8月15日に思うこと

 今日は「終戦記念日」ということになっている。しかし、日本が正式に終戦に至ったのは、8月15日ではない。9月2日、ミズーリ号での休戦協定を結んだ日である。事実、8月15日をもって、日本軍の軍事行動は止んだが、連合国には、まだ戦闘行為を継続している部隊があった。とくに、ソ連軍は日本人たちに対する攻撃をやめてはいなかったのである。すべての連合国軍が戦闘をやめたのは、日本が正式に降伏文書に署名した9月2日である。
 では、何故、日本は8月15日を終戦の日として、教科書や公式の行事として認定しているのか。それは、さまざまな解釈があるだろうが、戦争を終わらせたのは、天皇の意志であるという認識を確定させるためだと、私は思う。8月15日に行われたのは、天皇が前日録音した「玉音放送」が流したことだ。その趣旨は、結論としてはポツダム宣言を受け入れたと、国民に対して公表することだった。その他には、大東亜戦争は、アジアの解放のためだったとか、連合軍の虐殺が激しくなったので、日本の将来を考えたとか、いろいろなことを言っているが、要するに、これは、日本が降伏したことを、連合軍に伝えたと、国民に知らせたメッセージであり、「戦争か終結」したことを、正式に知らせる文書ではないのだ。実際に見たこともない人が多いかと思うので、文末に全文を掲載しておこう。

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オリンピック後始末1 バッハの警備費・女子ボクシング・開会宣言の訳

 いろいろと出てくる話題を、できるだけフォローしておきたい。
 
バッハ会長の警護費用
 バッハ会長は8月6日に広島を訪問して、平和式典に出席した。国民からの反発がけっこうあったが、決行した。そのときの警備費用を、広島県と市はオリンピック組織委員会とIOCに求めたが、蹴られたというのだ。そして、仕方なく県と市で分担することになったそうだが、もっと争ってもいいのではないだろうか。市はそれなりの歓迎はしたようだが、別に招待したわけでもないようだ。つまり、勝手に来たわけだ。しかも、日本人の多くの願いは、オリンピック期間中の当該時間に、黙祷を捧げることだったのだが、これは明確に拒否しているのだ。つまり、広島を訪れたことは、決して核廃絶の願いを表明したかったわけでもなく、原爆投下に抗議する意志を表明するのでもなく、単に、ノーベル平和賞狙いだという見方があるが、そう思ってしまう。バッハの警備費でいうと、銀ぶらのときにもSPかついていたが、彼らの費用は誰がだしたのだろうか。そういうことも明らかにしてほしいものだ。選手たちには、試合が終わったからすぐに帰国せよということなのに、自分は銀ぶらとは。

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オリンピックの不思議なこと いくつか

 オリンピック関連のテレビなどは見ていないので、気になる部分は、ネットで確認しているが、いくつか不思議だと思うことがある。
 まず試合の開始時間だ。いくつかの競技では、あまりの暑さに対応するために、試合の時間をずらしている。テニス、サッカー女子、マラソン女子などが代表的だが、屋外競技のいくつかが変更したようだ。ところで、試合時間は、アメリカのテレビ放映権をもっているNBCの意向によって決まるといわれていた。だから、非常に不自然な時間帯が設定されているわけだ。アメリカの視聴者にとってのゴールデンタイムに、アメリカでの人気スポーツが試合を行うように、開催地の時間帯を無視して設定されるわけだ。ところが、かなり突然試合開始時間が変更になったとき、NBCとの調整はどうだったのだろうか。そういう報道がほとんど見られないので、気になるところだ。
 もしかしたら、アメリカでの視聴率が非常に低いので、NBCとしても無理に時間を合わせる意味がないと諦めたのか。あるいは、特にアメリカの選手が激しく抗議していたので、仕方ないと思ったのか。

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オリンピックは終わったが、地獄の後始末がくる

 今日でオリンピックが終了する。関係者やメディアは、成功したといっているが、残念ながら、メディアを中心に何か盛り上がった感じを作り出したから、そう感じているのだろう。
 他方、オリンピックなど、まったく無視しているひとたちも少なくないのだ。コロナのほうがよほど心配事項であるというひとたちだ。また、IOCに対する最大の資金提供者である、アメリカのNBCは、あまりに視聴率が低いので、こまっているだけではなく、スポンサーへの補償なども考慮せざるをえなくなっているという。これで、盛り上がったといえるのだろうか。
 
