経産省の若手官僚が、省内で、しかも業務にかかわる内容での給付金詐取で逮捕され、官僚の劣化がまたまた話題になっている。安倍政権の下でさんざん言われたことだが、ここまでの「劣化」、まさしく劣等な意味での犯罪は、あまり例が内容に思われる。しかも、若手キャリアの犯罪だ。もっとも、彼等の経歴は、典型的なエリート官僚とは違っていて、二人とも、寄り道をしている。Aは、2浪して東大法学部に入学、大学院に進んで司法試験合格後に、入省している。Sは、私立の付属高校から、そのまま上の大学に進学して、メガバンクに就職、その後コンサルティング会社の経営者となったが、分裂して、退社、その後入省である。毎日新聞の報道で、少々不思議に思ったのは、付属高校と上の大学が慶応であることが伏され、銀行名も書かれていない。Aが東大であることは明記されているのに。
それはさておき、この事件が、官僚の劣化の象徴として扱われていることである。確かにそうなのだろう。この背景として、官僚志望者が年々減少していること、そして、官僚になっても、近々辞めたいと思っている若手官僚が増加していることが、頻繁に報道されてもいる。
なぜ、こうした官僚の劣化や、その前段階ともいうべき人気の低下が生じているのだろうか。中央公論は、2018年にいくつかの号からの文章を選択して、「徹底検証、官僚劣化--誰が霞が関を「三流劇場」にしたのか」という書物をだしている。様々な分析がなされているが、ここでは、多少異なる観点から私見を書いてみることにする。