大阪府藤井寺市の教科書選定をめぐる汚職で、市の教育委員2名が辞職することになった。2020年に、実施された選定での汚職で、元市立中の校長か懲役1年6月、執行猶予3年、追徴金6万4000円の有罪判決を受けている。便宜を図った側の大日本図書の取締役らも罰金命令を受けている。
この事件について、伊東乾氏が、「藤井寺市の教科書選定「贈収賄事件」に透けて見える日本弱体化 教科書利権と「自虐的」数学教科書排除は焦眉の急」と題する文章をあげている。
教科書採択をめぐる汚職は、明治時代から続いており、そのために国定になったり、検定になったりしているが、法で厳しく罰せられるとしても、特に現在の採択制度では、採択されないと、会社自体が倒産してしまう危険性が高いためもあり、こうした汚職は耐えない。だから、検定や採択をめぐる制度面での改変が必要なのだが、伊東氏が主に論じているのは、更に、教科書の水準が下がっていることの指摘と危機感の表明である。