がわからないが、権力の位置関係が変化していることは感じざるをえない。そして、大胆に安倍対菅の権力闘争が始まったのだと考えてみたい。
 菅氏は安倍前首相から、権力を禅譲されたわけではない。安倍氏は長年言われてきたように、岸田前政調会長に禅譲したいと考えていたのに違いない。岸田氏のほうが、院政を敷きやすいという考えがあったのだろう。自らは、首相をめざすことはないと公言していた菅氏は、特に最後の一年間は、安倍前首相に排除されていたように見える場面がたびたびあった。ただ考えが合わないということではなく、菅氏の権力奪取の姿勢を感じ取ったからではないだろうか。そうして、菅氏は権力を奪取することに成功した。そのためには、かなりの手練手管をもちいたようだ。

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温室効果ガス0にするというが

 菅首相は、2050年までに、日本の温室効果ガスの排出量を実質0にするという公約を掲げた。大変けっこうなことだ。しかし、それは本気なのだろうか。これまで日本は、京都議定書を決めたホスト国として、温室効果ガスの削減に努力してこなければならなかったが、実際には、ほとんど成果をあげてこなかったし、むしろ、東日本大震災もあって、火力発電が増大したことで、約束を下回っている。また、トランプ大統領の消極的な姿勢の影響もあって、安倍内閣は熱心に取り組んだとは言い難い。安倍内閣を支えてきた菅官房長官が、熱心に気候変動問題に取り組んだという印象はない。「日経エネルギーNext」によれば、公明党の強い要請で、政策に掲げたということのようだ。とするならば、それほど自身の政治生命をかけるような重大政策ではないに違いない。最大重要課題と掲げていたコロナ対策は、今のところ無策として思えないから、「大きな政策」の実行力にはかなり疑問符がつく。しかし、そういうことはさておき、公約の内容そのものはとても重要で、本気で実行してほしいことだ。

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東京・福岡でコロナ関連で罰則付き義務化?

 新型コロナウィルス対策として、都道府県単位で罰則付きの措置をとろうという動きがある。欧米などの罰則付き措置が、日本でとれないために、対策がとりにくいということは、従来から言われていたが、他方で、罰則なしでも、国民の自発的努力で欧米以上の効果をあげているから不要だという見解もある。菅内閣は、新型コロナウィルス対策が最大急務であるといいながら、経済活性化のための政策を重視して、コロナ対策は、ほとんどスルーしている感じだから、結局地方がやらねばならないという機運になっているのだろうか。
 最初の動きは、東京だった。
 まず10月段階では、陽性が判明したあとに外出して、他人に感染させた場合には、罰金を科すという案が検討されていた。現在は、陽性になっても強制的な入院などはなく、むしろ、家庭での待機が奨励されているから、行動の規制はほとんどできない。買い物にはいく必要があるだろうから、外出を全面的に禁止することもできない。それをするためには、ホテルや研修所などに収容するしかないだろう。春先に、陽性となった男性が、繁華街に出て、店に入り、「俺はコロナだ」と叫んで回ったという事件があった。ただし、この事例とは、異なる。以下記事を引用しよう。

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コロナワクチンへの疑問

 新型コロナウィルスに対するワクチンの開発が進み、効果が95%であることが確認された、などというニュースが注目されているが、通常のニュースやワイドショーなどをみている限りでは、どうもよく理解できない部分がある。つまり、有効率が95%というのは、どうやって確かめたのかということだ。そして、何故、日本の医師の多くが、ワクチン開発はかなりの年数がかかるのに、これらのワクチンはまだまだ本当に有効であるかはわからない、と解説するのか、そうしたことがよく理解できないのだ。ワクチンが有効だったということは、ワクチンを摂取した人が、新型コロナウィルスに感染したけれども、まったく発症しなかったという人の割合が95%で、発症した人が5%だったというように、常識的には受け取れる。

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アメリカの民主主義を考える

 アメリカ大統領選は、バイデンに当確が出て、新しい段階に入ったが、今のところ、予想されたような事態に入りそうになっている。バイデンが勝利しても、トランプがそれを認めず、法廷闘争になるという予想だったが、実際にいくつかの提訴がなされ、トランプの訴えをそのまま認めた判決はでていないが、トランプ支持者が、開票所にはいって監視することを認めた判決があったようだ。いまのところ、もうひとつの予想であるトランプ支持者による暴動などは起きていないが、今後どうなるのかわからない。今この文章を書いている時間、アメリカは真夜中であり、明けると日曜日だから、そのとき支持者たちの動きがあるかも知れない。トランプは月曜日から提訴の活動に入るといっているから、そちらはもう少し先のことになるだろう。すべての開票が正式にだされるのが、いつなのかよくわからないのだが、まだ開票作業が続いている州もある。もちろん、そうした結果が明らかになれば、バイデンの圧勝に近い数値がだされるだろう。その段階までに、家族や共和党、友人たちの説得が、トランプの敗北宣言を引き出せば、平和裡の政権移行が実現するが、あくまでもトランプが居すわろうとすると、本当にどうなるか予想もつかない。制度としては、このように進行するという解説はあるが、実際に得票数が確定すれば、それで決まりになるはずだが、それに従わないのだから、どうなるかは神のみぞ知るということなるだろう。(ただし、私自身は、トランプは比較的早めに諦めるのではないかと思っている。そして、トランプを説得するのは、家族であり、娘のイバンカだろう。共和党のひとたちが受け入れるべきだという意志を表明しているから、その力にトランプが押されるわけではなく、家族がそれを受けてということになる気がする。)

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印鑑生産地の怒りと河野大臣の対応 印鑑生産業は生き残れるか

 河野大臣が、平井IT担当大臣から送られたという「押印廃止」という「印鑑」の写真をツイッターに掲載したことで、日本最大の印鑑生産地である山梨県の長崎知事と、全日本印章業協会徳井会長、山梨県市川三郷町の久保町長が、自民党に抗議と陳情に訪れたというニュースが、大きく報道されている。押印廃止という政策に反対する意思表示をしたわけではなく、河野大臣のツイッターにみる、あまりの配慮のなさを抗議したことと、ひとつの産業が危機に陥ることに対する対策を求めたということだろう。科学技術が進歩すれば、必ず起きる社会的事態である。
 思いつくままにあげれば、コンピューターによる本づくり、新聞づくりに移行したときに、大量の植字工が不要になった。印鑑生産に携わっている人とは、比較にならないくらい大人数の仕事が消えたのである。日本は企業内教育を基本としていたこと、企業内組合であったことで、植字工をコンピューターのオペレーターとして再訓練することによって、平和的に活字からコンピューターによる印刷業に移行することができた。産業別組合が主流で、企業内教育が盛んではなかった欧米では、コンピューターによる印刷への転換が、日本よりもずっと遅れたのである。

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