1 メディアの不甲斐なさ 何故バッハの中国人発言をとりあげないのか
日本のメディアについては、多々不満はあるが、最近のオリンピック報道についても情けないことがたくさんある。そのひとつが、バッハIOC会長発言の報道だ。
ネットでは散々話題になった「日本人の安全を」というところを「中国人の」と言ってしまった件だ。驚いたことに、大新聞は、この事実をあまり報道していないのだ。私は、毎日新聞をネット版で講読しているので、チェックしたのだが、「バッハ氏、「日本」を「中国」と言い間違い 「反発招いた」米紙報道 」という記事が7月14日付けであるだけだ。国民のオリンピック反対の声が非常に強かった時期(いまでも強いが)、自分たちの見解を示さず、海外でのオリンピック中心論を紹介していた時期があったが、それと同じ構図だ。バッハ発言そのものは報道しないで、海外で話題になっているというのを紹介するだけというのは、どういうことだろうか。
もちろん、人のミスをあげつらうことは、良くないことだ。しかし、ネットでも少なくない人が指摘していたことだが、あの発言は決して「ミス」ではない。日本にきて、しばらく隔離をしていたあと、最初の公式の仕事として、オリンピック組織委員会を訪れ、会長らと会談をする場での挨拶のなかで出てきた言葉だ。目の前の人が、最も心配していることについて述べる際に、なぜ、まったく異なる内容が出てきたのか。それは、そのことがバッハ自身の頭のなかに、明確にあったからだ。
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