 これから、様々な負の結果が出てくるのだ。何よりも、コロナ感染の拡大だ。一昨日明らかになったことだが、コロナの変異株であるラムダ株が、7月20日に検出されていたが、それを厚労省が隠していたという。ラムダ株は、南米で猛威を振るっている変異株で、感染力も重症化率も格段に大きいとされている。どこから持ち込まれたのかといえば、隠されているのでわからないが、時期的に、オリンピック関係者の来日組と考えるのが、もっとも自然だろう。だからこそ、厚労省は、オリンピックが終わるまで発表しないと決めていたのだ。それが、海外のメディアが発見し、調査していると、突然NHKがニュースで報道したという。海外で騒がれる前に、国内でちゃんと発表したという形をとりたかったのだろうと憶測されている。

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コロナ雑感 家庭での治療薬がなぜ承認されていのか

 コロナでステイホームになって、既に一年を優に越えるほどになった。コロナの流行と定年退職が重なったために、文字通り徹底したステイホームを実施している。週に2回程度の買い物につきあうことと、3月から復帰したオーケストラの練習に週1ででかけるだけだ。あとは暗くなってからのジョギング。公共交通機関には、1年半以上乗っていない。そのために、コロナ情報には、本当に長い時間をかけて、読んだり、見たりしてきた。そして、感じたのは、何故日本はこんなにコロナ対策が不備なのか、政府が無力なのかという点だ。そして、少なくない専門家と称するひとたちのいいかげんなことだ。
 
 最初に感じた専門家なるひとたちの馬鹿げたいい方は、「新型コロナは単なる風邪だ」というものだった。これにはびっくりした。こういうことをたくさんの専門家がいっていたが、彼らは、今の第5波の感染拡大でも、そう思っているのだろうか。第3波のときには死者もかなり出た。今回の拡大でも、今後死者が増加することは疑いない。風邪論者は、インフルエンザと患者数も、死者数も変わらないということが、主な理由だった。

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菅首相の平和記念式典挨拶の「とばし」はミスか故意か

 またまた、菅首相が話題作りに協力した感じだ。こともあろうに、広島の原爆投下の日に開催される平和記念式典で挨拶したおり、一ページ分を飛ばし、更に別の部分も読まなかったというのだ。私はテレビを見ていなかったので、記事によって知るしかないが、飛ばした部分と読まなかった部分を、両方掲載している記事がなかなかないので、以下のふたつの記事を引用しておく。比較的詳しく解説しているのが、次の記事である。
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【広島平和記念式典】菅首相が読み飛ばしか。NHKの字幕は「核兵器のない世界の実現」と表示も首相は話さず
菅首相は「非核三原則を堅持しつつ」と日本の立場を説明する場面で、核軍縮の進め方をめぐる各国の立場の違いへと話を変えてしまい、意味が通らなくなった。
* 安藤健二
原爆投下から76年目の8月6日、広島市の平和記念式典に出席した菅義偉首相のあいさつで意味が通らない部分があったと話題になっている。
■意味が通らない部分は?
菅首相は「非核三原則を堅持しつつ」と日本の立場を説明する場面で、核軍縮の進め方をめぐる各国の立場の違いへと話を変えてしまい、意味が通らなくなった。地元紙・中国新聞のオンライン版は「用意していた原稿を読み飛ばしたとみられる」と速報で報じた。

