ヒトラーはユダヤ人?

 ロシアのラブロフ外相が、「ヒトラーにはユダヤ人の血が入っている」とインタビューで答えて、物議を醸している。当然イスラエルは猛反発をしている。ラブロフ外相の発言は、ロシアがウクライナをナチに抑圧されていると批判していることに対して、ゼレンスキーはユダヤ人だからナチのはずがないという反論があり、その反論は間違っていると言いたいわけだ。
 いつかでるのではないかという話題が、やはり出てきたかという感じだ。ヒトラーにはユダヤ人の血が混じっているというのは、何人かの研究者が主張していることである。退職して大学に書物をおいてきてしまったので、具体的には確認できないのだが、ヒトラーが、国民のユダヤ人の親族関係を調査させたところ、ヒトラーは4分の1のユダヤ人の可能性があることがわかり、ヒトラーはその事実の露顕を恐れて、調査した人間を殺害したという内容だったと思う。

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ウクライナ戦争後の構造は?

 最近のウクライナ情勢をみていると、どうしても思い出してしまう風刺画がある。小学校や中学校の教科書に載っていたので、多くの人が覚えていると思うが、日英同盟を結び、ロシアとの戦争に向かっていく日本を描いた絵だ。恐ろしいロシアに、イギリスとアメリカが日本をけしかけている図である。
 
 
 私には、日本をウクライナに置き換えれば、そっくり現在の図式になると思う。もちろん、日露戦争は、純然たる帝国主義戦争であったが、現在行われている戦争は、ロシアがウクライナに侵略しているものだ。そして、日露戦争は、日本でもロシアでもない地域で闘われたが、現在の戦場はウクライナという当事国の一方である。こうした大きな違いはあるが、それでも、侵略意志をもったロシア、それをやっつけようと思っていて、実力はあるが直接闘う意志はないイギリスとアメリカ、そして、闘う意志はあるが、単独では無理だと思っている日本とウクライナという図式は、まったく相似関係にあるように映る。

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あらためてプーチンという人物を考えてみる

 プーチンという人物をどのように評価するかは、その人の価値観なり人間観の反映であるかも知れない。なにしろ、多面的な人間なので、どの面に惹かれるかによって、評価する人物の人間観が表れるのではないだろうか。オリバー・ストーンは、プーチンと何度も面談して、著作とドキュメント番組を制作したが、最終的にプーチンを肯定しているかどうかは別として、かなり優秀で思考力のある人物であると見ている。ストーンと話すプーチンは、確かに頭脳明晰で、自信をもっている。同じアメリカ人たちが制作した『プーチン 戦争への道』というドキュメントは、まさしくプーチンを暴君として扱っている。これは4月24日にNHKBSで放映されたもので、KGBの要員だったドレスデン時代から、ウクライナ侵攻までのプーチンの歩みをふり返りつつ、様々な人がプーチンについて語った内容である。プーチンの歩みそのものは十分に知られているが、彼を知る人のプーチン評や、いくつの場面の映像は非常に興味深かった。『プーチン 戦争への道』によって、少しプーチンの足跡をみておこう。

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ウクライナ侵攻問題でのコメンテーター 2

 前回は、ロシアのウクライナ侵攻の目的と、ロシア人の被害者感情などについて扱われていたが、次に制裁やロシア人による虐殺について扱われる。
 まず上松氏が、「 ロシアへの制裁にかかわる国は、国連の一部だ」と提起すると、佐藤氏が、「経済制裁をしていない国が多いのは事実だが、欧米はほとんどやっている。」と述べて、欧米がやっていれば、経済制裁していることになるということで済ましているような気がする。しかし、ロシアへの経済制裁は、ひとつは、ロシアの輸出等を制限して、ロシアに戦争するための費用を与えないようにする、さらに、ロシアへの高度な技術をもつ製品の輸出を制限して、兵器の再生産を防ぎ、またロシア経済の発展を阻害することという、ふたつの目的があるが、後者は欧米が経済制裁をすれば、目的がある程度達成できるが(といっても、中国が輸出すれば、かなり穴埋め可能)、前者は、途上国がロシアのエネルギー、食料を買いつければ、ロシアの収入は確保されてしまう。従って、欧米が制裁していれば、目的達成に問題ないかのような発言は正しくないし、途上国に対して、どのように経済制裁に参加させるかの議論がなければ、やはり、制裁は目的を達成できなくなる。
 さらに続けて、佐藤氏は、大使は論理のすりかえをしていると批判する。「国連憲章2条の武力の行使をしているのは、ロシアである。自分が国連批判をしているのに、西側と我々という区別をするのはまちがい。ジョージアや南オセチアと同じ。嘘をつくと、嘘を隠せなくなる。我々は現実をみている」と一刀両断する。

