聖火リレーがどういうものかは、まじかに見たことはないので、これまで意識していなかったが、前回の東京オリンピックのときには、ただ、聖火ランナーがけっこうなスピードで走っていた感じが残っている。もちろん、当時はまだ商業主義ではなく、あくまで公的な資金で行われていたので、まわりを宣伝用の車が囲んで走るようなこともなかったと思う。
これまで諸外国でどうなっているのか、わからないが、日本の今回のオリンピックの聖火リレーが、これほど商業主義に毒されているとは、開始までまったく思わなかった。テレビは見ないのでわからないが、インターネットのライブ映像が走者ごとに掲載されている。それをみると、とにかく、聖火ランナーと伴走者たちがゆっくりと、沿道に手を振りながら走っている映像ばかりである。しかし、まったく別の映像がインターネットにアップされている。東京新聞の原田記者によるものだが、コカコーラなどの巨大な街宣車のような車が、大きな音をたてながら、何台も連ねて走っているのだ。そして、その一連の車の行列が通りすぎたあとに、聖火ランナーが走ってくるのだ。一月万冊の清水氏が数えたところでは、車の数は25台程度あった。おそらく、ニュースなどの報道でも、この車の騒音まき散らしながらの行列には、触れていないのだろう。この車列の映像を見たかどうかで、聖火リレーのイメージがかなり違うのではないだろうか。