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政府の体をなしていない菅内閣 入院措置の朝令暮改

 コロナでの入院を重症患者を原則にするという政府の決定に関して、既に問題山積している。
 まず、分科会の尾身会長に連絡がいってなかったことが明らかになった。菅首相は、何か困ると、必ず専門家を引き合いにだす。GOTOキャンペーンのときにも、専門家によれは、GOTOとコロナ感染の関連を示すエビデンスはないと、専門家を楯に、GOTOを強行した。しかし、その結果第二波の大きな感染が起きてしまった。当時、尾見氏らですらも、GOTOの危険性を指摘していたにもかかわらず、である。
 しかし、今回の大きな方針転換、というよりは、対策放棄というべきだが、コロナ対応について議論する専門家の分科会に、まったく諮ることなくことなく、ごくわずかな人間で決めたらしい。一月万冊に主演していた佐藤章氏の情報によれは、厚労相の医務技官のトップの二人で案をつくり、それを菅首相と田村厚労相が了承して決めたというのである。しかも、その理由が、感染爆発で、各地の保健所が機能不全になり、批判に晒されたることを恐れたというのである。現在のような入院調整に手間どり、入院する必要があっても、入院できない患者が激増したら、保健所が非難される。しかし、重症に入院を限定しておけば、入院調整ができずに、放置されているという「形」にはならず、保健所が批判されないというわけだ。そして、重症化しているか、あるいはその恐れがあるかは、血液中の酸素濃度95%を基準にするという。つまり、こういう単純な基準にしておけば、入院させるかどうか、などという面倒な調査か不要になる。

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相撲関係者は、よほど白鵬が嫌いらしいが

 白鵬が、オリンピック会場で観戦していたというので、相撲関係者のあいだで大騒ぎになっているようだ。「なぜ無観客なのに柔道会場にいる…白鵬、五輪生観戦を協会が猛批判 怒りの芝田山部長「横綱として失格」」(塚沢健太郎」)https://news.yahoo.co.jp/articles/ffae1555d1bf02ba1e698dc85d597582d7ecb915
この他にも、たくさんの非難記事があるし、また、ネットでも非難轟々だ。
 しかし、冷静に考えてみれば、オリンピックは無観客で、関係者しか入ることができないのだから、何らかの許可があって入場したと考えるのが普通だろう。もし、何もないのに、強引に入場しようとしたのなら、その時点で大騒ぎになっていたはずである。その騒ぎの時点で相撲協会に連絡がいっていたに違いない。しかし、オリンピック選手と歓談している写真まで掲載されているのだからは、何らかの手続きではいったことは十分予想される。それを、ルール違反だと、何も確かめずに怒り狂うほうがおかしい。

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医療の拡充ではなく、患者の切り捨て策に出た菅内閣

8月2日に、政府は、コロナの医療体制を改め、これまではリスクのあるひとを幅広く入院させていたのに対して、入院の対象を重症者や重症化リスクのあるとして、それ以外は自宅療養を基本とするというのである。その理由は、医療が逼迫してきたからだという。
 そして、これまで入院しないと可能でなかった治療法を在宅でも可能にするという。例えば、「抗体カクテル療法」をあげている。しかし、抗体カクテル療法は、点滴によるものなので、自宅で行うには、かなりの制約があるはずである。自宅療養者に対する使い方は、これから協議するらしい。ずいぶんのんびりしたものだ。https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE0274O0S1A800C2000000/
 結局、自宅療法への対応が整わなくても、入院は重症患者という措置は、見切り発車するのだろうか。

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オリンピックが開始され、日本人の対応が変わったというが

 オリンピックが開始されて一週間余が経過した。そして、案の定、オリンピックが始まれば、反対する日本人の感覚も積極的に、支持するようになるさ、というような事前の観測が「正しかった」ような論評が目立つようになっている。しかし、本当にそうか。もちろん、いざ始まれば、既に反対しても仕方ないという雰囲気が醸成されることは明らかであるし、立憲民主党すら、今更反対したら混乱を招くなどと発言しているくらいだから、そういう雰囲気があることは間違いない。しかし、みんなテレビを見ているではないか、とか、積極的に支持するようになっているなどということで、国民がオリンピック反対の感情が消えたとみるのは、早計だろう。そもそも、テレビをつければ、ほとんどオリンピックのことばかりやっているのだから、国民がテレビでオリンピックを見ているというのは、事実としても、それ以外ないからだといえる。これだけオリンピックばかりに占拠されてしまうテレビ局がおかしいともいえる。やはり、系列新聞社がオリンピックスポンサーだからだろう。そして、NHKはもともとオリンピックを、重点的に放映することになっていたのだから、テレビを通してみれば、国民がオリンピック漬けになっているようにみえる。

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