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ウクライナ侵攻についてのコメンテーターへの不満1

 ウクライナ侵攻は連日、各局でさかんに放映されているが、コメンテーターの解説がすっきりしない点が散見される。少なくとも、私のような素人から見ても、不十分であったり、論点がずれた解説、そして、肝心のことについて口を閉ざすような場面がある。極めて興味深い番組だと思った、日本テレビの「深層NEWS 日テレ」(4月22日放送)を素材に考えてみよう。この番組が、非常に興味深かったのは、    駐日ロシア大使のガルージン氏へのインタビューがあり、それに関して、解説者がコメントする形をとっていたことだ。
 解説者は、佐藤正久(自民党 外交部会長)、畔蒜泰助(笹川平和財団 主任研究員)、飯塚恵子(読売新聞編集委員)の3名で、キャスターは、右松健太(日本テレビ)という構成だった。なおガルージン氏はすべて日本語で応じていた。
 
 最初に、上松氏が、ガルージン大使に、ウクライナ侵攻の目的は何かと質問している。

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ロシア擁護のネット書き込み

 ウクライナ戦争は、情報戦という側面が強く出ている。そして、情報戦は、日本のネットでの書き込みにも現れている。ヤフコメには、かなり不合理な書き込みが見られるからだ。ただし、この文章を書くために、再度ヤフコメをチェックしてみると、かなりの書き込みが消されているような気がした。よりたくさんの新たな書き込みが増えたので、うもれてしまった可能性もあるが、多少、記憶によって、書く部分があることをお断りしておきたい。
 現在は、ウクライナ支持、プーチン弾劾という色調が、日本のメディアとネットを支配しているが、それに挑戦する、疑問を呈する書き込みは、いくつかのパターンがある。
 
・ゼレンスキーにもかなり問題があり、例えば、ロシアを挑発すような政策をとっていた。プーチンが話し合おうと提案したのにそれを蹴ったために、プーチンは侵攻せざるをえなくなった。未成年、高齢者以外の男性は国外に出てはいけないという政策はおかしい。
・人間を楯にしているのは、ゼレンスキーである。
・避難しようとしているウクライナ人を銃で撃っているのは、ウクライナ兵であって、ロシア兵ではない。ロシア兵には、ウクライナの民間人を殺害するメリットがない。

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犯罪者名の報道、検索、忘れられる権利について

 成人年齢が変更になり、かつては少年だった年齢が成人になる。18歳と19歳は成人として扱われると、これまで犯罪の容疑者になっても、実名報道されなかったが、今後はされることになる。明確な基準は、まだ定まっていないようだが、今後具体的な事例で問題になっていくだろう。そして、それに関連して、過去の犯罪に関して報道された名前を消してほしいという要望が、話題になっているが、この点を少し考えてみたいと思う。
 この問題は、犯罪に関わって実名を報道・公表することと、それをあとになって活用すること、削除することという3つの別の問題に分けて考える必要がある。
 
 まず実名報道の問題については、私は、原則匿名にすべきであると考えている。それは少年だけではなく、成人に対しても同様である。そもそも実名報道することに、何か意味があるのだろうか。人は、「知る権利」「報道の自由」があるという。しかし、勘違いしてはならないことは、この場合「報道の自由」が検討されるべきであって、「知る権利」とは無関係だということだ。「報道がなされて知る」のであれば、それは知る権利とはいえない。もちろん、個人が、自分の足で調べて知る権利はある。そうした調べる自由はある。だが、本人が調べるのではなく、報道によって知るのであれば、そして、ほぼすべての事例にわたって、個人にとっては、報道によって知ることになると考えられる。もし、報道が、実名を報道すべきであるという理由として、「知る権利」をあげるならば、もう報道しなかったら、「知る権利を侵す」ことになり、報道の自由ではなく、報道の義務があることになってしまう。それはまったくおかしな論理なのだ。 

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ロシアが未成年を戦場に送るのか

 ウクライナ政府が、「ロシアの少年少女団体であるユナルミヤの17歳18歳の未成年を、戦争に動員する決定がされた」と公表した、という報道がなされている。
 ユナルミヤという組織は、初めて知ったが、2016年に設立された、ロシアの青少年に愛国心を育てるための組織であり、当初は数千名の参加者だったが、現在では80万ともいわれている。(急速に増えているためか、記事によって数字がかなり異なる。)軍事的な訓練も含まれる。
 西側では、ヒトラーユーゲントに近いと批判しているようだが、それに対してロシアは反発をしているそうだ。確かに、ヒトラーユーゲントと似ていると批判するのは、なんとなくわかるが、私がいくつかのサイトでみた限りでは、あまりヒトラーユーゲントには似ていない。ヒトラーユーゲントは、明らかに将来の親衛隊育成の基礎過程のような部分があったことと、基本的に全員参加であり、放課後の活動を大きく拘束していた。そして、援農などの奉仕活動と、スポーツを含む軍事訓練が中心的な活動であった。最初から戦時体制を前提にしたような組織だったのである。

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アゾフ大隊は玉砕の決意か

 マリウポリで最後まで抵抗を続けているウクライナ兵士に対して、ロシアが降伏を勧め、降伏すれば、生命は保障すると呼びかけているが、ウクライナ首相が、アメリカの報道のインタビューに対して、あくまでも闘う意志を表明したと伝えられている。先に降伏した部隊が、本当に降伏したのかどうかは定かでないが、現在残っている部隊が、降伏しないであろうことは、前から予想している。最後はどうなるかわからないが、いまのところ降伏の意志はないと思われる。理由は簡単だ。現在残されている部隊は、アゾフ大隊とされており、ロシアが、「ナチ」と呼んでいる中心的な部隊であり、ウクライナ側で最も強硬なひとたちであるとされている。しかも、正規軍ではなく、内務省管轄の国土防衛隊という、特殊部隊である。国際法的にも、捕虜として扱う義務がない考えられる。更に2014年以降続いているドンパス地方におけるロシア系住民とウクライナ人の対立、軍事衝突において、最も過激に闘ってきたのが、アゾフ大隊であり、住民に反人権的な行為もしてきたとされる。

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ドイツは批判されるべきなのか

 最近、ゼレンスキーは、支援を思うようにしてくれない国に対して、批判する姿勢を強めている。その最大のターゲットがドイツだ。私の目からみると、ドイツは、これまでの姿勢をかなり変えて、ロシアとの対決を厭わず、ウクライナを支援する姿勢を見せているように思われるが、ゼレンスキーには不十分に見えるのだろうか。
 しかし、これまでの流れを、少し前に遡って考えてみれば、現在の状況だけでドイツを批判することには、大きな疑問が残る。
 ドイツが批判されている背景には、ロシアとの経済的結びつきを強めていたことがある。ドイツはエネルギーの半分近くをロシアに依存する状態になっていたために、ロシアに対する経済制裁を、他国に比較すると不徹底になっている。更に、ウクライナのNATO加盟に反対したということも、もうひとつの大きな理由と言われている。このことによって、ドイツを批判するひとたちは、ネットでも散見される。なぜ、ロシアなどと友好的になったのか、というわけだ。確かに、現在のロシア、プーチンの所業をみれば、批判したくなる気持ちもわかるが、しかし、大局的にみれば、ドイツのとった政策を適切なものと評価することも可能である。ドイツを一方的に批判するのではなく、もう少し歴史をふり返っておくことも必要なのではないかと思う。

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